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題名: 天国地獄の理(ことわり)

#25


作者:オニオン侍

人数:2人(1:1)



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【本作における著作権管理・利用について】


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。


また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます!)


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます!)


(配信などございましたらぜひお教えください!)


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時間:20分

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▼配役


●男性

名前:男

年齢:17〜25

概要:苦労人



●女性

名前:女

年齢:17〜25

概要:苦労させ人


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男(♂):

女(♀):

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本文




女「天国と地獄ってあるじゃん」


男「らしいな」


女「お盆のさ、精霊馬(しょうりょうま)ってあるじゃん」


男「あるな」


女「あれって地獄行きの人も、乗って帰ってきてるの?」


男「知らんがな」


女「いや、なんとなくさ、ナスとかキュウリとかに乗って帰ってきてる人たちのイメージって『善人!』って感じしない?!」


男「……あー……まあ、言われてみれば確かにな」


女「でしょ?!」


男「まあでも、地獄に行こうが人は人、ご先祖はご先祖って感じなんじゃねーの?」


女「えー、じゃあ地獄の獄卒達みーんな暇じゃない?」


男「あっちもお盆休みって事で」


女「かーっ!なるほどね!納得ですわ!」


男「こりゃ1本取られたみたいな顔しやがって」


女「天国と地獄、どっちに行っても会いに来れるんでしょ?安心だね!」


男「まあ……そうだな」


女「いやー、夏が楽しみですな!」


男「ああ……。俺も、楽しみだ」


女「ナスとキュウリの乗り心地どんな感じなんだろー!楽しみー!」


男「そこかよ!」


女「え?!気になるでしょ?!あんなん絶対乗りづらいって!」


男「長年あの形でやってんだから、なんかこう……意外とフィットするとか」


女「見た目よりも案外、機能性が高いって事?えー!そんなの気になりすぎる!」


男「精霊馬達もハードル上げられて気の毒だな」


女「あとさあとさ」


男「ちょっと落ち着け!というか、さっきから俺にあれこれ聞いてるがお前の方がその……詳しくなったんじゃないのかよ」


女「詳しいって?」


男「その、天国とか地獄の事情とか」


女「あー!私が死んだから?」


男「死っ……いや、その、お前なあ……まあ、そうだけどよ」


女「まだねー、三途の川を渡ってないからさ、天国とか地獄の事はさっぱりなんだよね!」


男「なるほど、な?だからまだここにいる、と」


女「そ!死んだばっかりの魂は、まだ死んだ事を自覚できなくて、1週間くらいは普段通りに生活しちゃうんだって!ご先祖様たちが教えてくれた!」


男「ほう、それでお前はさも当たり前のように俺んちに来たわけか」


女「そーそー!うっかりうっかり!」


男「うっかりにも程があるわ!」


女「だってー!毎日一緒にいたんだもん、仕方ないでしょー!」


男「隣にお前の家があんだから、そっちに化けて出ろよ」


女「もちろんそっちも行ったよ!でも、みんな私のこと見えてなくてさ」


男「あー……んで、俺のとこに来てみたと」


女「そう!そしたらおめめバッチリあっちゃった!びっくりしたなー!もー!」


