オニオン侍の玉ねぎ亭

TRPGと声劇が大好きなオニオン侍のブログです!

カテゴリ: 声劇台本

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トリックオアトリート!!


こんにちは、オニオン侍です!

お菓子の代わりに、ぜひ聞いてください!

ボイスドラマ企画に参戦いたしました!



こはるさんが企画と台本制作を

してくださいました。

【声劇台本】#HAPPYHALLOWEEN【こはる様作】



↑こちらから台本を楽しめますので、ぜひご覧ください♪

こはるさん、素敵な企画をありがとうございました!!


【サムネに使用されているイラスト・素材 -Credit-】 こはるさんが作成されたサムネイルをお借りしています。 ・CLOSET 様 https://sites.google.com/site/closetv... ・iconPOINT 様 https://www.iconcg.com/ ・えんドン 様 @ENDON_design https://twitter.com/ENDON_design

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こんにちは、オニオン侍です。

セリフ集を作りたいなと思って書き始めました。

他のセリフ集ではあまり見かけないような

シュールでクスっとくるようなものや、

4つずつストーリーが繋がっているものなどを

ご用意しました!

少しでも楽しんでいただければ幸いです!


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【本作における著作権管理・利用について】


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。


また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます!)


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます!)


(配信などございましたらぜひお教えください!)


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【玉ねぎ式セリフ集】


1『お前さぁ、いつもそれ食ってるけどうまいん?え、くれるの。んじゃ……もぐもぐ……えっ…これ、土……じゃない?』


2『え、これ?あー、めっちゃうまいよ。なんだろ、素朴で大自然みたいな味。食った方がはやいよ、ほら。……は?土だが


3『お弁当、あげる。あんたのために作ってあげたんだから、感謝して食べてよね。いっつも土ばっかり食べてさ。たまには野菜も食べなさいよね』


4『なにこれ、弁当?え、わざわざ作った?いや、普通に嬉しい。ありがたく食わせてもらうわ。なんか礼しないとなー……。あ、これやるよ。いや遠慮すんなって、貰っとけよ。ほい、採れたての土』

*


5『悪ぃ待たせたー……え……お前……なんだその絶望的にくそだせぇTシャツは……。どこで買った、いやなんでそれ買ったんだ?え、それ5万もすんの……?まじかよ……なんかちょっと価値あるように見えるじゃん……』


6『5分遅刻だぞー。えっ、これめっちゃよくない?!可愛くない?!完全武装したカニがギャンギャンにフロアわかしてるとことか、めっちゃ良くない?!5万でお買い得だったんだけど?!』


7『うーん……アザラシの組体操……ハトとカモメの血も涙もないドロドロの抗争……え?ああ、次はどんなデザインにしようかなって。あ、これなんかどう?完全武装したカニがギャンギャンにフロアわかしてるの』


8『こんにちはー。あれ、どうしたんですか?あ、Tシャツの。どれもいいですね、個人的にこのアライグマのブレイクダンス好きですねえ。うわ、カニめっちゃキレッキレじゃないですか。いいですね』

*


9『うっ……うっ……なんで、こんな思いをしなくちゃいけないんだよ……。お前の事、知らない方が幸せだったかな……。もう、これで終わりなんだよな。俺が、とどめを刺すんだよな。もうこれで……。ううっ……ありがとうな。短い夢だったけれど、俺……幸せだった』


10『……おい。……おい!!白米にのっけた明太子食ってるだけだろお前!!帰ってこい!!おい!!!一緒に食ってる俺も食いづれぇだろ!!おい!!』


11『はぁ……なんで飯って食ったらなくなるんだろうな。でも食わなきゃこの幸せは手に入らないし……。人間って、愚か……だな』


12『うまい物がなくなる名残惜しさなぁ……まぁ、わからんでもないが……。まぁ、お前はその幸せを享受して、喪失感を感じてを繰り返す。それだけって事だろ。生きるってのはそういうもんなんだろ、きっと』

*

13『おはよー!あ、ほっぺについてるよ。とったげるからじっとしてて?……はい、とれたよ〜。ふふふ、今日も慌てて食べてきたの?土』


14『おはよ。えっ嘘?!ついてる?!もーやだ、めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど!お母さんがさ?私、超急いでるのに絶対食べてけって言うからー』


15『そろそろ起きなさーい!学校遅れちゃうわよー!ご飯も冷めちゃうから早く着替えて降りてらっしゃーい!』


16『ふぁ……はぁーい、起きてる…-起きてるよー!んもー……ねむ……。朝からうるさいんだからぁ……』

*


17『大丈夫。大丈夫だよ。……ごめん、残される方がつらいのにね。でも、きっとまた会えるから。ここで頑張らなきゃ、それこそ本当に最後になっちゃう。だから、お願い』


18『嫌だ……お願い、行かないで!もう、無理だよ。だから、一緒に逃げよう……?嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ!!絶対、行かせない……行かせないから……お願いだから……諦めてよ……』


19『最後に見たのが泣き顔ってのは、どうにもいただけないからさぁ……。悪いけど、絶対諦めないよ。随分と勝ち誇ったツラしてるけどね……勝負はまだ終わってない!』


20『……お願い、お願い、お願い……無事に帰ってきて……!ごめんね、待つ事しかできなくて。ずっと、ここで帰りを待ってるから……。必ず帰ってきて……』

*


21『うちさ、一人っ子じゃん?だから、ご飯のおかずとか、お菓子とか取り合いになる事なくてさ?んで、闘争本能が薄れちゃいけないとか言って、うちの両親がわりとガチ目に奪い合い仕掛けてくんだよねぇ』


22『冷蔵庫の隅にプリンを隠し置き、蓋にはきちんとお名前を書いたと。なかなかいいわ。でもね?サバンナで通用する技じゃないわよね?お肉に名前を書いたところで奪われるもの。いっただきまーす』


23『うおおおおお最後の唐揚げは父さんがいただくぞおおおおおお美味しいいいいいいいい!!!!!母さんの作る唐揚げは世界一だなぁぁあ!!!!』


24『あんたんとこのご両親、めちゃくちゃ愉快だね……。え、うちは普通だよ?あーー、でもちょっとアレかも。え?いや、大した事じゃないけどさ……。うちの母親、朝ごはんに土、出してくるんだよねぇ』

*


25『お姉ちゃん、それなあに?じゅーす?しゅわしゅわしててきれいだねぇ。おさけ?大人しかのめないの?えー、ちょっとだけ!ちょっとだけちょーだい!むむむ……これ!これあげるから!お散歩でひろったどんぐりとこうかんしてあげるから!』


26『ん-?これ?お酒だよ、お酒。あんたはまだ飲めませーん。ちょっとだけでもだめでーす。ちゃんと大人になってからにしてくださーい。ん?なにそれ。ぶはっ、どんぐりって……ふ、ふふっ。可愛いけどだめでーす』


27『お母さん、きいてきいて!お姉ちゃん、美味しそうなのわけてくれないの!ずーるーいー!お母さんもあれ好きでしょー?なんでなんでー?そんなに美味しいの?コーラみたい?どんな味なのー?ねーぇってばー』


28『あらあら、なぁに?お姉ちゃんが?あぁ、お酒ね。そうねぇ、お母さんも大好きよ~。コーラみたいなお酒もあるし、コーヒーみたいなのもあるわよ~!あなたが大きくなったら、お母さんと一緒に飲みましょうね』

*

29『ハッピーハロウィーン!トリックオアトリートー!パンプキーン!メリークリスマース!ハッピーニューイヤー!え、なに。練習してるんだけど。これから忙しいじゃん、なんかしら』


30『なになになに、急に叫んで。は?練習?いや、まぁイベント目白押しな季節ではあるけどさ。あとなんか1個絶対言わないやつあったよね』


31『カボチャ、お菓子、ケーキ、チキン、おせち、おもち……はぁ、忙しすぎる……ああ、2月にはチョコと恵方巻……。どうなってんだよ、日本の美味しいものたちはよぉ……はぁ』

32『ねぇ、あの人ちょっとかっこよくない?なんか物憂げな感じとかさー。ね、声かけちゃお!あのー、すいませ……え、何この人やばくない。食べ物の名前ずっと言ってんだけど』


*

33『眠れない夜ってあるよね。君にとっての今夜がそうなのかな。……いいよ、目を瞑らなくても。気が向いたらで構わない。夜は長いんだ。ゆっくりいこう』


34『夜は嫌いよ。だって……静かで、暗くて、長いんだもの。眠れない日なんて、来なければいいのに。目を瞑っているだけなのに、とてもつらいの。苦しいのよ。……今日だけは、この薄暗い天井を眺めていても、いいのかしら』


35『夢を自由に見られたらどんなに楽しいのだろう。世界を救おうか。美しいあの人を妻としようか。ああ、空の散歩も良いな。……夢を、自由に見られたらどんなに良かっただろう』


36『……おはよう。良く眠れたかい?……そうか、それは良かった。……ああ、もちろんだ。今夜もここへ来ると良い。いつだって君を歓迎するよ。さあ、いっておいで。世界が君を待っている』



37『今日は何をしようか?外出って気分じゃないかな。それじゃあ、おうちで映画を観るのはどうだろう?……えっ?!こ、怖いのはやめておこう?ほら、この丸くてモチモチしてて可愛い子が出てるの、ああああ』


38『おはよう。今日、か……。うーん……家で過ごしたいかな。ごめんね、ありがとう。いつかまた、お散歩でも出来たら……いいんだけれど。今日は、一緒にのんびり過ごそう』


39『今日も幸せだな。こうして一緒に過ごせるんだから。このままずっと、君のおうちで暮らしちゃおうかな。あはは、狭いって?そうだね。……それでも私は、君とこうして、ここに居たいんだ』


40『幸せ……うん、そうだね。ずっと、このまま一緒に居たい。だけど、この家じゃ狭すぎるよ。それに……本当は、君には生きていて欲しかった。ここに、来てはいけなかったんだよ。それなのに……』



