オニオン侍の玉ねぎ亭

TRPGと声劇が大好きなオニオン侍のブログです!

タグ:声劇

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題名:帰宅部TA②
作者:オニオン侍
人数:4人(4:0)
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【本作における著作権管理・利用について】
本作は著作権フリーであり、サークル活動、
無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。
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時間:20〜30分
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【配役】

○男性

●名前:三宅(みやけ)
概要:帰宅部のエース

●名前:家入(いえいり)
概要:帰宅部のホープ

●名前:実況
概要:実況に命をかけている

●名前:解説
概要:解説に命をかけている
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本文



実況「さあ、まもなく"帰宅部TA(タイムアタック)春の選抜決勝戦"が始まります」


解説「今日は快晴ですからね、いい成績が見込めます」


実況「帰宅部のエース、三宅選手がスタート位置につきました」


三宅「ふう……大丈夫だ。いつも通り……いつも通りに俺は家に帰る、そう、それだけだ……」


解説「普段よりも緊張した面持ちですね。こちらにも緊迫した空気が伝わってきます」


実況「続いて帰宅部のホープ、家入選手が位置につきます」


家入「この大会の記録保持者って、三宅先輩なんでしたっけ〜?」


三宅「家入……。ああ、そうだが」


家入「じゃあそれも、今日までっすね!」


三宅「……挑発してるつもりか?」


家入「やだなあ、そんなに睨まないでくださいよー!年下に負けるのが怖いからってえ」


三宅「結果が全てだ。軽口はそこまでにしておけ」


実況「両者睨み合い、熱い火花を散らしております」


解説「青春、ですね」


♪キーンコーンカーンコーン


実況「さあここで、放課後のチャイムが鳴り響く!戦いの火蓋が切って落とされたぁ!」


解説「良い滑り出しです」


家入「あっは!先パァイ、お先っすー」


実況「家入選手、華麗なスタートダッシュだ!」


解説「長い脚を活かした大きな踏み込み、素晴らしいです」


三宅「カーブ突入まであと5……4……3……」


実況「三宅選手ゥ!冷静沈着!眉ひとつ動かさず、見事なフォームで玄関へと滑り込みます!」


解説「彼の強みですね、どんな状況でも平常心を貫ける」


家入「っとと……」


実況「おっとおおお!家入選手、スピードを落としきれずカーブ突入後にフォームを崩してしまったぁ!」


三宅「予選の時から、何も成長していないな」


実況「ここで後続の三宅選手が追いつきました!」


三宅「下駄箱……生徒数2……よし、いける!」


実況「で、出たあああ!帰宅部名物、早履きいい!」


解説「無駄のない洗練された動きです」


家入「デカい面すんの、俺の前を走ってからにしてもらえますぅ?」


実況「フォームを立て直した家入選手、僅かにリードを保ったまま第一関門へと突入ううう!」


解説「第一関門、やたらと長い信号ですね」


家入「先輩、俺の強さって何か知ってますよねえ?」


三宅「……ツラがいいところだけだろう」


家入「あは!そんな風に俺の顔見てたんですか!えっち〜」


実況「おっとお!家入選手、スピードを上げていくう!」


解説「スムーズなギアチェンジですね。柔軟な筋肉がなせる技でしょう」


家入「先輩、俺にはね幸運の女神がついてんすよ」


実況「軽やかに信号を渡っていくう!三宅選手もそれに続いて、あーーっとぉ!三宅選手の目の前に無数のりんごが転がり出てきたああ!」


解説「おばあちゃんのお買い物袋が破れてしまったようですね。あたふたされてます」


三宅「信号の切り替わりまで残り7秒……りんごの残数8……左方手前から順に拾えば、間に合う!」


実況「優しい!三宅選手優しい!!慌てるおばあちゃんに声をかけながら、丁寧にりんごを拾っていくうう!」


解説「品種はこの季節美味しいサンふじですね」


家入「ああ、ツいてないっすねえ!先輩はお優しいからあ……そういうの、ほっとけないですよねえ」


実況「信号を渡り切った家入選手、悠々と第二関門へと進んでいきます!」


解説「第二関門、やたらと混んでる大通りですね」


三宅「これで全部ですね。お気をつけて」


実況「遅れをとってしまった三宅選手ぅ!りんごを拾い切り、信号へと猛ダッシュだ!」


解説「ここで赤信号につかまれば、かなりのロスになります」


三宅「点滅まで残り5……4……!」


実況「はやい!はやすぎる!三宅選手、間に合うかあああ?!」


三宅「3……2……!」


実況「信号が赤に!」


三宅「いける!!!」


実況「切り替わっ……ま、間に合ったああ!」


三宅「はぁっ……はぁっ……大通りまでの距離……残り200……」


解説「そして瞬く間に渡り終え、既に次の関門へと意識を向けているようです。これがエースたる所以でしょうね」


家入「あーあ、渡れちゃったんすねえ。まあ、こんな余裕勝ちしても面白くないすから」


実況「家入選手、第二関門へと到達!すごい人混みだあ!し、しかしモーゼが海を割るかの如く、人の波が真っ二つに分かれていきます!」


家入「わあ、お姉さん達あざまーす!」


解説「顔面の良さをフルに活かした戦術ですね」


実況「お姉さん方にご挨拶をしながら、大通りを駆け抜けます!」


三宅「……さすがだな」


実況「ああっとぉ!家入選手が走り抜けるや否や、割れた海は元へと戻っていくうう!三宅選手、行手を阻まれてしまいました!」


家入「先パーイ、お先に失礼しまーす!俺のやり方、真似してもいいっすからねー!できないと思いますけど!」


解説「家入選手の煽りは、一級品ですね。腹が立ちます」


三宅「俺には、俺のやり方があるんだよ」


実況「三宅選手!スピードを落とし、前方をじっと見据えております!」


三宅「……右……左斜め……40%調整……踏み込みまであと3……2……1……!」


実況「低姿勢で大きく踏み込んだあああ!人混みに突っ込んでいくうう!」


三宅「傾きマイナス3%……心拍、異常なし……」


解説「持ち前の観察眼を活かして、僅かな隙間をかいくぐっているようです」


実況「しかも小声できちんと、すいませんとお伝えしているうう!優しい!三宅選手、優しいいい!」


家入「ちっ……先輩らしいっすね……」


三宅「はぁ、はぁっ……左方確認……安全確保、出力20%アップ……!」


実況「第二関門突破あああ!!人混みを抜け加速して行きます!家入選手との差は150m!」


解説「最後の関門までにもう少し縮めたいところでしょう」


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こんにちは、オニオン侍です!

この度、私がサーバー主をしている『声劇鯖』(Discord)への招待URLを常設する事にしました!

声劇鯖のモットーは

『みんなでたまに集まって声劇したり、セリフ書いたり読んだり、おしゃべりもしたりしようぜ!』

です!ゆるーく集まって、のんびーり遊んでいるのでお気軽にご参加ください!

サーバー内に設置してあります、#約束事の欄にお目通しいただき、ルールを守って、みんなで仲良く!楽しく!遊んでいただける方のみ歓迎しております!

自作の声劇台本、セリフを掲載するだけでもOK!聞き専、作業用BGMにしにくるのもOK!

下記のURLからポチッとご参加ください!お試しに覗きに来ていただいても大丈夫です!

https://discord.gg/VrVBcrF8GC


おいでませ、声劇鯖!

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題名:患いし我らの


作者:オニオン侍


人数:2人(1:1)


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【本作における著作権管理・利用について】


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。


また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます!)


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます!)


(配信などございましたらぜひお教えください!)


