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題名: ちょっと待ってくれ、ウミネコよ

#27


作者:オニオン侍

人数:3人(1:1:1)


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【本作における著作権管理・利用について】


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。


また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます!)


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます!)


(配信などございましたらぜひお教えください!)


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時間:10分

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▼配役


●男性

名前:男

年齢:20〜

概要:諦めがち



●女性

名前:女

年齢:20〜

概要:幼馴染



●不問

名前:ナレ

年齢:自由

概要: ウミネコって何回も言う

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男(♂):

女(♀):

ナレ(不問):
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本文




ナレ「ザザーン、ザザーンと飛沫をあげて、寄せては返す秋の海。ウミネコが群れをなして空を切る」


男「……それ、本当の話か?」


女「嘘をついても仕方がないじゃない」


男「……そう、だな」


女「なーにしょげてんのよ!まだ1ヶ月もあるんだから」


男「そう、だな……」


女「やーね、しけた面した男は。それじゃあね、また明日」


男「あ、おい……行っちまった……。なんだよ、島を出るって……俺は何も聞いていなかったぞ」


ナレ「ザァと潮風が頬を掠める。男のちっぽけなぼやきなぞ、瞬く間に連れ去られていく」


男「ずっと、一緒にいられるもんだと……俺は……」


ナレ「ザザーン、ザザーンと秋の海はただひたすらに飛沫をあげる。ウミネコらの鳴き声と、男の情けない泣き声を掻き消しながら」



ナレ 「季節は巡り、冬の海。激しい飛沫と潮風が女の髪を靡かせる」


女「それじゃあね」


男「おう……」


女「何か言う事ないの?」


男「……元気でな」


女「……っ!!……ああ、そう。そうね、あんたは今も、昔も、これから先も!ずーっとそうなんだわ!」


男「何を怒って」


女「いいの、私も悪いんだもの。自分から伝えなかった、待ちたかった、それは私が選んだ事なんだもの」


男「……あ……」


女「あんたが一言……一言だけでも……」


男「あ、お、おれ」


女「島を出る事は、とうの昔に決まってた。それでもあんたと……でも……もう、これでお別れ」


男「……そう、か」


女「!!……何も抗わない、納得がいかなくても流される……あんたのそういうところが、大っ嫌い!」


男「な、おまえ、そんなこと」


女「それじゃあね、さようなら」


男「あ、おい……!」


ナレ「手を伸ばす。空を切る。足は動かない。小さな背中が、黒い点になるまで見据え続ける。ただそこで、眺め続ける」


男「……行っちまった」


ナレ「伸ばした手は力無くだらりと落ち、こぶしを握る力さえ出なかった」


男「……諦めるのは、得意だろ……」


ナレ「己に言い聞かせるように何度も、何度も呟いた。鉄柵に佇むウミネコがミャーと1つ鳴き、バサバサと大きくはためく」


男「はあ……さようなら、か」


ナレ「ミャーともう1つ鳴き、飛び立ってゆく。軽やかに、風を切りながら」


男「……置いてかないでくれ、って……みっともなく縋る事すらできないなんてな」


ナレ「冬の海。男のすすり泣きが白波に飲み込まれてゆく。ウミネコはすっかり遠くに羽ばたいていった」



〜完〜



▼あとがき

SNSで次回作のアイデアやタイトルを募集させていただきました!その中からご提案いただいたものを順々に作品化していきます!

今回は音田薫さんよりいただいたタイトルを使わせていただきました!素敵なご提案ありがとうございます!