41『筋肉増強体操第一!上腕二頭筋を揉み解す運動ー!いっち、にー、さん、しー!ボンレスハムより仕上がってるよー!にー、にっ、さん、しー!それはもう前脚だねー!』


42『筋肉増強体操第二!腹筋に力を込める運動ー!いっち、にー、さん、しー!腹筋板チョコ!にー、にっ、さん、しー!腹筋6LDK!』


43『筋肉増強体操第三!全身を伸ばす運動ー!大きく息を吸って〜!デカイ!デカすぎて他が見えないよ〜!吐いて〜!よっ、冷蔵庫!!』


44『お疲れ様!最後に俺からのアドバイスだ!全身の筋肉達を労りながら聞いてくれ!筋肉は、自分自身を映す鏡だ!磨くだけじゃだめだ、心の底から愛してやるんだ!そうすれば、自ずと返事が返ってくる!』



45『年上をからかうもんじゃないよ!綺麗だの、素敵だの……そんな甘ったるい言葉は若いお嬢ちゃんに言ってやりな!まったく……。一回りも下の男に言われても何の足しにもなりゃしないよ』


46『今日もお綺麗ですね。凛とされたお姿が素敵です。そうは言われましても、私は貴女にお伝えしたいのです。一回りも下の男は、何度だって貴女に伝えに参ります。何年、何十年巡っても何度だって』


47『モノ好きな男もいたもんだね。いいかい、アタシはね来月で90になるババアなんだ。色恋沙汰にうつつを抜かす歳じゃないんだよ。アタシと一緒になったってあとは苦労しかないって事くらいわかるだろう。もう、放っておいておくれ』


48『ええ、存じております。もう、贈り物は準備できていますから楽しみにしていてくださいね。……貴女は、いつまでも1人の素敵な女性です。そんな貴女と共に生きられるのならば、私はとても幸せに思うのです』



49『た、たすけてー!オニオングラタンパンマーン!硫化アリルマンがいじめるんだ~!目に染みるアレをいきなりかけてきて……うっうっ、涙が止まらないよ~!鼻がツーンってするんだ~!たすけておくれよ~!うっうっ』


50『どうしたんだい、ヤギオ君!な、なんだって!硫化アリルマンめ~!さぁ、これで涙を拭いて。……ねぇ、ヤギオ君。硫化アリルマンは突然君をいじめ始めたのかい?』

51『えーんえーん、ありがとう、オニオングラタンパンマン。……うん、そうだよ。どうしてそんな事を聞くの?正義の味方は市民を守ってくれるんでしょ?あんな害しかないやつ、早く倒してよ~』


52『そうだね、僕は正義の味方さ。じゃあ、もう1つ聞かせてくれるかい?硫化アリルマンは、自ら体を傷つけない限り目に染みるアレは出せないはずなんだ。……君、彼を傷つけたんじゃないかい?』



53『創作するというのは、どうしてこんなにも楽しいのだろうね?思い描き、実現し、再びそれからインスピレーションを得る。終わりがないんだ、恐ろしい事にね。そして何よりも恐ろしいのは、産み出すものが唯一無二と知りながらも、人と優劣を比べてしまう自分自身だ』


54『ほんっっとにしんどいですよね!でも、創らずにはいられないんですよ!日中働いてる間だって、ず~~~っとその事ばっかり考えてますし。……でも、なんでですかね。帰宅した頃にはもう疲れ果てて、飯、風呂、歯を磨いたら即、就寝ですよ……』


55『最近に限った事ではないけれど、やはり若い子らの吸収力、成長速度には目を見張るものがあるし羨ましさしかない。環境だって整ってる。そういった文化への偏見も、昔よりはるかに減っているだろう。……嫉妬をしないで済むような大人に、なりたかったものだ』


56『上手い下手で判断したくないし、されたくないのに何気に1番それを気にしているのは自分自身だ。自分の好きを表現して共有したいだけなのに。完成した時はそりゃもう神作品に見えたし、達成感だってすごかった。世界で一番の宝物になったのに。数日もしたら、他のと比べて見劣りしちゃって。残ったのは、羞恥心と劣等感。今日もまたそれを繰り返す』




57『失礼ですが、昨日の20時頃はどちらにいらっしゃいましたか?……ほうほう、ご自宅でご実家にお電話を。失礼ですが、ご両親と何をお話されたんです?』


58『は?刑事さん、俺の事疑ってるんですか。その時間なら家で親に電話しましたけど。……何って、別に。元気してるかとか、そんな感じですけど』


59『親孝行な息子さんですね。お元気かどうか、ですか。そうですか。ご両親は共に入院中とお伺いしているのですが、そうですか。お元気ですか、どうですか、と。そうですか』


60『……は?て、適当な事言うなよ。元気だけが取り柄みたいな両親だぞ。うちに限ってそんな……。で、電話では元気そうにしてたんだ!嘘じゃない!』


*


61『もぐら的にどうなん。ずっと土の中で暮らすっていうのは。ああー、結構気に入ってる感じ。わかる、俺もそっち派。最近はさー、なんか洪水?とか多くて困っちゃうけど、なんだかんだ住めば都っていうかね』


62『土の中で暮らすっていうのは、最初こそちょっと抵抗はあるけどさ。わりと好きだよ。あ、ミミズ君も一緒?そっか。いやね、本当にそうなんだよ。水ってのはどうにも困っちゃうよね。暑すぎる日も嫌だけどさ』


63『んでさ、俺って土食うじゃん?それ周りにどう思われてんのかなーって。あ、やっぱりちょっと引いてる?いやでもさ、よく考えてよ。暮らすところが、イコールで食べ物って最強じゃん?食いっぱぐれがないって生き物的に素晴らしいと思うよ?』


64『あー、食ってるね。土ね。まぁ、その、ちょっとびっくりしてるというか、あ、食べるんだーみたいなところはちょっとあるかな……なんか、ごめんね?いや、そうだよね!こんなにたくさん食べ物ある中で生活できてるって最強だよ、最強!!』

*

65『小麦粉と~牛乳と~卵と~大好きな君を~混ぜ混ぜして~。よいしょっと。えっと次は、オーブンをあっためて~その間にドロドロのこれを型に流し込んで~トントンっと……空気を抜いて~、あ!オーブンあったまったね!さ、焼くぞ~!』


66『上手にケーキ焼けたぞ~!やった~!最初はちゃんとできるかなって心配だったけれど、ふんふん……いいにお~い!よかったよかった~!えへへ。それじゃ……大好きな君と、私だけのあま~い時間、過ごそうね』


67『あれ、ここ、どこだ……?確か部屋に呼ばれて……あ、おい、ここどこだよ?は?おいちょっと待て待て待て、そんなもんこっち向けんなよ。こっち来んな……ぉわっ、か、体、動かな……なんで、おい、どうなってんだよこれ、おい!!』


68『痛ぇよぉ……おい……もう、殺してくれよ……。なあ、頼むよ、俺が悪かったから……っぅぐ、ぁ……あぁ、あぁああ……いたい、いたい、いたい……殺してくれ、なぁ、頼むよ……俺が、悪かったから……なぁ……頼むよぉ』



69『うふふ、私ね、今とっても幸せなの!だってあなたと一緒に手を繋いで、良いお天気の中、お散歩しているもの!こんな穏やかな日がずっと続いてくれたらいいのに。そうしたら、私はもうそれ以上は何も望まないわ』


70『幸せかい?それはよかった。俺も幸せだよ。今度の休みはお弁当を持って、芝生の上でピクニックをしたいね。一緒にサンドイッチを作ろう。これからこの先、きっと幸せな事しかないよ。大丈夫』


71『うふふ、私ね、今とても幸せよ。あなたとこんなに長く一緒にいられたんですもの。世界で1番の幸せ者よ。シワも、シミも、たくさん増えましたけれど、それでも可愛いって言ってくれるかしら?あら……うふふ、いくつになっても嬉しいわね、ありがとう。あなた』


72『私の方が幸せ者だよ。こんなに素晴らしい人生を歩めたんだ。感謝が尽きないよ。本当にありがとう。何を言ってるんだ、君は世界で1番可愛い人だ。いくつになっても変わらない。本当に可愛い人だ。愛しているよ』


*


73『いらっしゃいませ~!ようこそ、オニオンズキッチンへ!2名様ですね、ご案内しま~す!こちらメニューになります!本日のオススメは≪玉ねぎの姿煮≫と≪玉ねぎの丸ごと揚げ≫です!』


74『お待たせしました~!≪玉ねぎの微塵切り≫と≪生玉ねぎ≫です!目に沁みますのでお気をつけてお召し上がりください!追加のご注文ですか?お伺いしますね!ふんふん……ご注文繰り返しますね!≪オニオンリングマウンテン≫ですね!』


75『注文入りまーす!≪オニオンリングマウンテン≫≪玉ねぎ生絞りジュース≫≪玉ねぎの刺身盛り合わせ≫を1つずつお願いしまーす!あ、ご注文ですか?ただいまお伺いしまーす!』


76『お会計お願いしまーす。……はぁー、全部美味しかったね。噂には聞いてたけど、まさかここまで玉ねぎ尽くしって……。今度はさ≪玉ねぎフルコース≫頼まない?予約必須みたいなんだよね~』

*

77『突然呼び出して申し訳ない。とても大切な用事なんだ。君に、これから、愛の告白をしたいと思う。聞いて貰えるだろうか。……ありがとう、誠意を込めてこの気持ちを贈るよ』


78『あ、愛の告白?!ひ、ひええ……え、えっと、はい!聞きます!聞かせてください!あああでも緊張する……。わ、私も全身全霊、誠心誠意お言葉頂戴致します!!』


79『っていうのが、お父さんのプロポーズよ!付き合ってもいないのに、僕と結婚してください!だもの。びっくりしちゃった!ふふ、でもね……あんまりにも真面目で、真剣な目をしていたから頷いちゃった』