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時間:10分


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【配役】


○男性


名前:夫

年齢:35

概要:漆黒の鎧を纏いし者になりたい




○女性



名前:妻

年齢:35

概要:鉄壁の守護者になりたくない



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(♂):夫

(♀):妻


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本文




夫「あのさ……そろそろエターナルフォースが欲しいなーなんて」


妻「……はあ?」


夫「いやほら俺もさ、今年で35になるし漆黒の鎧を纏いし者になりたいなーって」


妻「……はあ??」


夫「な、なんだよ。そんな変な事言ってるか?」


妻「変な事の方が100倍いいわよ!あなた、私とツヴァイソルジャーになる時言ってたわよね。俺は君とずっと2人がいいな〜って」


夫「あ、あの時は若かったんだよ!」


妻「はあ??それで何、私に鉄壁の守護者になれって言うわけ?」


夫「そうだけどさ……」


妻「簡単に言ってくれるよねえ。この歳でなるのどれだけリスクが高いと思ってんの?」


夫「リスクってそんな、35なんてまだまだだろー」


妻「はあ……本気で言ってる?外でもそんな事言ってないでしょうね」


夫「いっ……てないよ」


妻「お願いだから2度と言わないで、恥ずかしい」


夫「わかった、わかったから」


妻「それで?なんで急にエターナルフォースが欲しくなったわけ?」


夫「俺の所属してるサンライズドラグーンで、最近纏いし者になった先輩がいてさ、よく話を聞くんだよ」


妻「ああ、言ってたわね」


夫「最初は全然興味なかったし、エターナルフォースの話ばっかでうぜーくらいに思ってたんだけど、なんかすげえ幸せそうに話すからさ……」


妻「なんか羨ましくなっちゃった?」


夫「うーん、どちらかっていうと、もしかしたら俺たちももっと幸せになれるのかなぁって考えたんだよね」


妻「なるほどね。それで、私に頑張れと」


夫「ご、ごめん。俺、ちゃんと調べるから!君の事も今まで以上に大事にする!」


妻「……そういう純粋でアホな所嫌いじゃないから一緒にいるわけだけど、正直漆黒の鎧を纏いし者になれるかどうか心配なのよね」


夫「うっ……俺、頑張るよ!ほ、ほら、最近よく聞くインフェルノメイズって呼ばれるくらいに」


妻「インフェルノメイズゥ?」


夫「ひっ、俺……また何か言っちゃった?」


妻「なーにがインフェルノメイズよ。漆黒の鎧を纏いし者だけエターナルフォースのラグナロクをちょーっとリプレイスするだけでインメイなんですね、素敵!とか持て囃されて」


夫「ご、ごごごめん!ごめんなさい!もう2度とインフェルノメイズって言わないから!」


妻「だいたい私が鉄壁の守護者になったら、私はミラージュフラグメントをやめないといけないじゃない!」


夫「えっ……嬉しくないの?」


妻「あのね、私がどれだけ頑張ってこのギルドに入ったと思ってるの?それに私が毎日楽しそうにしてるの見てるよね?」


夫「でも守護者ってエターナルフォースと離れない方がいいって……」


妻「纏いし者は?」


俺「えっ、そりゃあ頑張って働いて、お金稼がなきゃ!」


妻「活動領域展開は?どれだけとるの?」


夫「あはは、纏いし者はとらないでしょ〜!」


妻「……はあ」


夫「えっえっ、俺また何かやっちゃった?!」


妻「俺、調べるからって言ったわよね」


夫「言ったよ!」


妻「何年かかるかしらね」


夫「あはは、やだなあ。そんなにかからないよ!」


妻「はあ……アホだとは思ってたけど……ここまでとはね」


夫「えっ、何か言った?」


妻「1週間調べてみて。それでも気持ちが変わらないのなら話し合いましょう」


夫「わかった!俺、早速調べてくる!」


妻「はあ……純粋で素直でアホね、ほんと」


〜完〜





●あとがき

友人に捧ぐ!

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題名:結婚する大切な君へ


作者:オニオン侍

人数:3人(0:3)


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【本作における著作権管理・利用について】

本作は著作権フリーであり、サークル活動、

無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。

また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、

必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。

(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます!)

(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます!)

(配信などございましたらぜひお教えください!)


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時間:20分

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【配役】

○女性


名前:望月 ましろ(もちづき ましろ)

年齢:20代~

概要:結婚するんだって!



名前:冬原 さくら(ふゆはら さくら)

年齢:20代~

概要:嬉しいような寂しいような



名前:松前 よつば(まつまえ よつば)

年齢:20代~

概要:お祝いしたいような阻止したいような


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望月(♀):

冬原(♀):

松前(♀):