男「……まあ、またお前に会えたのは、嬉しかったけどな」


女「でしょー?!私も見つけてくれて嬉しい!」


男「霊感なんて全くないと思ってたんだけどな」


女「確かに!なんでだろ?!気になるー!」


男「まーた始まったよ」


女「仲良し度が高かったとか?!でもそしたらお母さん達も見えてていいわけだしー」


男「……ふふ」


女「え?!なに?!めずらし!笑ってる!こわ!」


男「うるせえな」


女「やだもー、これが巷で噂のツンデレってやつ?」


男「つつくな!つつけてねーけど、つつくな!なんかちょっとひんやりする!」


女「うそ!?めっちゃお化けじゃん、私!」


男「喜ぶとこか、そこ」


女「新たな発見ほど、心躍ることはないよ!」


男「そーかい」


女「あ!なんかまた微笑んでる!」


男「いいだろ、別に」


女「もちろん!君には笑顔でいてほしいからね!」


男「……そーかよ」


女「そーだよ!だからあっちに行くまで、たくさんおしゃべりしようね」


男「あいよ」

数ヶ月が経過。暑い夏の日。


女「やっほおおおおおお来たよおおおおお!」


男「うおおおお待て待て待て待てえ!」


女「ほんとに準備してくれたんだねえええありがとおおお!」


男「止まれ止まれ止まれ!そのまま突っ込んで来んな!」


女「キュウリのお馬さんも魅力的だったけどおおおお」


男「うおおおついてくんなあああ!」


女「ずっと気になってたんだよねええええ!」


男「自分で作っといてあれだが、スピードおかしいだろ!それえええ!」


女「キュウリで作った、バイク型の精霊馬あああ!!」


男「おわあああ?!」


女「つっこめー!!」


男「ちょ、ま、死ぬ……!」


女「……ふうーー。いえええい!!とうちゃーーく!!」


男「……すりぬけ、た?」


女「あはは!ただいま!」


男「お前なあ……」


女「ふふふ、ありがとうね!」


男「はあ……どーいたしまして」


女「さっそくご報告!おかげさまで、無事に天国に行けました!」


男「ほー、そりゃめでたいな」


女「でねでね、色々面白いものいっぱいでさー!」


男「ほー、あっちでも楽しくやってそうで、何よりだ」


女「うん!みんなに会えないのは、寂しいけどね。でもでも、知らないことばっかりで忙しい!」


男「わかったわかった、お盆の間はいくらでも話聞いてやるから」


女「へへへ!ありがとう!あ、でもねー……」


男「ど、どうした。お前が言い淀むなんてことあるのか」


女「あるよ!あのね、色々話したいんだけどさ、天国とかあっちの話はしたらダメなんだってさー」


男「ほー。ちなみに、したらどうなるんだ?」


女「え、わかんない!でももう死んじゃってるし、死ぬ以上の罰とかなくない?」


男「まあ……それもそうか」


女「じゃあ試してみるか!えっとねー」


男「待て待て、怖くないのかよ?!」


女「平気平気!むしろ謎を解き明かせない方が無理!」


男「お前は死んでも変わらないな……」


女「へへー!ま、そういうわけで。じゃあ行くよー!」


男「お、おう」


女「天国と地獄には……」


男「天国と地獄には……?」


女「黄金に輝く……」


男「黄金に輝く……?」


女「巨大な……」


男「巨大な……?」


女「……」


男「ごくり……」


女「…………ますのすし」


男「……」


女「……」


男「……ますのすし?」


女「え、なんて?」


男「こっちのセリフだが?!なんだよ、ますのすしって!」


女「え?!私ますのすし、って言ったんだけど?!」


男「いやいやいや、それはわかってんだよ!ますのすしはしっかりリスニングできてんだわ」


女「なんで急にますのすしって言ってんの?!」


男「いやだからお前が」


女「ま!す!の!す!し!」


男「(吹き出す)くっそ、こんなの、わ、笑わずにいられるかよ」


女「ええええ?!君そんなに大笑いするの?!ますのすし、そんなに面白かった?!」


男「ちょ、ちょっと待て、一旦待て、タンマだタンマ」


女「えー嬉しい!嬉しいな!他のも試そう!えっとね、天国の天使は実は」


男「待て待て待て!」