80『真心込めて接すれば、気持ちは伝わるという事だな。……なんだい、その顔は。顔が赤いって?そ、それはそうだろう。照れるものは照れる。あんまりからかうんじゃないよ』




81『思い切り甘やかされたいんだけど、どう思う?承諾してくれる系?さすがだね、へへへ。では早速、お風呂掃除と洗濯物を頼まれておくれ!』


82『今日もお疲れ様、ご飯できてるよ。え、なに。甘やかされたいって?いいけど、何したら良い?あはは、それならもう終わってるから他のにしな』


83『天使だ……ありがとう、ありがとう。もうこれで思い残す事はない……強いて言えばご飯を食べさせて、お風呂も入れてくれたら超絶至極……』


84『どういたしまして。ふふ、それも別に良いけどさ。赤ちゃんみたいで可愛いね。照れないんだったらいくらでもしてあげるから。ほら、おいで?』



85『バブバブ言うのもさ、結構疲れるわけよ。生きるためには仕方ないって割り切ってるけどさ。ふとした拍子に我に返ってこう思うんだ。何言ってんだ、こいつってね』


86『兄貴でもそう思うんすね!俺なんてホニャホニャ言ってて気ィ狂いそうっすもん!いやぁ、赤ちゃんって大変すねぇ。早く俺の首、座んねぇかなぁ』


87『ふぅ……これで今日の仕事は片付いたな。積み木、ぬいぐるみ、俺の拳……よし、漏れなく舐めきったな。やれやれ、毎日のシャブりも骨が折れる……』


88『兄貴かっけー!もう全部始末したんすか?!すっげー!部屋中べっちょべちょっすね!あーあ、俺も早く兄貴みてぇな渋いペロリストになりてぇなー!』




89『私は君と出会えて本当に幸せだと思っているよ。君のその包容力、暖かさ、慈愛に富んだその性質。全てにおいて感謝しているし、心の底から愛している。君がいない生活なんて考えられないんだ。どうか、これからも共によろしく頼むよ』


90『ごめん、あのさ、めちゃくちゃ良い雰囲気で語ってるところ悪いんだけどさ、語りかけてる相手ってさ、コンビニのおにぎりだよね?鮭の。先週は昆布だった気がするけど、とりあえず何にせよコンビニのおにぎりだよね?』


91『人前でこうするのは少し照れてしまうね。それでも私は、こうして青空の下で君と……。おっと、少し意地悪だったかな。続きは部屋に戻ってからにしようか。君の内側をじっくりと見させておくれ。ああ、ごめんごめん。つい、君があまりにも美味しそうなものだから』


92『俺達は良く晴れた空の下でピクニックをしているだけです。健全なコンビニのおにぎりを健全に食べようとしているだけです。え、なに、帰るの?!は?!家でゆっくり味わう?あーもー、好きにしろ!俺は1人で楽しくピクニックしてやる!!』


*


93『えー、現在の時刻は朝の5時です……。寝起きドッキリ、仕掛けて参りましょう……!おはよーございまーす……ぐっすり眠っていらっしゃいますね。それではカウントダウンスタート……!5、4,3,2,1……おはようございまーす!!なに?!身代わり人形だと?!』


94『はーはっはっはっは!!まだまだ甘いですねぇ!本体はこちらですよ!テッテレー!!忍術大成功ー!!私の寝起き姿をカメラに収めたければ、もっと修行を積んでくるんですね!それではこれにて……なに?!影分身だと?!』


95『私も舐められたものですねぇ。いっぱい食わされましたが、逃がしませんよ!一族に伝わる秘技・多重影分身!!さあ、この狭い部屋の中に、あなたの逃げ場はなくなりましたよ。さあ、どうしますか?』


96『やってくれますねぇ!でも、所詮は分身!!本体を叩けば総崩れってのがセオリーでしょう!私の観察眼をもってすれば、本体と分身達の動作の僅かなラグだってすぐに見つけて……なん、だと……?全くの誤差が、ないだと……?!』


*


97『美味しいものを食べて、いっぱい遊んで、あったかいお風呂に入って、ふかふかのお布団で眠りにつく。これって人間にめちゃくちゃ大事な事だとは思うんだけどさ、たまにさ、めっちゃくちゃ面倒になる時ない?!自分だけ?!』


98『手料理って最高だし最強だけど、作るの大変だったり面倒だったりするのめちゃくちゃわかる。大切ってわかってても、億劫に感じる気持ちはどうしようもないんだよなぁ。たまには外食したっていいじゃんね。美味しいし!そう、何より美味しいんだよ!』


99『お風呂もさ、人に会う予定がない時くらいサボっても良くない?!あんまり動かなかった日とかさ!いやでもね、たまにだけど、ちゃんと湯船にも浸かるんだよ?入ったら入ったでめちゃくちゃ気持ちいいのは知ってるんだよぉ……』


100『皆さ、当たり前みたいに生活サイクル回してるけど、それって死ぬほど偉いからね?!褒められてほしいし、褒めさせて!!偉い!偉すぎる!でも、できてないから偉くないわけでもないって思うんだよ……。とりあえずその日どうにかこうにか乗り越えたら、それで充分だよ……』




【紹介動画】
自分で97~100番を読んでみました!

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題名:こんな老人は嫌だシリーズ③

作者:オニオン侍


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※本作における著作権管理・利用について


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


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また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


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時間:2分弱


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【配役】


◎男性


名前:爺

年齢:70~90代

概要:元気



◎女性

名前:婆

年齢:70~90代

概要:元気じゃない


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【本文】





婆「ゲホゲホ……じいさんや、先に向こうに行きますね。長いことお世話になりました」


爺「待て、待つんじゃ婆さん」


婆「ジジイのワガママなんてみっともないですよ。私はもう充分、生きましたから」


爺「い、嫌じゃ」


婆「爺さん……」


爺「嫌じゃ……み、看取ってくれんと……」


婆「爺さん?」


爺「ワシの方が先に死にそうなんじゃから、看取ってくれんと嫌じゃ!死ぬな、死ぬな婆さん!」


婆「何を馬鹿な事を言うんですか。私の方が、ほれ、ゼエゼエ……今にも、息絶えそうですよ」


爺「む、むむ……ゲーホゲホゲホ、あーーもう駄目じゃーー婆さんすまぬーー置いて死んでしまうんじゃーー」


婆「ヘタクソな芝居をうつんじゃないですよ、爺さん」


爺「嫌じゃーーー!婆さん死なんといてくれー!!看取られずに死ぬのは嫌じゃー!ゲーホゲホゲホ」


婆「はあ……まったく元気なジジイですねぇ。いいですか。向こうには、ゆっくり来るんですよ」


爺「ば、婆さん……」


婆「最後くらい、素直に引き止めてくれたらいいんですよ。何十年経ってもあなたはほんとに天邪鬼なんですから、困ったものですね」


爺「……う、ううう」


婆「爺さん」


爺「ううう……俺を置いて行くな!死ぬな!寂しいだろう、お前がおらんと俺は駄目なんだ!頼むから……死ぬな……」


婆「ふふふ……嬉しい事を言ってくれますね。ありがとうございます。冥土の土産に聞けて満足です。ですけれど、ごめんなさいね。こればっかりは、ゲホゲホ……」


爺「うう、ううう……」


婆「添い遂げてくださってありがとうございました。……また、夫婦になりましょうね」


爺「ああ……ああ……もちろんだ。そっちにはゆっくり向かう……だから、他のジジイに色目使うんじゃないぞ」


婆「ええ、もちろんですよ……。おやすみ、なさい」


爺「おやすみ……」

~完~


無題392_20210901162639

題名:結び契りて(むすびちぎりて)


作者:オニオン侍

人数:6人(4:2)


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【本作における著作権管理・利用について】


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。


また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます!)


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます!)


(配信などございましたらぜひお教えください!)


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時間:45分弱


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【配役】


○男性


名前:逢原 契(あいはら けい)

年齢:20代

概要:独身

通称:ケイ


名前:伊尾崎 慎也(いおざき しんや)

年齢:20代

概要:愛妻家

通称:イオ


名前:魚見 遼太郎(うおみ りょうたろう)

年齢:20代

概要:恐妻家

通称:ウオミー


名前:男モブさん(おとこもぶさん)/ナレーション

年齢:幅広い/自由

概要:男性のモブ全て頑張る人/場面説明

通称:男モブ/N


○女性


名前:江西 結(えにし むすび)

年齢:20代

概要:老舗製薬会社の1人娘

通称:結(むすび)


名前:小野 芽衣子(おの めいこ)

年齢:20代

概要:結のお友達

通称:芽衣子(めいこ)、めーちゃん



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ケイ(♂):

イオ(♂):

ウオミー(♂):

男モブ/N(♂):

結(♀):

芽衣子(♀):