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本文




望月「2人共久しぶり~!」


冬原「久しぶりー!元気そうやね!」


松前「元気元気ー!会えて嬉しいー!!」


望月「今日の為に、休みをもぎ取りました」


冬原「さっすが!私も前倒しにやってきたわー」


松前「私は明日も休みにしちゃったー!」


望月「うあああ羨ましいいい」


松前「おーっほっほっほ!」


冬原「その発想はなかった……天才やわ……」


望月「今度会う時絶対そうする」


松前「さーさ、持ってきたもの開けよ開けよ~」


冬原「ふっふっふ、おすすめのものいっぱい持ってきた!」


望月「あ゛ーーー!!それ絶対うまいやつ!!」


冬原「せやろせやろ~」


松前「さすがだねー!わかってるぅ」


望月「私だって負けないし!!俺のターン!ドロー!チーズの味噌漬け!」


冬原「ぐあああああ」


松前「なんのこれしき!俺のターン!ドロー!レモンワッフル!」


冬原「ぐあああああ」


松前「ふはははは!!!うわ、美味しいサクサク」


望月「はーーー開始早々楽しすぎるし、腹痛い」


冬原「ほんそれな!というか子供の頃からなんも変わらなさすぎじゃない?!」


松前「ほんと!20年以上変わらないってすごい事よ!」


望月「しわしわになってもこんな感じなのか……」


冬原「それはちょっとアレだな!もう少し落ち着きたいわな!」


松前「そうよ!あたしたち、淑女よ!レディよ!」


望月「ポーズどうなってんの、ひぃ、笑いすぎて顔面痛い」


冬原「そうですわね!あたくしたち、立派なレディでしたわ!」


松前「レディなので踊ります」


冬原「ずんちゃずんちゃ」


望月「待って、ひぃ、ツッコミが不在すぎる」


松前「フロア沸かせるわよ!」


冬原「FOOOOOO!!」


望月「げほげほっ、笑い死にする、まって、ほんと」


松前「お水のんでお水!」


冬原「そしてワッフル食べて!」


望月「よつばさんありがと……そしてお前は喉をつまらそうとすな!」


冬原「そんな!あたいはましろちゃんのためを思って!」


松前「そうよ!さっくーは良い子なのよ!」


望月「えっあっ、ごめ」


冬原「ちっ、バレちゃあしょがない!おらー!口の水分もってかれろー!」


望月「ちょっ、それはあかん!それはあかんよ!」


松前「なるほど、そのためのバゲットだったのね」


冬原「いやあ、いいところにあったから」


望月「うえーん、おいしいー、けどパサパサになった」


冬原「あらあら、かわいそげに。はい、お酒」


望月「お前のせいだからな?!あとお水がいいです!」


松前「あたいのお酒が飲めないっての?!」


冬原「よつばさんのお酒を断るたぁ、いい度胸してるじゃぁないか!」


望月「ねぇ酔ってる?!酔ってるの?!」


松前「あははー、楽しいねぇ。冬原さんや」


冬原「わははー、楽しいねぇ。松前さんや」


望月「ええ……いや、うん、楽しいんだよなぁ、ちくしょう!」


松前「あはは、ごめんごめん!はー、こんなノリ許してくれるの2人だけだよー」


冬原「わかる。というか2人の前でしかやらんけど!」


望月「他の人にやるなよ?!特にお前ー!」


冬原「なんですかな、望月さんや」


望月「自由すぎん?」


松前「フリーーーーーーダム!」


望月「今度はなに?!」


松前「大人のしがらみを忘れて今日ははじけましょう、の合図です」


冬原「フリーーーダム!」


望月「順応性どうなってんの?!」


松前「あっはっはー、お酒が進むなぁ」


冬原「このチーズ美味しすぎる、どこで買ったん」


望月「へ?!え、あー、物産展やっててさ」


冬原「ははーん、さてはほっかいどぅーやな?」


望月「言い方!そうだけど!」


松前「でっかいどぅーはいいぞ、試される大地だからな」


望月「どういう理由?!いいとこだけど!」


冬原「はー、試されてるわ、これは」


望月「どういう味?!」


松前「望月さんや、まぁまぁ落ち着いて」


望月「わ!なにこれ!めちゃくちゃ綺麗なお酒!」


冬原「わ!なにそれ!すごい!」


松前「ふっふっふ。これはですね、自分へのご褒美でして」


望月「え!そうなの!?わけてもらっていいの?!」


松前「もちろん!ちょっとね、頑張ったなぁと思いましてね」


冬原「よつばさんはいつだって偉いので、毎日ご褒美もらっていいよ!」


望月「いや、ほんそれな」


松前「まぁまぁ、2人もどーぞどーぞ!一緒に幸せを分かちあっておくれ」


冬原「わーい!ありがとう!あ、じゃあ私も」


望月「え、え、なになに」


冬原「じゃーん!私はいただきものだけど、めっちゃ並ぶお店のチーズケーキ!」


松前「え!!あのお店?!すご」


望月「チーズ好きにはたまらんやつじゃん……」


冬原「みんなでわーけーよー!」


望月「ええん、ありがとー!え、というか、すごいお祝いムードになってきたね」


松前「ひゃっふー!祝え祝えー!」


冬原「いええええい!みんな偉い!おめでとう!最高!」


望月「い、いええい」


松前「あれ、どしたのましろちゃん」


冬原「どしたん、どしたん、ぽんぽんいたぁなったか?」


望月「いや!ごめん、ぽんぽんは無事です」


冬原「そいつぁ何よりだぜ」


松前「何か言いたい事あるんでしょ!お姉さんにはわかっちゃうんだぞ~~」


望月「う、うん」


冬原「えー!なになになになになに」


松前「わくわく」


望月「え、えっと、いや、今日ね、どこかでお伝えしようとは思ってたんだけど……」


松前「はっ、もしや」


冬原「もしやもしや~~」


望月「今度のね、春になんだけど……その、お付き合いしてる方と……結婚、します!」


松前・冬原「「おおおおめでとおおおおおお!」」


望月「あ、ありがとー!」


松前・冬原「「ふおおおおおおおおおおおおおおおめでとおおおおおお!!」」


望月「ちょ、テンションたかっ!!」


松前・冬原「「うわああああんおめでとおおおおおおめでとおおおおおお!