女「ホタルイカ」


男「(吹き出す)」


女「ええええ?!なんでなんで?!そんなに面白かった?!ホタルイカ!」


男「ふ、ふふふ……くそ、こんなんで……なんだよ、ホタルイカって……」


女「ホタルイカ?!なんでさっきから富山県の名産品ばっかり?!」


男「こっちが聞きてえよ!ふ、ふふふ……急に地元のPRしやがって……ふ、ふふ」


女「へ、へへへ。なんかよくわかんないけど、めっちゃ笑ってくれてる!他にないかなー!」


男「ふ、ふふ……これは、あれか?さっき言ってた罰的なやつなのか?にしても弱すぎんだろ、くくく……」


女「なるほど!じゃあ私がホタルイカって言ってるのが、勝手にホタルイカって変換されてるってこと?!」


男「そーそー、そういうことだ。……ふふっ」


女「えへ、えへへへへぇ」


男「はー、腹いてぇ、涙出てきたわ」


女「いっぱい笑ってくれるねえ」


男「ニマニマすんな」


女「笑うのはいい事だ!うんうん」


男「へーへー、そうでござんすね」


女「よし!じゃあ次は地獄の事も試してみよう!ご先祖様たちから噂程度に聞いたんだけど〜」


男「待て待て待て!一回待て!まじで待て!」


女「えー!盛り上がってきたところじゃあん!」


男「いいから、落ち着けって」


女「はーい」


男「いいか?天国はまあ、穏やかなイメージあるし罰も大した事なかったけどよ、地獄は本当にやばいんじゃないのか?」


女「うーん、そう言われると確かに?」


男「だろ?せっかく天国行きが決まって安泰なんだから、大人しくしとけな」


女「ちぇー!教えてあげたかったなー!」


男「気持ちだけ貰っとくわ、ありがとな」


女「へへ、どういたしまして!おしゃべり、楽しかったね!」


男「まあ、そうだな」


女「いつまでなんだろうなー!こうしておしゃべりできるのって」


男「急になんだよ」


女「えー!だってさ、君以外の人は私のこと見えもしないんだよ。だから、君もいつかは」


男「見つけてやるから、必ず」


女「……絶対?」


男「絶対」


女「明日も?明後日も?来年のお盆の時も?」


男「いつでもすぐに見つけてやるよ」


女「なんでそんな自信満々なのさ!」


男「根拠なんてねえけど、それでも絶対見つけてやるから」


女「ふーん……」


男「不満か?」


女「……ううん、最高!へへへー、約束だよ?」


男「あいよ」


女「絶対、絶対だからね!」


男「わかったわかった」


女「はいゆびきーりげーんまーん」


男「うお?!つめた!!」


女「あはははは!嘘ついたら、はりせんぼんのーます!ゆびきった!」


男「相変わらずひんやりしてんなー」


女「死んでるからね!」


男「死人でこんな明るい奴いるのか?」


女「じゃじゃーん!目の前に!」


男「(吹き出す)いたわ、っくく、ふ、ふふ!」


女「へへーん!……君はずっと笑顔でいてね」


男「っくく、はあー……わり、なんて?」


女「え?!え、えーと、白エビ!」


男「(吹き出す)な、んで、急に……ふふ、天国情報出してきたんだよ、っくくく」


女「えへ、えへへへ」


男「はあーあ、顔まで痛くなってきたわ」


女「ま!す!の!す!し!」


男「くっそ、ふ、ふふふ、……っははは!」


女「えーとね、次はー」


男「もういいもういい、降参だ降参、ふふ」


女「私の勝ち!winner!」


男「はいはい、おめでとさん。はー、一生分笑ったわ」


女「また明日も、笑わしてあげるからね!」


男「あいよー。お前といると、本当楽しいわ」


女「で、デレた……!」


男「お前もそうだろ?」


女「も、もちろん!楽しい!」


男「そんならよかったわ」


女「へへへー」


男「……なあ」


女「んー?」


男「お前も、笑顔でいろよな」


女「え、あ」


男「お前の笑った顔に、俺はずっと救われてきたんだから」


女「そ、それってさっきの聞こえて」


男「あーはいはい、ますのすしますのすしー」


女「ちょっと!」


男「おら、帰りのナスの牛作るぞ」


女「待ってよー!」


〜完〜








▼あとがき
あと寒ブリも美味しいですよ!