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本文





4944981_s



N【とある田舎の居酒屋にて】


ケイ「イオはほんとにマメな奴だよな」


イオ「普通だって。ウオミーだって奥さんに連絡くらいするでしょ」


ウオミー「するする!するけどさ、させられてるっつーか」


男モブ店員「あいよー、生3っつとお通しねー」


結「あ、すいまーせん」


男モブ店員「はーい、ただいまお伺いしまーす」


ケイ「ま、とりあえず乾杯っと」


イオ「かんぱーい!」


ウオミー「うぇーい!今日は飲むぞー!」


ケイ「飲み過ぎんなよ。奥さんに怒られんの俺らなんだから」


イオ「そーそー。まあ、程々にね」


ウオミー「(美味しそうに喉を鳴らしながら一気に飲み干し)〜〜っぷはぁー!うめぇー!」


ケイ「腹立つほどいい飲みっぷりだな、おい」


イオ「あっはっは!まあ、これでこそウオミーだよね。あ、生追加お願いしまーす」


男モブ店員「かしこまりましたー。こちら、ご注文の揚げ出し豆腐と、枝豆です」


ウオミー「ふぅう!きたきたー!あざまーす!」


芽衣子「あ、すいませーん!」


男モブ店員「はーい、ただいまー」


結「えっと、蒸し鶏のサラダと、烏龍茶と、烏龍ハイお願いします」


男モブ店員「かしこまりました。ただいまお持ちしますね~」


ウオミー「イオはいいよなぁ!嫁さん優しいし、可愛いし!俺んとこなんて鬼よ、鬼!」


イオ「何言ってんだよ、ウオミーのお世話めちゃくちゃしてくれてさ、いいお嫁さんだろ」


ケイ「まあ……めちゃくちゃ怖いってのも、ほんとだけどな……」


ウオミー「だろぉ?!昔はさ、もうちょっとこう健気でさ、可憐でさ」


男モブ店員「お待たせしましたー、こちらお下げしますねー」


イオ「あ、これもお願いしまーす」


男モブ店員「あ、どーもー。こちらサラダとお飲み物お待たせしましたー」


結「わ、おいしそー!ありがとうございます〜」


芽衣子「食べよ食べよ!あ、サラダ取り分けるの任せて~!」


ウオミー「とにかく、俺の嫁さんの話なんて置いといて!今日は飲むぞー!」


ケイ「声でけえよ、バカ!座れ!」


芽衣子「んじゃ、カンパーイ!(半量程一気に煽って)っぷは〜……それでさ、例のお見合いってどうなったの?!」


結「へっ?!あ、あーえっと……すっぽかしちゃった」


芽衣子「はぁ?!なんでよ?!これでやっと」


結「わぁあ、す、座って!座って!わ、私は大丈夫だから、と、とにかく座って〜!」


ウオミー「お!お姉さんも飲んでるー?!」


結「ほ、ほら、絡まれちゃうよ……」


イオ「コラー!知らない女性に絡みに行かない!すいません、ほんと」


ケイ「このバカ!」


ウオミー「いでででで」


芽衣子「あ、ご、ごめんなさい。騒いじゃって。ちょっと、その、びっくりして」


ウオミー「なんすかなんすか、どうしました?」


ケイ「おいバカ!」


結「えっえっ、あ、いやその……なんでも、ないですよ?ね、ね、お見合いは実はちゃんと行ったし縁談もなんか良い感じにまとまったし」


芽衣子「なんですっぽかしたか、教えてくれる?」


結「えーーーっと……」


芽衣子「……聞いてくれます?!」


イオ「へ?!ちょ、ちょっとお姉さん?!」


芽衣子「この子ったら、名家のお坊ちゃんとのお見合いをすっぽかしたとか言うんですよ?!」


結「わわわわ、や、やめてやめてえ」


ウオミー「わーお、そっちのお姉さんやりますねえ!」


ケイ「イオ、こいつどうしたらいいと思う」


イオ「それはもう、これ一択でしょ。あ、もしもしー?ウオミーの奥さん?」


ウオミー「へ?!ちょ、待って待って待って」


イオ「ウオミーが〜……なんてね、フリだよフリ。ちょっとは落ち着いた?」


ケイ「その、なんか……すんませんね」


結「い、いえ、こちらこそお友達がその、急にごめんなさい」


芽衣子「だ、だって……結、お母さんにまた言われるじゃん。なんでダメだったの?おっさんだったとか?!」


結「こ、声が大きいよお」


ケイ「あー、あの、プライベートなお話ですし」


ウオミー「でも気になるじゃーん」


イオ「あ、コラ!」


芽衣子「ですよね?!気になりますよね?!というか、私、めちゃくちゃ心配で」


男モブ店員「お客様〜、よろしければお広いお席ご用意しましょうか?少々、盛り上がられていらっしゃるようですし」


ケイ「あ"っ……す、すいません、その静かにするんで」


ウオミー「あ!じゃあお願いします!」


イオ「ウオミー?!」


ウオミー「お姉さん達もいいですよね!これもなんかの縁ですし〜、俺、お姉さん達とお話したいなー!」


芽衣子「ぜひ!結もいいよね?!」


結「ええ……」


芽衣子「話してくれるまで今日帰らせないから」


結「ええええ……」



N【広めのテーブル席に集合する一同】


ケイ「あとでウオミーの奥さんにチクろうな」


イオ「そりゃあ、もちろん」


男モブ店員「お待たせしました〜、揚げ物の盛り合わせと、追加のお飲み物です」


ケイ「どーもー」


ウオミー「さーてさてさて、自己紹介も済んだところで……で?!で?!江西さんはなんでお見合いすっぽかしちゃったんすか?!」


結「うぅ……その、お恥ずかしい限りなのですが……所謂、その、政略結婚的なアレでして」


イオ「政略?!え、もしかして……江西結さん、って、え、あの江西製薬の……?」


結「あっ、いや、その……はい……」


芽衣子「結はそこの1人娘なんですよ。それでお母さんが、かなりうるさくって」


ケイ「それは、その大変ですね」


結「ちょっと、大変です、へへへ」


ウオミー「あれすか?!私には心に決めた人が〜!的な」


芽衣子「それは絶対ないです!そんな話、今まで1つもしてくれなくて」


男モブ店員「あ、いらっしゃいませー。お席ご案内しますね。2名様ごあんなーい」


結「えーっと、その……なんといいますか」


イオ「ほらほら2人とも、そんなに詰め寄らないの。江西さん困ってるでしょ」


ケイ「そうだぞ。お前だって奥さんに言えないことの1つや2つあんだろ」


ウオミー「う゛っ!そ、それとこれは今は違いますぅー」


芽衣子「ねぇ、結。どうしても、言えないことなの……?私、力になりたいよ」


結「めーちゃん……。その、えっと……あ、あのね。そ、そう!実は好きな人ができて」


ケイ「……好きな人、ですか」


結「は、はいっ!か、駆け落ちする根性なんてないですけれど、お、お見合いすっぽかすくらいはしてやれ~!って、へ、へへへ」


芽衣子「……そんな話、1回もしてくれなかったじゃない」


結「ご、ごめんね。話しちゃったら、うちの事にめーちゃんを巻き込んじゃうかなって」


男モブ客A「はーあ。んだよ、彼女いないの?30にもなって?とか好き放題いいやがってさー」


イオ「おうちが大きいと、色々大変ですね……」


ウオミー「恋愛も自由にできないなんて……俺、絶対無理!!」


結「あ、あはは……れ、恋愛って素敵ですよね!うんうん。あ、え、えっと魚見さんは、恋愛結婚なさったんですか」


ウオミー「ん?!あー、あー、うん、そうそう。そう、だったんだけどなぁ……おかしいなぁ、はは……」


結「あ、あれ?!ご、ごめんなさい。聞いちゃ、いけなかったですか」


ケイ「ああ、いや。大丈夫ですよ。ただこいつがアホすぎて、しっかり者の奥さんに怒られまくってるだけですから」


男モブ客B「いやほんとそれな。つーか結婚して尻に敷かれてるだけのハゲにネチネチ言われたくないっつーの。既婚者がそんなに偉いのかって話だよな」


芽衣子「結は、その好きな人?と付き合いたくないの」


結「えっ?!えーと、あ、ううん、そりゃあ付き合いたいよ!うん!だって、恋愛ってそういうもの、だから。皆、そうでしょ?」


ケイ「大人は恋愛して、結婚する……それが、世間一般的には、普通ですもんね」


結「えっ、あ、逢原さん?」


ケイ「あ、いや、すいません。そ、そういえばその、これですっぽかした原因はわかった事ですし、俺らはこの辺で」


芽衣子「待ってください」


男モブ客A「時代も違うしさ?つーか、こんだけ働いてんのに給料は雀の涙でさ?どうやって先の事なんか考えられるかっての」


イオ「お、小野さん?い、いったん座りません?」


ウオミー「かーっ!枝豆うめー!」


芽衣子「結。嘘、ついてるでしょ」


結「うっ……や、やだな、そんなこと」


芽衣子「じゃあ、ちゃんとこっち見て話してよ」


結「うう……」


ケイ「ま、まぁまぁ。小野さんも落ち着いて」


男モブ客B「他人大事にする前に自分を労わるっつーの。あああああ、でも可愛い嫁さんはいつか欲しいよなぁ……。家に帰ったらさ?おかえりなさい♡って」


イオ「江西さん、嘘ついてるって……そんな風には見えなかったけど、本当ですか?」


結「え?!あ、その……」


芽衣子「なんで?!この人たちがいるから?!」


ウオミー「それもそうだな!はっはっは!俺たち退散する?」


ケイ「お前……自由すぎんだろ」


結「そ、そうじゃない!そうじゃない、です。その、めーちゃんでも、他の誰でも……言えないから。ごめんなさい!!お会計、置いておきます!」


芽衣子「あ、ちょ、結!待って!!」


ケイ「俺、行きますよ」


イオ「ケイ?」


ケイ「あー、えっと。小野さん、ヒールでしょ。それじゃ追いかけるのは、しんどいから。ウオミー、会計よろしく!」


ウオミー「はぁ?!なんでだよ、あ、ちょ、おい!」


イオ「……ケイ、どうしたんだろ。こんな事するタイプじゃないよね」