」」


望月「ステイ!ステイ!」


松前「こんなん落ち着いていられるかってーの!ふううううううう!」


冬原「宴じゃ宴じゃーーーーい!!」


望月「す、座れ!お座りお座り!」


松前「あら、あたくしに向かってそんなわんちゃんみたいに言うなんて」


冬原「いつのまにそんな偉くなったのかしら」


望月「って言いながらも座る2人が好きよ……」


松前「おふざけは置いといて、いやほんとにおめでとうね!」


冬原「おめでとうおめでとう!!」


望月「へへ……ありがとう!!2人にはね、真っ先にお伝えしたいなーって」


冬原「わかってるやん」


望月「偉そう過ぎない?!」


松前「さすがあたし達が育てただけあるわね」


望月「育てられたっけ?!……いやわりと育ててもらってるな!ありがとね!」


冬原「お相手はどんな人よ、そんじょそこらの男じゃ、あたい達認めないわよ」


松前「そうよそうよ!どこの馬の骨よ!あたし達の大事なましろちゃんを嫁に出すからには、審査をさせていただく必要があります」


望月「急に事務的になったね?!」


冬原「おうおう、教えてみぃ、どんなあんちゃんじゃい」


望月「えええ……え、っとねぇ……すっごく優しくて、趣味もあうし、頼りになるし……えっと、うん、すごく素敵な人だよ!」


松前「かーーーーーーーーーーーっ!」


冬原「はーーーーーーーーーーーっ!」


松前「聞きました?!冬原どん!」


冬原「しかと聞きやしたぜ、松前どん!」


松前「そして見ました?!冬原殿!」


冬原「しかと見ましたぜ、松前殿!」


松前「まーーー!なーーんて可愛いお顔で話すのよ!ましろちゃん!」


冬原「もうそのお顔が幸せを物語ってるわよ!ましろちゃん!」


松前「会ってもないけど絶対良い人ってわかっちゃったじゃん!ましろちゃん!」


冬原「かーーーーーーーーーーーっ!」


松前「はーーーーーーーーーーーっ!」


望月「2人もまくしたてすぎじゃない?!」


松前「もー、お嫁に出したくなさすぎるから、粗を探してやりたかったのにぃ」


冬原「こりゃ完敗ですわな」


松前「でもそれはそれ、これはこれ。かれぴっぴとテレビ通話させなさい!!」


望月「な、なんで?!」


冬原「会社に入る時もさ、面接ってあるやん?」


望月「あるけど?!」


松前「それ」


望月「それ?!」


冬原「あたい達の大事なましろちゃんをお渡しするんだから!!ツラくらい拝ませなさい!!」


望月「や、やだーーー!!」


松前「反抗期だわ!大変!」


望月「い、いつか会わせるから!」


松前「なるほど、直接殴り込みにいくのね」


冬原「それはありやなぁ」


望月「殴り込みじゃないよ!!穏やかに!穏やかにして!」


松前「まぁ冗談はおいといて」


望月「冗談だったの?!どこから?!どこまで?!」


冬原「いやあ、どんな人かは気になるし心配だけどさ」


松前「ましろちゃんが困るっていうならねぇ」


冬原「ねー。式で会うの楽しみやねぇ」


松前「結婚式!!楽しみだわ!はっ、ウェディングドレス?!それとも白無垢?!」


冬原「うわあああああ悩むうううううどっちも着てくれ頼む!!」


望月「し、式は今の所予定が……」


冬原「なん……だと……?」


松前「ウェディングフォトは……?」


望月「あーーー、お写真だけはね……撮れたらなぁとは思うんだけど」


冬原「友人代表のスピーチは……?」


松前「ブーケトスは……?」


望月「参列する気満々でいてくれてありがとね……?な、なんかごめんね……?」


冬原「しょげ……」


松前「しょも……」


望月「あ、あわわ……」


冬原「まぁ、お2人が幸せならいいか!!式を挙げない分、新婚旅行豪華にしちゃえ!」


松前「世界一周!!」


望月「切り替えすごいね?!あと世界は一周できないよ?!」


冬原「ついていこうかなぁ」


松前「いこういこう!」


望月「新婚旅行に?!まさかの同行?!」


冬原「わは、冗談だよ」


松前「ましろちゃんたら~おほほほ~」


冬原「おほほほほ~」


望月「はぁはぁ……ツッコミ疲れた……」


松前「……うん、おめでとう!本当に、本当におめでとうだね!!」


望月「何急に?!どうしたの」


松前「赤ちゃんだったあなたが結婚かーと思って。しみじみしてる」


望月「もうそれ完全にお母さんの目線だね?!」


冬原「はい!正直に言います。嫌です!!!!」


望月「こっちはこっちで何?!」


冬原「大事なましろちゃんをとられたくありませーーーーん!いやでーーーす!ぴっぴろーー!」


松前「わかる!いやでーーーす!ぴっぴろー!」


望月「ぴっぴろって、んふ、ツボった……ひぃ、ぴっぴろって……」


冬原「でもあなたがより笑顔に、幸せになるので、大人の私は大人しく祝福しまーーす!」


松前「えらーーい!私もしまーーす!」


冬原「えらーーい!」


松前「でもやっぱりいやでーーーす!」


冬原「ほんとそれ~~~!」


望月「落ち着いてって……あれ、な、泣いてる……?」


冬原「な、泣いてませーーん!これはお祝のお酒でーす!」


松前「そうでーす、泣いてなんかやりませーん!」


望月「んもー、明らかに泣いてるよ!はい、ティッシュどーぞ」


冬原「ズビ……ありがと……こんなに優しい子だからかれぴっぴも幸せやな……ズビ……うう、嬉しいのにいやすぎて……」


松前「ズビビ……わかる……複雑すぎる……でもめちゃくちゃおめでとうの気持ち……」


冬原「そうなんよ……助けてくれ……超おめでとう……」


望月「情緒がぐちゃぐちゃすぎる……」


冬原「はぁ……しかし……それにしても……なんてめでたい日なんだ!」


松前「宴じゃ宴じゃーー!!」


望月「だから情緒どうなってんの!」


冬原「入籍したらまた改めてお祝いするから楽しみにしとってね!」


松前「ビッグプロジェクト始動だー!」


冬原「うおー!!」


望月「えへへ、ありがとー!楽しみにしてるね」


冬原「盛大なパーリナイにしたる!」


松前「フロア沸かしてけ~!!」


望月「また踊り出した!!ステイ!ステイ!」


冬原「こんな良い日に踊らないでいつ踊るんや!踊れ踊れ~!」


松前「沸かせ沸かせ~~!!」


望月「んもー!!わ、私も踊ってやるーーー!!」


冬原「おめでとう!おめでとー!」


松前「幸せになるんだぞーー!」


望月「あ、ありがとーー!幸せになるーー!」


冬原「でもでもでも、私達が1番あなたの事大好きなんだからね!」


松前「そうよそうよー!今までもこれからも、ずっとそうなんだから!」


望月「ええええ、きゅ、急にデレた!あ、ありがとう!私も大好きだよ!」


冬原「わかればよし!さあ踊れ踊れ~!」


松前「FUUFUUUUUUUU!」


望月「い、いえーーい!2人もこれからも、よろしくね!」


冬原・松前「「こちらこそ!!」」


~完~




◎あとがき

私の大切な幼馴染が結婚します。嬉しいやら、寂しいやら。幸せのおすそ分けをいただきました。彼女へのお祝いに、この複雑な気持ちを込めたこの台本を贈ります。本当におめでとう!より一層幸せになりますように。


ちなみに実際はかれぴっぴとその場でテレビ通話させてもらいました。へへっ!!

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2022年も残りわずかとなりました!
年末をいかがお過ごしでしょうか?
お世話になった皆様に愛をこめて、
年内のご挨拶用にセリフ集を書きました!
今年最後のセリフ投稿にいかがでしょうか?
どうか良いお年をお迎えくださいませ~!


【ご利用規約】
OK◎
・SNS、YouTubeやニコニコ動画など
動画配信サービス上での個人・非商用利用
(使用に際するご報告、クレジット表記
は必要ありませんがいただけると、とても嬉しいです!)

・度を越えない範囲のアドリブ、改変
(TRPGユーザーの方はぜひ、
探索者風にアレンジして
楽しんでください!)


NG×
・報告なしの商用利用
(必ずご一報ください!ご相談させていただきます)
・自作発言



【色んな年内のご挨拶セリフ集】

■男声


◎紳士な老人


「今年も1年間大変お世話になりました。来年もあなたと共に過ごせる事を願っております。どうかお身体にお気をつけて、良いお年をお迎えくださいませ」


「あなたのご活躍、この老骨にはいささか眩しすぎますよ。冗談なんかじゃございません。あなたの光に、多くの方がきっと魅せられて、励まされております。来年はさらに輝かれる事でしょう。どうかお傍で見守らせてください」



◎元気な老人


「はっぴーにゅーいやーじゃ!なに?!まだか!がっはっは!ことよろことよろ!なに?!これもまだか!」


「ばあさんや!年越しはまだかね?」


「かーっかっかっか!!今年もよう頑張ったなぁ!あんたの頑張りは、わしが1番よう知っとる!いいもん見せてもろたわ!年越しくらいはゆっくりせい!また来年頼んだぞ!かーかっかっか!」



◎ダンディ


「君にとって素敵な1年になったかい?私は君と過ごせて最高だったよ、ありがとう。どうか、いい年末を楽しんで」


「1年間お疲れ様。偉かったね。今日は暖かくしてゆっくりお過ごし。そうだ、何かご褒美が必要だね。何をご所望かな?…えっ、私と過ごす時間?ははっ、いつの間にそんなキザな事を言えるようになったんだい。そうだね、来年もずっと共に過ごそう。よろしく頼むよ」



◎青年


「今年もたくさん遊んでくれてありがとうなー!来年もすぐ遊ぼう!なんなら初詣一緒に行かん?」


「1年間過ぎんのめちゃくちゃ早くない?!楽しいとあっという間なんだなー。っていうか俺達ほぼ毎日遊んでなかった?!おかげで超楽しかったわー。また来年も遊んでくれよなー、まじで!頼むよー!」



◎少年


「へへへー、いっぱい遊んでくれてありがとー!風邪ひいちゃだめだからね!良いお年をー!」


「お仕事いっぱい頑張って偉かったね!ぎゅってしてあげる!なでなでもしてほしいって?んもー、大人なのにぃ。仕方ないなぁ、よしよーし。いっぱい偉かったねー!一緒に年越しそば食べよーねー!あ、おもちも食べなきゃ!」




■女声


◎物腰柔らかな老人


「今年はどんな1年だったかしら?美味しいものをたくさん食べられたかしら。来年も素敵な歳になりますように」


「今年もお疲れ様でした。あなたの頑張る姿を見て、私も頑張って生きようって思えたわ。どうもありがとうね。いつくたばっちゃうかわからない老いぼれだけれど、また来年もあなたの成長を見守り続けたいって思っているわ。どうか、よろしくお願いしますね」



◎元気な老人


「はー!年末って本当に忙しいわねぇ!大掃除に、年賀状作りに、おせちの準備!はー忙しい忙しい!あんたもほんと、よく働いて偉いわねぇ!おつかれさん!」


「ちょっとじいさん!もう歳は越したでしょう!」


「色んな事があった1年だったわねえ。大変な事も多かったけれど、こうしてあなたと一緒に年末を過ごせるのだから、幸せねぇ。まだまだ私も長生きするから、来年もたくさんの思い出を作りに行きましょうねぇ」



◎大人な女性


「1年間お疲れ様でした。よかったらこの後、飲みに行きません?ふふ、2人で忘年会です」


「あなたと過ごしたこの1年間は、本当に幸せで最高だったわ!でもね、まだまだ一緒に行きたいところが数えきれないほどあるの。きっと、おじいさんおばあさんになっても、足りないくらい。だから、また来年も、私とたくさん会ってくれるかしら」



◎少女


「あけましておめでとうございます!はっ、間違えちゃった!!えへへ、良いお年をー!」


「ねんまつ、って大忙しなんだって!おうちのお掃除でしょ、おせちも作るでしょ。だからね、ばーばのお手伝いするんだー!へっへっへー。だからね、あとでね、いっぱい頑張ったねーって褒めてほしいなぁ」





こちらもどうぞ♪
お声の振り幅別セリフ集

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題名:お疲れ様って言いたいな

作者:オニオン侍

人数:1人(0:0:1)


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【本作における著作権管理・利用について】


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。


また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます。)


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます。)


(配信などございましたらぜひお教えください!)


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時間:3分


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【配役】


○不問

女性寄りに書いていますが、読み手の方の読みやすいように改変してください!


年齢:お好み

概要:労わりたい



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2022年も残りわずかとなりました。

今年もいっぱい頑張って偉すぎるそこのあなたへ。

全力で労わらせてください!!!


