
#30
作者:オニオン侍
人数:4人(2:2)
---------------------------------------
【本作における著作権管理・利用について】
本作は著作権フリーであり、サークル活動、
無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。
また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、
必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。
(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます!)
(配信などございましたらぜひお教えください!)
---------------------------------------
時間:20分
---------------------------------------
▼配役
●男性
名前:土倉 夜杜(つちくら ないと)
年齢:20〜29
概要:囚われがち
*
名前:オル・ヤヲーネ
年齢: 50〜
概要: 偉いらしい
●女性
名前:イル・ヤヲーネ
年齢:20〜
概要:もしかしていいとこのお嬢様
*
名前:ネイ
年齢:?
概要:でっけえ白猫
土倉(♂):
イル(♀):
ネイ(♀):
---------------------------------------
本文
*
土倉「なあ、俺はどうしたらいいんだ?」
イル「余計な事は言わない、敵意を見せない、それだけよ」
土倉「要は大人しくしとけばいいんだな」
イル「そ、物分かりいいじゃない。父上は私よりも疑り深いんだから、ぜっっったいに怪しい行動は慎んでよね!」
土倉「別に怪しい事なんて何もしてないっての……」
ネイ「イル!つちくら、文句言ってる!」
土倉「お、おい!こら!告げ口するんじゃない!」
イル「なあに、ネイ。土倉にいじめられたの?よーしよし」
ネイ「うーー、違うけどなでなでうれしー!」
イル「ネイはここでいい子しててね。すぐ戻ってくるから」
ネイ「わかった!つちくら、イルをよろしくね!」
土倉「お、おう。任せとけ」
イル「それじゃ行くわよ。ほら、シャキッとして!」
土倉「いってえ!」
*
オル「イル、話とはなんだね」
イル「はい、父上。『始祖の洞窟』への探索を許可していただきたいのです」
オル「ほお。物見遊山(ものみゆさん)に行くわけでもあるまい」
イル「こちらの男、土倉が『始祖の洞窟』から出てくるのをこの目で見ました」
土倉「ど、ども……」
オル「……イルよ。この場でそのような嘘や冗談を言うたちではないと思っておるが?」
イル「はい。私もくだらない嘘だと。しかし」
オル「つちくら、と申したか」
土倉「うえっ?!え、あ、はい」
オル「その娘、イルはこのアテマト領、領主オル・ヤヲーネの一人娘と知ってたぶらかしたのか?」
土倉「あ、あてまと……?あ、いや、その、たぶらかすも何も、無理やりここに連れてこられたというか」
オル「なんたる愚弄!私を欺くだけでなく、我が娘をまるで横暴な輩かのように語るなど!!」
土倉「欺いてないですし、まるでではなく本当に横暴な娘さんですし……」
イル「なんですって?!」
オル「イル!!『始祖の洞窟』への探索は許可できん!土倉とやらは、こちらで身柄を確保させてもらう」
土倉「え、ええ……」
イル「父上!」
オル「警備兵!ただちにこやつを捕らえろ!」
土倉「い、イル……」
イル「父上!私の話を聞いてください!彼はあの洞窟の」
オル「くどい!!……イル、お前は下がりなさい」
イル「父上……」
土倉「い、いてててそんなに腕曲がらないって!」
イル「……ごめんなさい、土倉」
土倉「大人しくするからいててててて」
イル「わかりました、父上。失礼、しました……」
*
ネイ「イル!おかえりー!ネイ、いい子にしてたよ!」
イル「……はあ」
ネイ「イル、元気ないね。どーしたのー」
イル「ネイ……ごめんね。土倉が、捕まってしまったの……」
ネイ「えええええ!なんで!なんでなんでなんでー?!」
イル「もう少し話を聞いてくれたって……いえ、私も人の事言ってられないわよね」
ネイ「ねえ!なんでなんでなんでー?!」
イル「よしよし……せっかく、仲良くなっていたのに……ごめんね」
ネイ「えー!なんでー!わかんないけど、じゃあさがしてくる!」
イル「ネイ?ちょっと、どこに行くのよ!」
ネイ「イルは待ってて!ネイがつちくら、探してきてあげる!」
*
土倉「はあ……なんなんだよ、あのおっさん……」
ネイ「つちくら!みーっけ!」
土倉「おわぁ?!」
ネイ「どうしてそんな汚いお部屋でかくれんぼしてるの?」
土倉「いや別に好きでいるわけじゃ」
ネイ「イルがしょんぼりしてたよ!早くもどろ!」
土倉「戻るったってなあ……ドアには鍵かかってるし、というかここ1階じゃなさそうだったが?!」
ネイ「ここ?たかーいとこだよ!でもね、ネイはジャンプして届くんだー!」
土倉「ほ、ほーう。そんで、窓枠に爪を引っ掛けてると」
ネイ「そう!ここをバリーン!ってしたらつちくらも出てこられるね!」
土倉「いやいやいやさすがにそれは」
ネイ「せーの!」
土倉「待て待て待て待て!」
イル「土倉!行くわよ!」
土倉「へ?え、あ、ドアが」
ネイ「あ!イル!へへーん、ネイが先につちくらみつけたもんねー!」
イル「ネイ?!なんで外に……」
土倉「なんかジャンプしたら届くとかなんとか」
イル「全く、お転婆なんだから……」
土倉「飼い主にそっくりだな」
イル「このままここに幽閉しておこうかしら?」
土倉「わ、悪かったって!」
ネイ「2人ともはやくはやくー!」
イル「土倉、行くわよ!」
土倉「お、おい、出口はこっちじゃ」
イル「ネイ!」
ネイ「あいあーい!」
イル「土倉!窓から跳ぶわよ!」
土倉「と、跳ぶ?!」
ネイ「くるりん、ぴょーん!」
土倉「お、おお、窓枠から爪を離して壁を蹴りバック宙……ってうおおおおお?!」
イル「手!離しちゃダメだからね!」
土倉「待て待て待て待てまだ心の準備が!」
ネイ「ネイの背中に、ぴょーん!って乗ってね!」
イル「行くわよ!せーの!!」
土倉「ぎゃぁぁぁあ!!」
ネイ「ぴょーん!!」
土倉「こんな妙な死に方嫌だあああ!!」
イル「うるっさいわね!詠唱できないじゃない!」
土倉「もごっ」
イル「"風の精霊様、力無き我らに、慈悲と安らぎを"」
ネイ「ふひゃひゃ、精霊様くすぐったーい!でもこれであんしーん!」
イル「……はあ……」
土倉「ひいいい落ち……て……ない?」
ネイ「ネイの背中に到着〜!ふんわりどすーん!」
土倉「なんだ……この膜みたいな、羽衣みたいな……ちょっと浮いてるみたいな……なんだこれ」
イル「ネイ、このまま『始祖の洞窟』に向かって!精霊様のお力添えがあるうちに!」
ネイ「はーい!いっくよー!」
土倉「うおおおおお?!」
イル「ちょっと!しっかり掴まりなさい!」
ネイ「あはは!つちくら、落ちそう!」
土倉「はあっ……はあっ……また死にかけたぞ……」
イル「本当にこんな奴が……?」
土倉「なんだよ」
イル「何でもないわ。確かめれば、いいだけの話だもの」
ネイ「どんどんいっくよー!!」
土倉「おわぁぁぁあ寒いいいいい!」
〜完〜
▼あとがき
『陰の者、異世界へ行く。』シリーズ第二弾!ぜひ1話からお楽しみください!
#かげもの#異世界シリーズ