ウオミー「知らん知らん!さーて、飲みなおすかー」


男モブ客A「可愛い嫁さんなぁ……あー、でも俺その前に猫ちゃん飼いたいんだよね。もふもふの。俺、その子のためなら、なんか毎日頑張れる気すんだよなあ」


芽衣子「……ましょう」


ウオミー「店員さーん、すいませーん」


男モブ客B「猫ちゃんなぁ、それもいいよな。いやでもやっぱ俺は彼女かなー、彼女ほしい……いやその前に、好きな人、暫くできてねぇわ……どうやんだっけ、恋愛って……」


芽衣子「追いかけましょう」


イオ「ま、まぁ、そうなるよね。いってらっしゃい、って言いたいけど……」


ウオミー「え、なに、追いかけんの?それじゃ一緒に行かんとな!こんな夜道を女の子1人歩かせるわけにはいかねぇもん」


イオ「いやそうだけど、ウオミーに先に言われるの腹が立つな……」


芽衣子「店員さん!お会計お願いします!」


男モブ店員「はーい、ただいまー」





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N【公園のベンチにて】


ケイ「はぁ……江西、さん……走るの、はやいんですね……」


結「ご、ごめんなさい!まさか逢原さんが、その、追いかけてくるとは思わなくてびっくりしちゃって……」


ケイ「全速力で逃げたと……」


結「ご、ごめんなさいいいい」


ケイ「い、いや、俺が勝手に追いかけた、だけですから……はぁ、やっと落ち着いた」


結「あの、その……どうして、来たんですか」


ケイ「あー、その……気になって、しまって」


結「へ?!」


ケイ「あ゛っ、いや、その、女性としてではなく、あ、いやかといって魅力がないとかそういうあれでもなくてその」


結「あ、あ、えっと、勘違いしちゃって、ごめんなさい。その、えっと、気遣ってくださって、って事ですよね」


ケイ「気遣い……まぁ、そんな感じのような、うーん」


結「少し……違うんですか?」


ケイ「その、自分と、重ねてしまって。あ、いや、お話を聞いて勝手にその、憶測で……自分と似たとこがあるのかなーなんて」


結「……逢原さんも、お見合いをすっぽかした事が……?!」


ケイ「あーーいや、そこじゃなくてその……踏み入った事、聞いてしまうんですけれど……」


結「は、はい……」


ケイ「ええと……自分は普通の事ができないダメな人間だ、とか……思ってませんか」


N【一方その頃。居酒屋をあとにする3人】


ウオミー「ごっそーさんしたー」


イオ「ごちそうさまでした。さ、騒いじゃってすいませんでした……」


男モブ店員「あーいえいえー、またのご来店をお待ちしておりまーす」


ウオミー「さーて、どこに行くかね!」


芽衣子「結、絶対向こうの公園にいると思うんです。ちっちゃい頃から、困った時はよくそこに逃げてたから」


イオ「公園ですか。手がかりもないですし、向かってみましょう」


ウオミー「へっへっへ、なんか青春って感じでワクワクすんな」


イオ「こら、茶化さない。って、あ!小野さん、待って待って!」


芽衣子「結……なんで、私に教えてくれないの……?1番の友達だと思ってるのに……!」


ウオミー「うっひょー!ヒールで爆走する美人ってなんかいいなぁ!」


イオ「……これもあとでチクらなきゃな」



N【再び公園にて。ケイの問いに暫し沈黙する結】


結「な、んでそう思って。あ、その、差し支えなければ……お伺いしても、いいですか」


ケイ「……俺が、そうなんです。皆がこぞって恋人作って、家庭を築いてるのに……俺は……イオとか、ウオミーみたいな友達を大切に思うことはできても、特定の誰か1人を好きになって、愛するっていうのができないし、想像もできなくて」


結「当たり前の恋愛が、できない」


ケイ「!……ええ、そんな感じです。恋愛できない自分が嫌で、情けないなって」


結「自分が、嫌……」


ケイ「それで、もしかしたら同じような方なんじゃないかって。自分のために、追いかけてしまいました」


結「自分のため、ですか?」


ケイ「ええ……。こんな田舎ですし、結婚してない成人男性は肩身が狭いですし……さらには恋愛がわかりませーん、人を好きなれませーん、なんて大声で言えるわけもなくて。本当は似たような考えの人、何人かはいるのかもしれませんが、互いに見つけることができないんです」


結「田舎特有の、その……そういう空気、ありますよね」


ケイ「まあ、田舎も悪い事ばかりじゃないんですけどね。ただ、どんな風に生きていても最終的に『結婚できなかった男』って見られて終わるのかーなんて……思うこともあって……って、少し話がそれました。ええと、その、もしかしたら共感していただけるんじゃないかって、思ってしまったんです」


結「そう、だったんですね。あ、えっと、お話してくださって……ありがとうございます。あの、私」


ケイ「ま、待ってください。江西さんもそうですよね、さあ打ち明けてください!って事じゃないんです。俺と同じように考えていて、少しでも共感しあって心が軽くなる部分があるなら……お話、聞かせてください」


結「……ふふ、お優しいんですね。ありがとう、ございます。初対面の私なんかに、大切な事を教えてくださって」


ケイ「ありがとうだなんて、そんな。すいません、少し焦ってベラベラ喋りすぎてしまって。俺の方こそ、聞いてくださってありがとうございます」


結「いえっ、そんな……あ、あの、私の事も聞いてくださいますか?」


ケイ「そ、れは……ええ、ぜひ。聞かせてください」


N【結はゆっくりと思い出すように、自身の生い立ちを語った。老舗の製薬メーカーの1人娘として生まれ、3歳にもならない頃に名家の長男と許嫁の関係を結ばされたという事。政略的といえど、彼とは幼馴染として良好な関係を築き上げ、今では互いに信頼しあっているという事。嬉しそうに言葉を紡いでいた彼女だったが、一転し表情が曇っていく】


結「本当に素敵な人なんです。優しくて、お勉強もできて、面白くって。……でも、やっぱり私は……彼は、大切な幼馴染で、友人なんです。家のためとはわかっていても、どうしても、その先が見えなくて」


ケイ「結婚して、その先ですか」


結「はい……その、ちょっとセクハラになってしまうかもで申し訳ないのですが……最終的に後継ぎのための、政略結婚です。その、子供を授かる事も、授かった後も、その子供も夫になった彼の事も、1つも想像がつかないんです。ひどい話かもしれませんが……どちらも、必要と感じていない、そんな自分しか、そこにはいなくて」


ケイ「ひどくなんて、ないですよ。だって、あなたの人生じゃないですか。そう考えているあなたが、この先にいる。それだけですよ」


結「逢原さん……」


ケイ「あ、いや、その……自分が言って欲しい言葉を使ってしまっただけなんで、恥ずかしい限りですが……」


結「いえ、ありがとうございます……」


N【口の端に笑みを浮かべるが、その瞳はうっすらと滲んでいた。その双眸で遠くを見据え、ゆっくりと語りだす】


結「昔から、ずっと母に言われてきたんです。私は幼稚で鈍臭いから、恋の1つもわからないんだって。当たり前の事もできないダメな子だから、親が決めた縁談に従えば……私でもちゃんと大人になれるんだって。……私は、自分の事しか考えられない自己中と、教えられてきました」


ケイ「そ、れは……いくら母親でも、それは、言っちゃいけない事ですよ……!」


結「……ありがとうございます。私の代わりに、怒ってくださって。ふふ、嬉しいです」


ケイ「いえ……そんな」


結「でも、私、その言葉の通りだと思ってしまったんです。だから、今日まで……形だけのお見合いの日まで、ボーッと生きてたんです。ダメダメな私でも、親の言う通りにすれば大丈夫って」


ケイ「でも、すっぽかしたっていうのは……」


結「急に、めーちゃんの言葉を思い出しちゃって。何度も、何度も言ってくれていた、大事な言葉なんです。それなのに……それまでは『めーちゃんはすごいな素敵だな、でも私には無理だよ』って……ちゃんと、聞いてなかったんです」


N【結が静かに目を閉じ、芽衣子との時間を思い出す。それを語る口調は穏やかで、愛し気で、しかしどこか寂しさを感じさせるものだった】


*回想


芽衣子「結、またお母さんの事気にしてんの?!」


結「うっ……だ、だってお母さん、こんなキラキラした格好はダメって、きっと言うもん……」


芽衣子「はぁー?!こんなに似合ってて、こんなに可愛いのに?!意味わかんない!」


結「に、似合ってる?私なんか、こんなに素敵なの似合わないよ……」


芽衣子「めちゃくちゃ似合ってるんだから!ほら、シャンとして、鏡ちゃんと見て!」


結「わわわっ……」


芽衣子「ほら、ね!超可愛いよ、結。なんでいつもお母さんの言う事気にしてんのか知らないけどさ、たまには自分の言いたい事も気にしてあげなよ」


結「私の、言いたい事……」


芽衣子「そーそー。門限18時なんて早すぎる!とか、もっとキラキラしたお洋服を着たい!とかさ」


結「そ、そんな事思ってなんか……」


芽衣子「そ?私はもっと結と遊びたいし、おそろの服着たいけどね。だって女子高生だよ?!今しか着れないカワイイのとかいっぱいあるよ?!」


結「そ、れは……うん、私も……もっと、めーちゃんと遊びたいな……」


芽衣子「ふふー、でしょ?まぁ……あんたのそのやさしー性格で、いきなりお母さんに噛みつけ!なんてのは難しいと思うけどさ。せめて、私なんかっていうのやめようよ。結と仲良しな私の立場考えた事ある〜?」


結「わっわっ、そ、それは……ご、ごめんね、めーちゃん。私と違って……めーちゃんはすごくキラキラしてて、素敵で、かっこいい彼氏さんもいて、なんでもハキハキ伝えられてて……私の自慢のお友達、なの」