「セリフ」は1つずつでもお楽しみいただけますし、

全て繋げて読んでも楽しいです。


どれか1つでも今日のあなたの心に届いて

お疲れをやわらげられますように。


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本文



「今日も1日お疲れ様!いっぱい頑張ったね。毎日本当に偉いなぁ」


「ご飯も食べて、お風呂も入って、歯も磨いたの?!天才すぎるね!そういう当たり前の事ができるってすごい事だと思うんだよねぇ」


「手抜きしちゃった?いいよいいよ!むしろどんどん手は抜いてこ!全力出せる君も偉いし、しっかり休む事もできる君も最高!!」


「いつだって、どんな君も最高だし、私は大好きだよ!心の底から尊敬してる」


「君の頑張る姿は私に勇気をわけてくれてるんだよ。ふふふ、ほんとだよー!私以外の人にもきっとね」


「学校に行くのも大変だし、お仕事だって超大変!!おうちの事をするのもえらいこっちゃだし、趣味に打ち込むのだって体力いるよねぇ。何をしてても君はすごいし、とっても偉い!」


「どれだけ偉い、頑張った、すごいね!って言われてもぜーーんぜん嬉しくない時だってあるよね。でもいつか私の言葉が、ちょっとでも君の事をあっためてくれたらいいなって、思ってるよ」


「また大変な日々がやってくるけれど、いつだって私は君の味方だから!疲れたー!!!ぎゅってしてくれー!って走ってきていいからね!」


「今日も1日、ほんとーーーーにお疲れ様!いーっぱい寝て、また明日の朝、元気におはよーー!って言おうね。ほんとに、ほんとーーーにお疲れ様!おやすみなさい」





【ご紹介】
多くの方に読んでいただけて嬉しすぎます。
皆様本当にありがとうございます!!
嬉しすぎるので、ここで自慢させてください!!(笑)

・Marikaさん


・あきらさん

・水鳥さん

骸戯ねあ。さん

・ふかみさん


・ぎん姉さん


これからもどんどこ自慢させてください!
読みました~!のお声、お待ちしておりまーす!

自分でも読んでみました!!

・地声


・僕ver.

・メドレー



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題名:土食いねェ!

作者:オニオン侍

人数:3人(1:2)