芽衣子「ちょ、っと急になに?!ベタ褒めやめてよ、照れるじゃん!」


結「え、へへ……」


芽衣子「ま、まぁ悪い気はしないけど。じゃあ、その、素敵な友達がいるあんたは、お母さんが言うほど何もできない子じゃないし、充分魅力的って事に、なんじゃないの?」


結「……そ、うかな」


芽衣子「そうなの!!だから、お母さんの言いなりになんか、なっちゃダメなんだから。『結は、結の思う様にしていいんだよ』」


*回想終了


N【パチリと目を開け、懐かしむように微笑を浮かべる結。それと同時に、公園へ駆け込む1人の女性の姿があった】


芽衣子「はぁ……はぁ……いっ……てて……結、どこ……?」


イオ「はぁ……ひ、ヒールでそんなに走っちゃダメですよ……これ、使ってください……ケホケホ」


芽衣子「絆創膏……ご親切に、どうも」


ウオミー「ひゃひゃひゃ、ヒール爆走美女!最高だー!ぉぅえ、飲んだ直後のダッシュ、きっつ!!」


イオ「……奥さん」


ウオミー「あーー、ケイのやつあんなところにーーー」


イオ「全くもう……。小野さん、動けそうですか?」


芽衣子「はい、ありがとうございます」


イオ「って、もう行っちゃった」


N【ベンチに腰掛ける2人の姿を見つけた魚見は、少し離れた場所で身をかがめた】


ウオミー「なになになに、良い雰囲気な訳ー?あ、イオ遅ぇよ!ほらここ」


イオ「何こそこそしてんだよ」


ウオミー「そういうお前も小声になってんじゃーん。ちょっと盗み聞きしようぜ」


N【芽衣子は、結と逢原の後ろ姿を暫し眺める。そして、唇を尖らせながら彼女もまた身をかがめた】


芽衣子「……彼に、何を話すというんですかね」


イオ「小野、さん?お、怒ってらっしゃる……?」


芽衣子「怒って、ないです」


イオ「そ、そうですか」


ウオミー「イオうっせえ!聞こえねーだろー」


イオ「……今日の事全部チクろ……」


N【背後の3人に気が付く事もなく、結はゆっくりと空を仰いだ】


結「私は、私の思う様にしていいんだって……今日、やっと……思えたんです。めーちゃんが、何度も教えてくれたのに……遅すぎ!って怒られちゃいます、ふふ」


ケイ「素敵な、ご友人ですよね」


結「はい、自慢のお友達です。それで私、結婚って人生で大きな出来事すらも、自分で決めないの?って……気がついたら、すっぽかして……それで、なんだか嬉しくなっちゃって、めーちゃんに会いたくなって……」


ケイ「今夜は飲み明かしたい!ですか」


結「あははっ、その通りです」


ケイ「素敵、ですね」


結「はいっ、めーちゃんはほんっとうに素敵なんですよ」


ケイ「あぁ……小野さん、も、素敵な方ですが……思い切って、大きな決断をしたあなたが、とても素敵だなと思いました。……自分と似てるだなんて、失礼な事言ってすいません」


結「へ?!い、いや、そんな……私、逢原さんに感謝してるんです」


ケイ「感謝、ですか?」


結「はい……ずっと、もやもやってしてたんです。なんで私は、素敵な人が相手でも結婚を良しとできないのかなって……。理由はわからないけれど、でも、このままお母さんの思うままに結婚したらいけないって、それだけは思って……」


ケイ「なるほど……」


結「それで、逢原さんのお話を聞いて、腑に落ちたんです。あ、私、誰の事も好きになれないんだって。自分の事、ダメって思ってしまうのも……その当たり前ができないからなんだって」


ケイ「そう、でしたか……」


結「も、もちろんめーちゃんは大好きですよ!大事なお友達です。でも、いわゆる恋愛の好きは、私、わからないなって……」


ケイ「そうであると、自覚を……された、と」


結「はい。いい歳になってようやく、自分の事を知ってあげられました。だから、ありがとうございます。逢原さん」


ケイ「いや、その……はは、まさかお礼を言われるだなんて思っていなくて。こちらこそ、ありがとうございます。俺の方こそ……あなたに出会えて、よかった」


結「そ、そんな……て、照れちゃいますね。へへへ」


N【2人はむず痒い照れ笑いを互いに浮かべ、同時に口を紡ぐ。暫しの静寂が訪れるが、逢原がそれを気まずそうに断ち切った】


ケイ「あの……このお話は、小野さんには……されないんですか」


結「あ……ま、まだ、その……。私、情けないなぁって。めーちゃんは優しい人だから、私を傷つける事なんて絶対に言わないってわかっているんですが、その……あまりに、自分が、ダメだと思ってしまって。劣等感、というんですかね。へへへ……」


芽衣子「なによそれ!意味わかんない!」


結「ひゃっ?!め、めーちゃん?!」


N【身をかがめていた芽衣子だったが、突如として立ち上がり、結に詰め寄っていく】


ウオミー「修羅場?修羅場?」


イオ「こら」


ケイ「……おい。何やってんだ、お前ら」


ウオミー「えー?野次馬!!」


ケイ「はぁ……」


芽衣子「結、なんでそんな事言うの」


結「ご、ごめんね……」


芽衣子「劣等感とか、そんなん関係ないじゃん!私と結は仲良し、それだけじゃダメなの?」


結「ごめんね……まだ、わからない」


ケイ「江西さん……」


ウオミー「お友達なら別にどっちが偉いとか、すごいとかないんじゃないー?」


イオ「ちょ、急に口出すなって」


ウオミー「だーーーってウジウジしてて」


芽衣子「そうよ、私は別に結より上だとか優れてるとか……そんなの考えた事、一度もないんだから!」


結「うん……知ってるよ。いつも、ありがとう。でも、すぐには……変われないよ……」


N【俯く結を、芽衣子は震えながら真っ直ぐ見据える】


芽衣子「……ねえ。いつかは、わかってくれる?結は素敵な、私の自慢の友達なんだって。情けない事なんて、1つもない立派な女性だって」


結「……そう、思えるようになりたいな。めーちゃん、待っててくれる……?」


芽衣子「……結……」


結「少しずつ、自分の思う様に生きていくから。頑張る、から……これからも、傍にいてほしいな……」


芽衣子「……う、うう」


ウオミー「お姉さん、ほんとはもういう事決まってんでしょっぅぐ」


イオ「こらっ!!」


N【魚見が伊尾崎に押さえ込まれるその横で、芽衣子は大きなため息を1つつく】


芽衣子「……はぁぁああ……もう!気長に待てばいいんでしょ!そんなの、慣れっこなんだから!」


結「めーちゃん……へへへ、ごめんね。いつも、ありがとう」


N【芽衣子は結を強く抱擁し、肩口に顔を埋める】


芽衣子「……私の方こそ、ごめん。1番近くに居たのに、結の事何にもわかってなかった、かも」


ウオミー「美人とかわい子ちゃんのハグ!いいねぇ!」


イオ「あ、もしもし?」


ウオミー「あ"ーーー!!」


芽衣子「恋愛も、結婚も普通なんだって思ってた。や、今もその、そうだって……思ってる。でも、結の事、もっとわかりたいから。その……」


N【キッと逢原を睨みつけるように視線を送る。その目には嫉妬と、照れが入り混じる】


芽衣子「そこの冴えない男なんかに話さないで、私にちゃんと教えてよ!!」


ケイ「あ、ははは……」


ウオミー「ぎゃっはっはっはっ!!冴えない男だって、ぎゃはははは!」


結「め、めーちゃん!!」


芽衣子「……でも、感謝は、して、ます。私じゃたぶん、一生気がつかなかったし。酷い事、言っちゃうかもだったんで。結婚は当然、とかなんか……。その、ありがとうございました」


ケイ「え、あ……いや。結さんが、羨ましいです。貴女のような理解者が傍に居てくれて」


ウオミー「はーー?俺らは?俺らは?」


イオ「そーだそーだ!」


ケイ「……まあ、それは追々」


ウオミー「おーーん?照れてんの?照れてんの?」


イオ「なんだなんだー?めずらしい顔してるねえ、逢原くーーん」


N【逢原にまとわりつき軽口を叩く2人。それらをクスクスと楽し気に見守る結】


結「逢原さんも、素敵な方達に囲まれて、いいですね。ふふ」


ケイ「……ですね」


芽衣子「ほら、結、もう帰ろ?あ、というかうちで飲み直そ?ね!」


結「わっわっ、め、めーちゃんてば、待って待って」


N【芽衣子は結の手をしっかり握り、颯爽と歩き出す。慌てて結は振り返り、逢原に微笑みかける】


結「あ、逢原さん!えっと……誰の事も、愛せなくっても……『ひどくなんて、ないですよ!だって、あなたの人生じゃないですか!そう考えているあなたが、この先にいる。それだけですよ!』……えへへ、そ、それじゃ、またどこかで!おやすみなさい」


逢原「あ……は、い。また……おやすみなさい」


N【芽衣子に引き摺られるようにし、結は公園をあとにした。静けさが、辺りを覆う】


イオ「いやー、こんな事になるなんてねー。びっくりびっく……り……え、ちょ、ケイ?!」


ウオミー「んあ?え、泣いてんの?どしたどした」


N【立ち尽くす逢原の両頬には、止めどなく涙が伝っていた】


逢原「……は、はは。ひどくなんて、ない……か……」


イオ「ケイ……」


ウオミー「え、ちょ、あーその……んー……あー、あのさ。難しい事わかんねーけど、結婚?とかしなくてもケイはケイっつーか、ずっと友達的な」


N【魚見が恥ずかし気にモゴモゴと話していた、その時だった。魚見の懐から、恐怖の怪物と戦闘するような音楽が鳴り響く】


♪デーンデーンデーンデーデデーデーデーデデーーン(爆音)


イオ「えっちょ、うるさ!ウオミー!」


ウオミー「あ、やべ、嫁さんからだ!!」


N【すぐさま電話を取る。同時に、激しい怒号が魚見の耳を貫いた】


ウオミー「あーー!ごめん!ごめんんて!えっとなんていうか、青春と修羅場と友情で大忙し!みたいなってあーーごめんなさいごめんなさい、今すぐ帰ります!はい!ごめんなさい!っつーわけで俺帰るわ!まったねー!」


イオ「は?ちょ、き、気をつけて帰れよー!」


ケイ「……ははっ、またな。ありがとな、ウオミー」


ウオミー「おう!」


イオ「……ほんと好き勝手やってくれるよね、ウオミーは」


ケイ「だな」


イオ「……俺たちも、帰ろうか」


ケイ「そうだな」


イオ「……あー、その、あのさ」


ケイ「ふっ」


イオ「おい!今なんで鼻で笑った?!」


ケイ「良い事、言おうとしてんだろ」


イオ「は?!ちょ、も、もーー!もう知らん」


ケイ「あっはっは、悪い。その気持ちで十分だ、ありがとうな」


イオ「……キザなやつー」


ケイ「いいだろ、別に」


イオ「ウオミーよりマシ」


ケイ「はっは、間違いないな」


イオ「……んじゃ、帰ろっか」


ケイ「おう」



〜完〜




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第一話~第三話↓こはるさん作


最終話↓こはるさん作


ぜひ第一話から、お楽しみください♪
こはるさん版の最終話との違いも
楽しんでいただければ幸いです!