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【本作における著作権管理・利用について】


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時間:20分


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【配役】


○男性


名前:A

年齢:20代

概要:土を食わない



○女性


名前:B

年齢:20代

概要:土を食う



名前:C

年齢:20代

概要:実は土を食いたくない



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本文



B宅に集まるA、B、C。


C「やっほー、来たよー!」


B「へいらっしゃい!土食いねェ!」


A「お会計で」


B「つれねぇなぁ!」


A「帰るぞ」


B「まあまあ、そう言わず!上がって上がって〜!」


C「わーい、お邪魔しまーす!」


B「さささ、どーぞどーぞ!」


A「押すな押すな、わかったから」


C「わぁ、お部屋可愛いー!」


A「てっきり茶色一色にしてるのかと」


B「土カラーってか!土は塗るもんじゃなくて、食うもんだからねー!」


A「んなわけねぇだろ」


B「さーさ、ここ座って〜!すぐに始めるからねー!」


A「永遠に始めなくていいぞ」


C「とかいいつつ、ちゃんと座って待ってるから偉いよね!」


A「あ"?……この前の忘れたのか?」


C「……あー……あはは、そうだったね」



回想。先週の休日。A宅前にて。

インターホンを連打するB。渋々扉を開けるA。


A「……はい」


B「遊びにきーたよー!」


A「帰れ」


C「せっかく来たのにー!」


A「帰れ」


B「ほら見て!採れたての土!!」


A「持ち帰れ」


C「お昼まだでしょー?食べなよー!」


A「持ち帰れ」


B「ぬぬ……わかったよ!帰りますー!」


A「おう、立ち去れ立ち去れ」


B「一緒に食べたかったのになー!」


C「朝から頑張って採って来たのにー!」


B「しっとり赤土もあるのになー!」


A「ええっじゃあ食べます!とか言うと思ってんのか」


B「言うでしょ!!もー知らん!知らんぞー!」


C「頑固者ー!」


A「お前らで食べればいいだろ。食える量増えてよかったじゃねえか」


B「幸せは分けてこそですー!ねー!」


C「そ、そーだそーだー!」


A「……お前、食う気ねえだろ」


C「え"っ、やだなあ、そんな事ないよ」


A「そーかそーか。そんじゃ俺の分も美味しく食っといてくれ」


B「言われなくてもたくさん振る舞いますー!女子"土"会に変更しますー!」


C「え"っ」


B「え?」


C「あ、あー!大変!お腹痛くなって来ちゃったー!あいたたた」


A「演技力クソかよ」


C「あーいたたた、今は何も食べられなさそー!!」


B「大丈夫?!早く帰って休まなきゃ!」


C「ご、ごめんねー!あいたた、また来週ー!」


A「おう、2度と来んな」


B「来週は我が家にご招待してやるからな!覚えとけ!」


A「なんだその捨て台詞……」


立ち去るB、C。部屋に戻るA。


A「騒々しいにも程があんだろ……はぁ……っこいしょっと……」


ベッドに寝そべり寛いでいると、玄関の方から何やらゴソゴソと物音が聞こえる。


A「あ?なんだ?配達か……?」


不審そうに玄関の方へ視線を送る。


A「特に何も頼んでねえしな……まあ、いいか」


一度起こした上体を再びベッドに沈み込ませる。静かな部屋に物音が鳴り続ける。


B「えいっえいっ……んー……もうちょいいけるかな?!」


C「こ、声が大きいよ!」


B「やば!バレちゃうバレちゃう!」


A「……ん?空耳か……?」


B「しっかし、あいつも馬鹿だなー!こんなに良い土をみすみす逃すなんて!」


C「そ、そうだよね!」


B「あんまりにもかわいそうだから、こうしてお裾分けしてあげてるんだけどね!」


C「優しいなあ」


B「でもこういうのってやっぱりサプラーイズ!がいいじゃない?」


C「うんうん」


B「だからコソコソ詰め込んだらささーっと逃げなきゃねー!」


A「空耳じゃねえなこれ!あいつら帰ったんじゃなかったのか?!」


慌てて玄関へと駆けていくA


C「や、やばい!足音近づいてるよ!」


B「えいえいっ!よっしゃ!逃げるぞー!」


A「おいこら!!」


勢いよく扉を開く。それと同時に異様に扉が重たく感じる。


A「は……?」


B「ちょっとー!そんなに勢い良く開けたらこぼれるでしょー!」


C「あ、あ、えっとー」


A「扉クッソ重てぇ……お前ら何しやがった!」


B「もー、気がつくの早すぎ!せっかくサプラーイズしようと思ったのに」


A「サプライズだぁ……?おい、ポストどうなってんだこれ、ギッチギチじゃねえか」


B「サプラーイズ!!!!」


C「さ、さぷらーいず」


A「うるせぇ!何しやがった!」


B「ふっふっふ、開けてごらん!いいものだよ!」


A「ふざけんな!どうせ土だろ!」


B「さあ、さっさと開けるんだ!」


C「開けろ開けろー!」


A「ほんとふざけんなよお前ら……クソッ……」


ポストを開け、詰め込まれたそれをひとつまみ取るA。


B「テッテレー!」


A「やっぱり土じゃねえか!!」


B「喜べ!お裾分けだ!」


C「わー!」拍手


A「ふざけんな!人んちのポストに土詰め込みやがって!!」


B「ちょっと急だったからさー、本当はね?ラップとかに包んであげたかったんだけどー」


A「話を聞け!」


B「でも大丈夫!水で洗えばちゃんと美味しく食えるから!」


A「うるせえ!持ち帰れ!!」


回想終了。Aは大家さんに見つかる前に頑張ってお掃除しました。



C「いやぁ、先週は大変でしたね、あはは」


A「あ"?」


C「すいません……」


A「今日もな、断った方がめんどくせえ事になるから来てるだけだ」


C「あ、あはは……その節はどうも!」


A「お前も共犯だからな、覚えてろよ」


C「うう、すんまへん……」


B「お待たせー!」


A「微塵も待ってねぇけどな」


B「それじゃ始めるよ!」


C「わー!」拍手


B「土のフルコースパーティー始まり始まりー!」


A「すでに帰りてえ」


B「まずはこちら!前菜の盛り合わせです!召し上がれー!」


C「わ、めちゃくちゃ綺麗!すごーい!」


A「見た目はマトモなんだな……」


B「失礼な!味も完璧ですー!!」


C「えっと、これはなーに?丸くてキラキラしててすっごく可愛い……」


B「お目が高い!こちらはめちゃくちゃピカピカに磨き上げた土団子です!」


C「つ、つちだんご……」


A「無駄な技術持ちやがって……」


B「あったかいうちに召し上がれー!」


C「あったかいんだ……」


A「ホットな泥団子ってなんだよ、意味わかんねえな……」


B「土団子ですー!」


A「変わんねーだろ!」


C、震えながらナイフとフォークで土団子を割ってみる。どろり、と液体が溢れ出す。


C「ひ、ひい……中から何かでてきた」


B「あっそれはね、練りに練った土だよ!」


A「土の中に土を仕込んでやがる」


B「もー!2人とも冷めちゃうから早くお食べ!」


C「ひ、ひい……」


A「んな目でこっち見んな。助けんぞ」


C「いいん……」


B「……もしかして、食うの嫌だった?」


A「おい、俺の時とは随分扱いが違うじゃねえか」


B「当たり前だろう!」


A「このやろう!」


C「う、うう……い、一生懸命作ってくれたんだもんね……う、うう」


B「3日前から仕込みを始めたよ!」


C「ひい、本格的ぃ……」


A「馬鹿かよ……。一応聞くが、この後何が出てくんだ?」


B「待ちきれないのー?仕方ないなぁ!全部出しちゃうから食べながら待ってて!」


A「誰が食うか!」


C「う、ううう……」


A「目瞑って震えてまで食おうとすんな馬鹿」


B「へいお待ち!土のフルコース大集合!」


C「あわわわわ……」


A「見た目だけマトモなのが腹立つな」


B「えっとね、こっちがメインの土ハンバーグで、スープは土のポタージュ!副菜は土のキッシュだよ!最後のデザートは赤土のプディング!さ!召し上がれ!」


C「な、なんでいい香りがするんだろ……」


A「謎の技術持ちやがって……」


B「土(ツチ)ンバーグはこのソースをかけるとより美味しくいただけます!」


A「小粋に略してんじゃねえぞ」


C「ち、ちなみに何のソース?」


B「オリジナルのガーリックオニオン"土(ツチ)"ソースだよ!」


A「ソースまでお手製かよ。もういっそ褒めてやろうか」


B「え!照れるんだけど!」


A「まだ褒めてねえよ!!」


C「う、うう……」


B「そんな事より食って食って!」


C「……うん、い、いただきます」


A「おい馬鹿、正気か」


C「私たちのために用意してくれたから……!」


B「ワクワク!」


C「うっ。そ、そんな目で見ないで……」


A「お人よしも考えもんだな」


B「ワクワク!ソワソワ!」


C「〜〜!!えいっ」


C、土ンバーグのひとかけらを口に放り込む。芳醇な土の香りが口いっぱいに広がる。


C「も、もぎゃ……」


A「おい、しっかりしろ!」


C「そういえば、ちっちゃい頃からこんな感じだったなぁ……うふふ……」


A「おい!帰って来い!おい馬鹿!」



回想。B、C幼少期。砂場で仲良く遊ぶ2人。


幼B「へいらっしゃい!おしゅしやさんだよ!」


幼C「たまごのおしゅしくーださい!」


幼B「あいよー!ぎゅっぎゅっ……できたー!へいお待ち!」


幼C「わぁ、すごぉい!おいしそー!」


幼B「へへへー!」


幼C「パクパク……おいしー!」


幼B「あれ?」


幼C「どうしたのー?」


幼B「だって食べてないのにおいしーって変なのー!」


幼C「えー!だって土は食べないよー?」


幼B「土じゃないもん!たまごのおしゅしだもん!」


幼C「うう、で、でもー!」


幼B「頑張って作った、たまごのおしゅしだもん!!!」


幼C「あ、あわわ……な、泣かないでぇ」


幼B「たまごのおしゅしなのぉーーー」


幼C「う、うう……ぱ、パクパク!」


幼B「ひっく……ひっく……」


幼C「もぎゃ……お、おいしー……」


幼B「へへ……へへへぇ!そうでしょー!」


回想終了。この後Cは無事にお腹を壊しました。



C「たまごのおしゅし……へへへ……」


A「おい!しっかりしろ!」


C「はっ」


A「完全に目がイってたぞ、お前」


C「こ、これが走馬灯……?!ふわっ、口から土の香り!」


B「ねえねえ!美味しかった?!」


A「容赦なさすぎんだろ」


C「お、おお、おいしかったよ!」


B「へへへ、そっかー!よかったー!おかわりあるから、どんどん食べてね!」


C「い、いいん……」


A「こっち見んな」


B「ふんふんふーん!」


A「お前は上機嫌すぎるだろ」


B「えー?だって嬉しすぎるでしょ!大事なお友達と、大好物を一緒に楽しめるなんてさ」


A「……このやろう。それを否定したら完全におれが悪者じゃねえか」


C「大事な……お友達……」


B「へへー」


C「へへ……」


A「……お前、それで良いのか?」


C「えっ……ど、どういうこと?」


A「お前だけ我慢して、それで良いのかって事だよ」


B「我慢……?」


C「我慢なんて!!」


A「これからもずーっとこれ食うんだぞ」


C「ず、ずっと……」


B「な、なになになに、なんの話さ」


A「お前らが仲良しこよしなのは勝手だけどな、片方が押し付けてんの見るのは気分が悪ぃ」


C「……押し付けなんかじゃない……けど」


A「あとは知らん。俺は帰る」


帰ろうとするA、慌てて腕を引っ張るB。


B「あ、ちょっとー!まだ食ってないじゃーん!こらこら!」


C「あ、あ、あのね!」


B「わっ、びっくりした!なになになに、どうしたの」


A「頑張れよ。じゃあな、また来週」


B「えー!ちょっと!じゃあこれ!はい!またね!」


小包みを押し付けるB。手をヒラヒラ振りながら帰るA。


B「どしたのどしたの、しょんぼりしちゃって」


C「あのね……ちっちゃい時から、仲良くしてくれて……ほんとにありがとう」


B「急になにー!こちらこそだよ、ありがとう!大好き!」


C「へ、へへへ……えっとね、でもね……」


B「わっわっ、泣いちゃいそうな顔して!どうしたのどうしたの、よしよーし」


C「ぐすっ……ごめんね。あのね……私、実はね、ずっと前から……土を、食いたくないの……」


B「……え?」


C「ごめんね、ごめんね……頑張って食えるように練習したけど……ダメだった……」


B「ま、待って待って……ずっと前からって……えっ、でも一緒に」


C「ごめんね……嫌われたくなかったから……泣かせたく、なかったから……」


B「そ、っか……」


C「嘘をついてて、本当にごめんなさい」


B「そっかぁ……」


C「……ごめんね……」


B「ううん、教えてくれてありがとう。びっくりしたけど……というか!ずっと嫌なのに食わせてごめんね?!」


C「へ……?」


B「もー!てっきり土好きなんだと思って!ぜーんぜん気が付かなかった。ほんとごめん!」


C「う、ううん……」


B「お詫びにさ、好きな物教えて?いっぱい用意するよー!」


C「へ?!え、えっとケーキが好きなの……」


B「ケーキね!わかった!どこのお店にしよっかな〜!」


C「え、えっと……土、食わない私とも……仲良くしてくれる?」


B「へ?!もちろんだよ?!なんで?!」


C「……へへっ、そっかぁ」


B「えー!なになになにー!」


B宅の玄関前。佇むA。


A「お前らほんと馬鹿だよなぁ」


A、受け取った小包みから一つ土団子を取り出す。


A「おみやの土団子ってか?ふざけやがって」


ガブリと土団子にかぶりつく。


A「……はーーー……ほんと、馬鹿だよなぁ」


呆れたように笑いをこぼし、その場を後にする。


〜完〜





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題名:
これは、今日見た夢の話です

作者:オニオン侍

人数:4人(1:3)