題名:願い事 最終話

作者:オニオン侍


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※本作における著作権管理・利用について


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。


また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます。)




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時間:10分弱


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※配役


○不問


名前:桜子(さくらこ)
性別:♀

年齢:中学生

概要:たなばた様にお願い事しなくちゃ



名前:珠代(たまよ)
性別:♀

年齢:中学生

概要:何をお願いする気なのか気になる


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本文




桜子「はぁー、やっと着いたぁ」

珠代「結構かかったけど、その分達成感あるね」

桜子「うん、そうだね!お空もこーんなに綺麗だし、頑張ってよかったよぉ」

珠代「ほんとよく頑張ったよ、そーんな大きな荷物背負ってさ。よーしよしよし」

桜子「へへへー」

珠代「それで肝心の願い事ってなんなのー?」

桜子「もー、たまちゃんはせっかちさんなんだから!まずは、短冊を高ーいところにっと」

珠代「あ、ちょっと、1人じゃ危ないでしょ」

桜子「へへへ、たまちゃんはやっぱり優しいね」

珠代「何言ってんの、当たり前でしょ。ほら、よそ見してないでくくりつけちゃいな」

桜子「はーい。ふんふんふーん」

珠代「はぁ……まったくもう、人の気も知らないで」

桜子「でーきた!たまちゃん、ありがとう」

珠代「いーえー、どういたしまして。これでやっと教えてもらえるね、願い事」

桜子「えへへ、じゃあ教えてあげるね。あっち、いこ?」

珠代「あっち?あー、見晴らしのいいところあるもんね。いこっか」


桜子「わあぁ、お星様きれいだねー!」

珠代「ほんとほんと。これなら彦星様と織姫様も無事に会えたんじゃない?」

桜子「きっとそうだよー!よかったよかった~」

珠代「桜子の願い事もばっちり天に届く事でしょう、って……え、なに、それ?」

桜子「これ?えっとね、あゆみちゃんの髪の毛!」

珠代「あゆみ……は?え、なんで……」

桜子「たまちゃんが綺麗って撫でてたんだもん。でも暴れるから頭皮ごと持ってきちゃった。えっとね、こっちはきょうこちゃんの指!」

珠代「ひっ……?!ゆ、指……さ、桜子……?」

桜子「たまちゃんと指切りしてたんだもん。それでこっちはゆかりちゃんの」

珠代「もういい!やめて!なんで?おかしいよ、桜子どうしちゃったの……?なんで…こんなこと……」

桜子「えーだって、おばあちゃんたちが言ってたんだもん。お願い事する時は捧げ物があるといいって」

珠代「捧げ物……?」

桜子「うん!あのね、桜子ね……たまちゃんと、ずっと1番のお友達でいられますように、ってお願い事したの!」

珠代「そっ、そんなの……わざわざお願いしなくても」

桜子「ん-ん、だめだよぉ。だって……たまちゃん、みんなに優しくって、みんなと仲良しなんだもん。だから、『他の人に邪魔されないように』って付け足したの」

珠代「それで……どうして、そんなもの」

桜子「お願い事にまつわるものを、高ーいお山から放り捨てるといいんだって。それがね、たなばた様への捧げ物になるから、ちゃんとお願い事を聞いてくれるんだって。だから、持ってきたの」

珠代「お、おかしいでしょ……そんなの……どうしちゃったの……?ね、ねぇ、みんなは無事なの?」

桜子「えー……知らなぁい」

珠代「桜子っ……!私は、ちょっとおばかで、天然で……でも、それでも人を傷つけたりしないあんたが好きだよ……?ねぇ、一緒に謝りに行ってあげるから……やめよう、こんな事。おかしいよ……」

桜子「たまちゃん」

珠代「な、によ」

桜子「うふふ、だーいすき」

珠代「は……?」

桜子「よいしょっと……んもー、ゆかりちゃんの頭重いなぁ」

珠代「ゆ、かり……?それ、死んで……」

桜子「たなばた様、はいどーぞ!これ、ぜーんぶあげるからちゃんとお願い事叶えてね!」

珠代「あ……ぁ……」

桜子「たまちゃん」

珠代「ひっ」

桜子「お待たせ!帰ろっかぁ。手、繋ご?」

~完~


第一話~最終話のボイスドラマを投稿しています!
ぜひ、ご覧ください♪

【出演】
桜子:こはる(瑛陽さや香)さん
珠代:オニオン侍

こはるさん版↓



オニオン侍版↓


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題名:こんな老人は嫌だシリーズ②

作者:オニオン侍


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※本作における著作権管理・利用について


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。


また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます。)




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時間:1分弱


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※配役


○不問


名前:老人A/介護士

年齢:70~90代 /いくつでも

概要:お迎えが来た/介護って大変



名前:老人B

年齢:70~90代

概要:いくなああああああああ


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本文




A「ああ……すまんのう、お迎えがきたようじゃ…」

B「まだいくな…わしを置いていく気か…!」

A「そんな顔するんじゃないわ、あほうが…。またすぐに会えるだろうて…」

B「置いていく方は気が楽じゃろう…!わしの身にもなってみろ……」

A「年老いたもんが、わがまま言うてもめんこくないわ…」

B「やかましいわ!」

A「……ゲホッゲホッ」

B「おい!?しっかりせんか!おい!!」

A「やかましい……お前はいつも大げさなんじゃ…」

B「大げさなものか!誰か、誰かこんか!」

A「やめやめ…恥ずかしい。だから言うとるじゃろ…お迎えがきたと」

B「お前はじっとしとれ!まだどこにもいかさんぞ……!」

A「あのなぁ……」

B「わしを置いていくんじゃぁないぞ……」

介「おうちの方お迎えに来られてますからね~。今日も来てくださってありがとうございました」

B「いくなあああああああああああああああああ」

A「勝手にころすな、あほ!……また明日会えるじゃろう」

B「明日は利用日じゃないんじゃ」

A「……帰ろ帰ろ」





~完~

デイサービスは憩いの場☆

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題名:こんな老人は嫌だシリーズ①

作者:オニオン侍


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※本作における著作権管理・利用について


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。


また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます。)




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時間:1分弱


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※配役


○不問


名前:老人

年齢:70~90代

概要:若いころはTRPG(CoC)プレイヤーだった



名前:身内

年齢:30~50代

概要:介護って大変


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本文




身内「おはようございます!!朝ですよ~!(大声)」

老人「んぁー……あー…おはようさん…」

身内「朝ごはんできてますから!!食べに行きましょう!!(大声)」

老人「おぉ、おぉ……んぁ…さん…」

身内「はーい、なんですか??(大声)」

老人「…さん……です」

身内「どうされましたかー??(大声)」

老人「さん…です」

身内「ごめんなさいね、もう1回いいですかー??(大声)」

老人「SAN値チェックです」


~完~

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こんにちは、オニオン侍です!

友人がSNSで【自分の声の力量(振り幅)を確かめてみる!】

いろんな音域でお声を発信しているのを見て

『楽しそう!!』

と思いまして!

音域別の簡単なセリフをいくつかご用意してみました。

ご利用規約を守って、ぜひ楽しんでくださーい!


【ご利用規約】
OK◎
・SNS、YouTubeやニコニコ動画など
動画配信サービス上での個人・非商用利用
(使用に際するご報告、クレジット表記
は必要ありませんがいただけると、とても嬉しいです!)

・度を越えない範囲のアドリブ、改変
(TRPGユーザーの方はぜひ、
探索者風にアレンジして
楽しんでください!)

NG×
・報告なしの商用利用
(必ずご一報ください!ご相談させていただきます)
・自作発言



【お声の振り幅別セリフ集】

◇老人くらいの男声

「ほっほ、たまにはじいと遊んでくれんかの」

「まだまだ私は現役ですぞ」

「ばああさんやああああ!!昼飯はまだかいのおおお!!!」


◇低めの男声

「こんなもんかなあ。どうだろう、たまにはこんな俺も良くないかい?」

「私はねぇおじさんだけれど、こういう時は張り切っちゃうよ」

「いやいや、俺なんてただの枯れたおっさんだから」


◇若めの男声

「これくらい、かな?かっこよくなれてるかな」

「はーっはっはっは!どうだ、たまにはこんな俺もいいだろう!」

「どうも、はじめましてですかね。僕も頑張るので、よろしくお願いします」


◇少年くらいの男声


「こんにちは!可愛いかな?かっこいいかな?どう?どう?」

「へへへ、こんな感じの僕もいいでしょ!」

「えっとえっと…俺の事も、知ってほしい、です」





◆老人くらいの女声

「あらあら、こんにちは。私とお会いするのは初めてかしら?」

「こんなおばあちゃんですけれど、どうぞよろしくお願いしますね」

「おじいさんやああああ!!!お昼はおととい食べたでしょう!!」


◆低めの女声

「どう、かしら?あまりこういうのは慣れないから、照れるわね」

「はじめまして。どうぞよろしくお願いしますね。…まだ、何か?」

「はっはっは!まだまだ鍛えがいがありそうだな!」


◆若めの女声

「こんにちは!お元気ですか?私はとっても元気です!」

「あ…えっと、こんな時って何を話したらいいか…」

「お姉さんといっぱい遊んでくださいね?約束ですよ」


◆少女くらいの女声

「わぁ!なーにこれ!楽しそう!え?なになに!ご挨拶?こんにちはっ!」

「知らない人についていったらだめよって、お母さんに言われました…」

「ぁぅ、はじめまして…は、恥ずかしいから、おしまい!おしまいです!」


こちらもどうぞ♪
色んな年内のご挨拶セリフ集





【Special Thanks】
ご利用いただきありがとうございます!!
あまりにも素敵で嬉しくなっちゃったので、自慢させてください!