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【本作における著作権管理・利用について】


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また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます。)


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時間:15分


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【配役】

○男性

名前:男
年齢:不明
概要:苦しんでいる



○女性

名前:私
年齢:20代
概要:最近、夢見が悪い


名前:N
年齢:20代
概要:ナレーション。私の心中のようなもの


名前:母
年齢:50代
概要:優しい女性


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本文




N「夢というものは、時折、現(うつつ)との境目を曖昧にする」


私「あ……ぁ……どうしよう……どうしようどうしよう……だって、急に……それで……私……」


男「は、ぁ……はぁ……せめ、て……君と……一緒に……」


N「血の滴る切先を、男に向け抗うように前へと突き出した」


私「い、いやっ……!!」


男「う"っ……ぐ……ぅ……」


私「来ないで来ないで来ないでったら……!」


男「……はぁ……は、ぁ……君の困った顔が……大好きだ……」


N「まさに無我夢中。刺して、刺して、刺して、そして」


私「はっ……はっ……う、動かなくなった……?」


母「お風呂で溶かすまでは上手く行ったけれど、これ、どうしようかしら」


N「暗がりが突然開ける。そこは、見覚えのある場所。自宅の一室だった」


私「あ、れ……?お母、さん……?」


母「あっごめんね、大丈夫、大丈夫だから。そんな困ったお顔しないで」


私「わ、わたし……」


母「大丈夫、大丈夫よ」


私「ひ、人……刺しちゃって……襲ってきたから、こ、怖くって」


母「大丈夫。お母さんが一緒よ。ほら、お父さんも」


私「お母さん……お父さん……」


母「それにね、ほら。もう、こんなになっちゃったから。何も怖くないでしょう」


私「……そ、れ……何……?赤い、ドロドロしたの……ゴミ袋に入れてるの……何……?」


母「…………問題はね、これをどう処理するかなの」


私「ね、ねえ……お母さん?……お父さん……お父さんってば……!」


母「あなた、何かいい考えはあるかしら?埋める?そうね、やっぱりそうするしかないかしら……」


私「…………お母さん、それ……」


N「ふと、それは聞いてはならないのだとそう思った。そして、不思議なほどに冷静さを取り戻しこう告げた」


私「……ううん、なんでもない。あのね、小分けにしてトイレに流したらいいって聞いた事あるよ」


母「トイレに……そう、わかったわ」


私「私、やるから。それ、かして?」


母「そう……そしたら手袋しなくちゃね。持ってくるわ」


N「瞬きをする。見覚えのある、自室の天井が視界に映る」


私「……あ、れ……?夢…………?」


母「おはよう、どうしたの?お顔真っ青よ」


私「お母さん……?」


母「ええ、あなたのお母さんよ。可愛い私の娘ちゃん、何か怖い夢でも見たのかしら」


私「私…………ううん、なんでもない」


母「そう。朝ごはんできてるから、降りてらっしゃい」


私「うん、ありがと」


回想、男「……はぁ……は、ぁ……君の困った顔が……大好きだ……」


私「ひっ……」


回想、男「……大好きだ……」


私「はっ……はっ……あれは、夢……あれは夢、あれは夢なんだから……」


N「そう自分に言い聞かせ、今日という日を過ごしていく。そしてまた、夜はやって来る」





N「暗闇。気がつけば、必死に狭い路地を走っていた」


男「逃げ惑う姿も可愛いね……はぁ、はぁ……ほら、もっと逃げないと」


私「ひっ……!だ、誰か助けて……」


男「もっと大きな声出さないと……は?なんだ、お前」


N「突如として男の声が途切れた。そして、鈍い悲鳴が上がる」


私「あ……ぁ……お父、さん……?その人、刺しちゃったの……?どうしよう、でも、私……ううん、助けてくれてありがとう」


N「瞬きをする。暗闇から一転し、自宅の風呂場が現れる」


母「消臭してっと……あとは温度設定を変えて……」


私「……あれ…………?おか、あさん……」


母「あら?!びっくりしたわ〜、いつの間に来てたのって…………あらあら、どうしたのそんなに泣いちゃって」


私「私……泣いて…………」


母「大丈夫、大丈夫だから落ち着いて。あら、お父さんまで」


私「あ、お父さん…………」


母「ええ、なぜだか泣いちゃって」


私「私……私…………」


N「言葉を紡ぐ前に、私は意識を手放した」


母「あら、おはよう。……どうしたの、怖い夢でも見たの?」


私「おは……よう…………あれ……私、眠ってた……?」


母「ええ、それはもうぐっすり」


私「そっか……あのね、少し怖い夢を見てたみたい」


N「母の表情が一瞬強張った。そんな気がした」


母「そう……かわいそうに。もう少し、眠る?」


私「……うん、そうしようかな」


母「そう。それじゃ、おやすみなさい」


私「おやすみなさい」


N「同じ夢。人を殺す夢。今日は父親が代わってくれてよかった、など小さな安堵を感じる」


私「……夢、だよね」


回想、男「……はぁ、はぁ……ほら、もっと逃げないと」


私「ひっ……大丈夫、大丈夫……」


N「何度も言い聞かせながら今日も眠りについた。違和感の芽は、小さくも確実に芽生え、育っていく」





N「暗闇。直感的に、また同じ夢だとそう思った」


男「あ"あ"っ……ぐふっ…………」


私「……また……か……」


男「……は、ぁ……はぁ…………クソクソクソ……」


私「あ、お父さん…………また、代わってくれたんだ……ありがと……」


男「かはっ………ふざけんな……君と、一緒じゃなきゃ……」


N「瞬き。そして辺りに異臭と異様なほどの熱気が立ち込める。そこは使い慣れたはずの、自宅の風呂場だった」


母「ふぅー、もうちょっとかしらね」


私「夢……なのに、うう……すごい臭い……」


母「あらあら、お手伝いはいいっていったのに、来てくれたのね」


私「……うん」


N「浴槽に溜まった赤黒い液体をじっと見つめる」


母「無理はしなくていいのよ」


私「ううん、大丈夫。だって」


N「ふと、言葉を詰まらせる。その様子に母の表情が強張ったような気がした」


母「……どうしたの?」


私「ねえ、これ夢だよね?」


母「夢、ね。そうね。夢だといいわね」


N「母は再び黙々と作業を始めた。それからは、何も尋ねる事ができなかった」





N「人だったものを小分けにし、トイレに流す。流す。流す」


母「もう一息ねぇ。交代しなくて大丈夫?」


私「うん。お風呂場は綺麗になった?」


母「バッチリよ!お父さんも手伝ってくれたから」


N「父はついでにシャワーを浴びたようで、髪の先からは雫が滴っていた」


私「……お父さん」


N「私は無意識的に、父を呼び止めていた。それ以降、何の言葉も発さない私を父は不思議そうに眺めている」


私「ううん、何でもない。もう少しだから、頑張るね」


母「じゃあここはお任せして、私達はお夕飯の支度でもしましょうか」


N「人だったものを小分けにし、トイレに流す。流す。流す」





男「捕まえた」


私「い、いやっ……!お父さん……お父さん……!助けて……!」


N「ぎしり、と両腕が痛む。頬には固いアスファルトの感触。辺りは暗い路地裏のようだった」


男「一緒に、死んでくれるよね」


私「離して!離してぇっ……!」


男「ああ、夢みたいだ」


N「これも、夢のはずだった」


男「ずっと一緒に居ようね」


私「あ……ぁ……」


N「馬乗りになった男は、ゆっくりと愛しそうに私の首を絞めていく」


私「おと……さん……おかあ……さん……」


N「大丈夫。これも、夢のはずだから」


男「ああ、夢みたいだ!!」


N「大丈夫。これも、夢のはずだから」


~完~




【あとがき】

タイトルの通り、この台本は『私が今日見た夢の話』を読み物として体裁を整えただけのものです。中身も、意味も、オチもなーーーんにもありません!これはきっと、夢だったはず。