・水鳥さん




・あきらさん


・ひまんちゅさん


・ゆずDukeさん

Roverta(ロベルタ)さん

・マカロにーやんさん
↑お名前をポチっとしていただけますと、音声投稿サイトHEARにてお聴きいただけます!

・ぎん姉さん


・春花さん

・てるいさん



皆様本当にありがとうございます!
たくさんのご利用報告お待ちしてます!
そしてここで自慢させてください!






私も挑戦してみました!こちらから、ぜひご覧ください♪↓







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題名:わかつとき

作者:オニオン侍


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※本作における著作権管理・利用について

本作は著作権フリーであり、サークル活動、

無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。

また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、

必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。

(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます。)


※エンディングが分岐します。

男役の方がお好きに決定なさってください。


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時間:10分弱


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※配役


○男性


名前:男

年齢:20代

概要:霊感が強い



○女性


名前:女

年齢:20代

概要:霊感はない


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本文



○アパートの一室にて


男「おはよ」


女「おはよう」


男「…寝れた?」


女「んーん、でも大丈夫だよ」


男「そっか。お腹は空いた?」


女「うーん…大丈夫、かな」


男「…そっか。ごめん、僕は食べてもいいかな?」


女「もちろん!何食べるの?」


男「焼きそばでも作ろうかな」


女「いいねいいね、私も好きだったなー」


男「…あー、テレビでもつけとこっか」


女「あ…ごめんね?つい」


男「いや、僕の方こそ。ごめん」


女「…ふふ、2人して謝ってる」


男「(つられて微笑)…だね」


女「それじゃ一緒にお台所行こっか」


男「…動ける?」


女「このお部屋の中ならどこへだって行けるさ」


男「そっか。じゃあ、行こうか」


女「私も何かお手伝いできたらいいんだけどなぁ」


男「その気持ちだけで充分だよ」


女「ふふ、優しいなあ」


男「そんな事…ないよ。ほら、包丁持つから。そんなにくっついてたら危ないよ」


女「おっ、冗談言うなんてめずらしい!」


男「もう…ほら、からかわない」


女「ふふ、ごめんごめん」



男「(材料を切りながら)…僕は…」


女「なになに?」


男「…冗談のつもりなんて、なかったよ」


女「…えっ、あ…」


男「本気で、そう思ったんだ。…君の言葉を借りるなら『つい』…かな」


女「あ、ご、ごめんね…ありがとう…」


男「…いや、僕も…ごめん」


女「…えっと」


男「ごめん、でもね。2年経った。あれから2年も経ったんだ」


女「…うん」


男「君は変わらないのに、僕だけ変わるんだ。それなのに、僕は進めない。変わっていくのに」


女「ま、待って」


男「君はもう死んだのに、こうしてここに居る。あの日から変わらない姿で、ここに、僕の部屋に」


女「ねえ、落ち着いて」


男「(食い気味に)僕が…僕がいけないんだ。見えてしまうから…未練たらしく縋ってしまうから…」


女「待って、待ってよ」


男「触れられないのに、君がそばにいる…あまりに変わらない姿でそこにいるから…僕は君の死から『つい』目を逸らしてしまう」


女「待ってってば!!」


男「こんなに苦しい思いをするのなら…いっそ…いっその事、見えない方がマシだった!!」


女「…!!本当に、そう思うの?」


男「(大粒の涙をこぼしながら)…は、ぁ…はぁ…ごめん、ごめんね…でも、これは、僕の本心だ…」


女「…また、あなたを苦しませちゃった…ごめんね」


男「いや…力任せに怒鳴って、ごめん」


女「ううん、大丈夫だよ…。ねえ、嫌いになったって事じゃ、ないんだよね?」


男「嫌いになんて…なってない。むしろ、逆なんだ…こんなにも愛しいのに、僕だけが老いていく…それがたまらなく怖いんだ…」


女「……そう…かぁ…。そっか、そっか…ごめん、ごめんね?あなたが、私を見つけてくれたから嬉しくなっちゃって、『つい』…こっちに居座っちゃった…私、死んでるのにね」


男「……ごめん」


女「謝らないでよ。残された方が、悲しいもんね。私の方こそ、ごめんね」


男「……ごめん…」


女「やだな、そんなに、泣かないでよお…」


男「ごめん…」


女「もー…やだな、やだな…消えたくないよ。ずっとこのお部屋で、あなたと居たいよ…。でも、でも…このままじゃきっと、嫌われちゃうから。ちゃんと、おわかれ…しよっか」


男「…おわかれ…」


女「うん。2年前に、きちんとできなかったおわかれ。あなたはこっちで、私はあっちで幸せに暮らすための、大事なご挨拶」


男「……ごめん」


女「もー!謝らないの!これから必要な言葉はありがとうだよ。…あのね。私のこと、ずっと、ずっと愛してくれてありがとう」


男「愛して…」


女「死んじゃったのに、それから2年も大好きな人と暮らせたなんて、私はきっと世界一幸せ者!」


男「うん…僕の方こそ…愛してくれて、ありがとう」


女「…うん」


男「…見えない方が良かったなんて…酷いこと言ってごめん」


女「もー、また謝ってる」


男「そんな酷い男を、最後まで愛し続けてくれて、ありがとう」


女「ふふふ、酷くなんて全くないんだからね」


男「…ふふ、ありがと」


女「…それじゃ、これでおわかれだね」


男「…またね」


女「またね」


男「ありがとう」


女「こちらこそ。ありがとう」


↓エンディング分岐(A~C)



エンドA『わかつとき、歩み進めて』


男「静かに…なった…」


男「ああ……もう、二度と、会えないんだな…」


男「はは…これが、おわかれかぁ…」


男「そっか…そっか…こんなに、こんなにも…苦しいんだ……」


男「(ひとしきり涙を流し一呼吸つき)……君にもらったこの痛みと、きちんと向き合うよ」


男「…ありがとう」




エンドB『わかつとき、永劫に留まりて』


男「…もう、これで…会えなくなるんだな」


男「これでよかったのか…わからないな…」


男「ねえ、君は……ああ…いないんだ、そうだ…」

男「僕が望んだ結果は、こんなにもむなしいものだったのか…?」


男「ああ…だめだ、だめだ、待ってくれ、僕が悪かった…!」


男「…あ、ぁ……待ってくれ…」




エンドC『わかつとき、1つになりて』


男「…僕は、優しくなんてない…」


男「自分の事しか考えていなかった……」


男「死んでしまった、君の方がつらいはずなのに…」


男「ごめん。はじめから、僕がそっちに行けばよかったね」


男「……別れなんて、しなくていいんだ。君といられれば、君と同じ時間を過ごせるなら」


男「すぐ、行くよ」




掛け合い練習用に女役のみ録音しました!
よかったらご利用ください~!↓


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題名:全人類俺の事好き
作者:オニオン侍
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※本作における著作権管理・利用について
本作は著作権フリーであり、サークル活動、無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。
また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。

※アホな世界観をお楽しみください。

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時間:5分弱

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※配役

○男性

名前:俺
年齢:20代
概要:全人類俺の事好きだと思ってる。

名前:友
年齢:20代
概要:俺の友達。


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※本文


俺「突然だが、俺は最近…この世界の真理を知ってしまった」

友「ほう、聞こうか」

俺「全人類…俺の事好きなんだろう?20年近く気がつかなかったが…とうとうお前たちの熱い視線に」

友「お、お前!」

俺「まあ、待て。皆まで言うな、わかっているさ。例に漏れずお前も、俺の事…好きなんだろう」

友「ま、待てって」

俺「落ち着け落ち着け。秘めていた想いを突然バラされてしまうというのは居心地が悪いだろう。その点に関しては本当に悪いと思っている、すまない」

友「お、おう…」

俺「だが、ここまで想われている事に気がついてしまった以上、無視するなんてできない」

友「じゃ、じゃあどうすんだよ」

俺「…ふっ、決まっているだろう。その想いに応えるまでだ。全人類に、皆、等しくな」

友「お、お前ってやつは…」

俺「さあ、受け止めてやる。お前の愛を俺にぶつけておくれ!」

友「…お、お前ってやつは〜!!」

熱い抱擁を交わす。

俺「ああ…だが、このままではお前は他の人類から嫉妬をされてしまうな。すまない、こうなっては全人類を抱擁しに行かねば」

友「…ああ、わかってる。大丈夫さ。お前に受け止めてもらえて、幸せだった。…ありがとな」

俺「幸せ、か…。俺は、お前という友を持てた事誇りに…そして、幸せに思う」

友「…お、お前ってやつはさぁ…!」

涙ぐむ友。

友「気をつけて行って来いよ。お前は、お前の知る以上に全人類に好かれている」

俺「ふっ、覚悟の上さ…」

友「…すぐ、帰って来いよな」

俺「ああ、当然だ。なんせ、ここには俺の事好きな人類が…いや、大好きな人類が待っているんだ。すぐ、帰ってくるさ」

友「だ、だだだだ……大好き、か…いや、ああ、そうだな。俺はお前の事が大好きだ。お前の友達になれて、よかったよ」

俺「…ああ。それじゃ、行ってくる」

友「ああ、気をつけて」

友、俺の後ろ姿を見えなくなるまで見つめ続ける。









【ご紹介】
骸戯ねあ。さんが読んでくださいました!!
嬉しすぎるので、ここで自慢させてください!!(笑)


・骸戯ねあ。さん


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