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題名:プレゼント

作者:オニオン侍

人数:2人(1:1)


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時間:5分


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【配役】

○男性

名前:弟
年齢:小学6年生
概要:サンタの秘密を知った

○女性

名前:姉
年齢:高校生
概要:面倒見がいい


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本文

*弟の部屋にて

姉「ちょっとあんた、まだ起きてたの?早く寝ないとサンタ来ないよ」

弟「サンタとかいないし。俺、もう小6だから知ってるし」

姉「何言ってんの。ほしいもの書いて、手紙出してたでしょ」

弟「だって……サンタ、いねえもん」

姉「はぁー?ちょっとあんた、どうしたのよ。姉ちゃんに言ってみ?」

弟「……って、タカシが言ってたもん」

姉「え?なに?タカシ君がなんだって?」

弟「だから!!サンタは……サンタは、パパなんだって、言ってたから!」

姉「……それで?」

弟「お、俺んとこ、パパ死んじゃったから……サンタ、いねえもん」

姉「はぁ……もー……ほんと、この弟はバカなんだから」

弟「ちょ、なんだよ!やめろよ!くっつくなー!」

姉「バカで可愛いんだから、まったく。いい、よく聞きな」

弟「な、んだよ……」

姉「母さんがよくあんたに言ってるでしょ?『うちはうち!よそはよそ!』ってね」

弟「言うけど……それが、なに」

姉「だから、タカシ君とこに来てたサンタは、タカシパパらしいけど?うちは違う」

弟「うちは、違うの……?」

姉「当たり前でしょ。よく考えてみなさい。この世界に何人のいい子がいると思ってんの」

弟「わかんない、けど」

姉「とにかく、たっくさんいるわけ。で、サンタ1人でプレゼント配れると思う?」

弟「う、うーん……大変、だと思う」

姉「でしょ?そこでサンタは考えた。『こりゃ1人じゃ無理じゃわい。いろんな人に手伝ってもらわんとな!』ってね」

弟「サンタ……頭いいじゃん!」

姉「あんたよりは、そりゃもうね。んで、タカシパパはお願いされましたっと」

弟「そ、っか……サンタ、いっぱい仲間いたんだな……」

姉「そ。だから、あんたのとこに来るのは、もしかしたらサンタ本人じゃないかもだけど。でも、ちゃーんと他の仲間が届けてくれるから」

弟「そ、っか……」

姉「あーーでも、夜更かししてる悪い子のとこには来ないんじゃないかなーー?」

弟「あっ、お、俺、寝る!姉ちゃん、おやすみ!」

姉「ふふ、はいはい。おやすみ」

弟「あ……姉ちゃん」

姉「ん、なに?」

弟「えっと……あ、ありがと」

姉「お、お礼言えて偉いじゃん。はい、どういたしまして」

弟「あと……」

姉「なによ?」

弟「ね、姉ちゃん、こーこーせーだけど、いい子だから……プレゼント、もらえるよ、きっと」

姉「……っふ、ふふふ、あっはっは!そう、私いい子だもんね。ふふ、そっか。うん、ありがと。それじゃあね、しっかり寝るんだよ。おやすみ、バカな弟ちゃん」

弟「うん……へへ、おやすみ」

*姉、退室

姉「……私にも、プレゼントかぁ。ふふ。あげてるのは私、なんだけどね。……ねぇ、パパ。しっかり約束守って、あの子と仲良くやってるよ。私、いい子だよ……。だから、私にも……」

~完~

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題名:さーちあんどですとろい

作者:オニオン侍

人数:3人(0:3)


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【本作における著作権管理・利用について】


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。


また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます。)


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます。)


(配信などございましたらぜひお教えください!)


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時間:5分


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【配役】

男性に変更可能


○女性


名前:A

年齢:10

概要:ネーミングセンスがぶっ飛んでる



名前:B

年齢:10

概要:常識人だが悪ノリ大好き



名前:C

年齢:10

概要:振り回される苦労人


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本文



●夏、とある田舎の住宅地


A「さーちあんどですとろいを始めます」


B「いえーい!」


C「なんて?」


A「ルールは簡単。鬼から逃げます」


C「それはもうただの鬼ごっこなんじゃ……」


A「鬼は容赦なくこのチャカで逃亡者を撃ちます」


B「人数分あるけど!」


A「じゃあ逃亡者も応戦可能とします」


C「緩くない?ルール緩くない?」


A「みつけて、うって、ですとろいする。それが、さーちあんどですとろいです」


C「あとね、チャカじゃないからね。水鉄砲っていうれっきとした名前があるからね」


B「さーちあんどですとろーい!いえー!」


C「なんでさっきから順応してるの!?はやくない!?」


A「それでは水チャカを配布します」


C「ちょっとだけ話聞いてくれてありがとうね、うん。水の部分だけ採用してくれたね」


B「はーい、鬼はどうやって決めるんですか!」


A「考案者の私がまずは鬼のお手本をお見せしようかと」


B「りょうかーい!それじゃ、逃げるぞー!」


C「えっ、あ、待って待ってー!」


A「カウントダウン開始。10……9……8……」



C「3人の中で1番足速い人が鬼って怖すぎるんだよなぁ……」


B「あははっ!ですとろい、ですとろーい!」


C「うわっ、もう交戦してる……い、今のうちに移動しよ……」


A「ターゲット追加捕捉」


C「ひぃいい?!え、ちょ、回り込まれっ」


B「助太刀するよー!えいえい!」


A「やりますね。さすが、といった所でしょうか。すでにさーちあんどですとろいを使いこなしている」


C「た、助かったぁ……って、え、それって使いこなすとかそういうのなの」


B「ほらほら、どんどんいくよー!」


A「2対1はさすがに不利ですね、ここは一旦」


C「え、えいっ!」


A「おっと」


B「ひゅー!やるねー!いいぞいいぞー!えいえい!」


A「ほう……あなたがまさか一矢報いようとしてくるとは。予想外でした」


C「ひっ、ひえええええ」


A「好戦的態度、悪くない。やはりあなたはここで仕留めさせてもらいましょう」


B「えーい!隙あり!」


A「おっと」


C「え?あ、ちょ、おぼぼぼぼぼ」


A「危ないところでした」


B「あちゃー。まさか身代わりの術使うなんて!」


C「お、おそろしい……これが……さーちあんどですとろいか……」



A「私の、完全勝利ですね」

B「うーん、悔しい!結構いい線いってたと思うんだけどなー!」


C「ねぇ、私だけべっしょべしょなんだけど。ねぇ」


A「今度は鬼を交代してやりましょう」


C「まだ?!まだ続くの?!」


A「もちろん。ちなみに冬は、うちの庭でさーちあんどですとろい~雪合戦編~を開催する予定です」


C「もう雪合戦でいいじゃん!!」


B「いえーい!!」


C「もうやる気がすごい!!」


A「ちなみに」


C「今度は何!」


A「このさーちあんどですとろいですが、日本の伝統文化である『打ち水』から構想を得ています」


B「なるほどねー!確かに今日みたいにあつーい日に、こうやってべっしょべしょになってたら涼しくなっていいもんね」


C「えっ……そんなに考えられてたの……?」


A「一番べっしょべしょのあなたなら、この旧き良き文化、そしてそれを未来に繋ぐ新たな着眼点の素晴らしさがよくわかるのでは?」


C「ま、まぁ……言われてみれば……風が、気持ちいかも」


B「ふーぅ!涼しいー!」


A「と、いうわけで、2回戦いきますよ。鬼はあなたです」


B「よっしゃー!逃げろー!」


C「え?!私が鬼?!嘘!ちょ、2人ともはっや!!もー……ふふ、仕方ないなぁ!いーち、にー、さーん……」


~完~


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【あとがき】

作者の幼少期の頃の思い出を脚色し、台本に仕上げてみました。

幼馴染3人で行うさーちあんどですとろいは、とても楽しいものです。

ぜひ皆さんもやってみてください。雪合戦も楽しかったです。


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