オニオン侍の玉ねぎ亭

TRPGと声劇が大好きなオニオン侍のブログです!

2022年07月


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題名:
これは、今日見た夢の話です

作者:オニオン侍

人数:4人(1:3)


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【本作における著作権管理・利用について】


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。


また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます。)


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます。)


(配信などございましたらぜひお教えください!)


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時間:15分


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【配役】

○男性

名前:男
年齢:不明
概要:苦しんでいる



○女性

名前:私
年齢:20代
概要:最近、夢見が悪い


名前:N
年齢:20代
概要:ナレーション。私の心中のようなもの


名前:母
年齢:50代
概要:優しい女性


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本文




N「夢というものは、時折、現(うつつ)との境目を曖昧にする」


私「あ……ぁ……どうしよう……どうしようどうしよう……だって、急に……それで……私……」


男「は、ぁ……はぁ……せめ、て……君と……一緒に……」


N「血の滴る切先を、男に向け抗うように前へと突き出した」


私「い、いやっ……!!」


男「う"っ……ぐ……ぅ……」


私「来ないで来ないで来ないでったら……!」


男「……はぁ……は、ぁ……君の困った顔が……大好きだ……」


N「まさに無我夢中。刺して、刺して、刺して、そして」


私「はっ……はっ……う、動かなくなった……?」


母「お風呂で溶かすまでは上手く行ったけれど、これ、どうしようかしら」


N「暗がりが突然開ける。そこは、見覚えのある場所。自宅の一室だった」


私「あ、れ……?お母、さん……?」


母「あっごめんね、大丈夫、大丈夫だから。そんな困ったお顔しないで」


私「わ、わたし……」


母「大丈夫、大丈夫よ」


私「ひ、人……刺しちゃって……襲ってきたから、こ、怖くって」


母「大丈夫。お母さんが一緒よ。ほら、お父さんも」


私「お母さん……お父さん……」


母「それにね、ほら。もう、こんなになっちゃったから。何も怖くないでしょう」


私「……そ、れ……何……?赤い、ドロドロしたの……ゴミ袋に入れてるの……何……?」


母「…………問題はね、これをどう処理するかなの」


私「ね、ねえ……お母さん?……お父さん……お父さんってば……!」


母「あなた、何かいい考えはあるかしら?埋める?そうね、やっぱりそうするしかないかしら……」


私「…………お母さん、それ……」


N「ふと、それは聞いてはならないのだとそう思った。そして、不思議なほどに冷静さを取り戻しこう告げた」


私「……ううん、なんでもない。あのね、小分けにしてトイレに流したらいいって聞いた事あるよ」


母「トイレに……そう、わかったわ」


私「私、やるから。それ、かして?」


母「そう……そしたら手袋しなくちゃね。持ってくるわ」


N「瞬きをする。見覚えのある、自室の天井が視界に映る」


私「……あ、れ……?夢…………?」


母「おはよう、どうしたの?お顔真っ青よ」


私「お母さん……?」


母「ええ、あなたのお母さんよ。可愛い私の娘ちゃん、何か怖い夢でも見たのかしら」


私「私…………ううん、なんでもない」


母「そう。朝ごはんできてるから、降りてらっしゃい」


私「うん、ありがと」


回想、男「……はぁ……は、ぁ……君の困った顔が……大好きだ……」


私「ひっ……」


回想、男「……大好きだ……」


私「はっ……はっ……あれは、夢……あれは夢、あれは夢なんだから……」


N「そう自分に言い聞かせ、今日という日を過ごしていく。そしてまた、夜はやって来る」





N「暗闇。気がつけば、必死に狭い路地を走っていた」


男「逃げ惑う姿も可愛いね……はぁ、はぁ……ほら、もっと逃げないと」


私「ひっ……!だ、誰か助けて……」


男「もっと大きな声出さないと……は?なんだ、お前」


N「突如として男の声が途切れた。そして、鈍い悲鳴が上がる」


私「あ……ぁ……お父、さん……?その人、刺しちゃったの……?どうしよう、でも、私……ううん、助けてくれてありがとう」


N「瞬きをする。暗闇から一転し、自宅の風呂場が現れる」


母「消臭してっと……あとは温度設定を変えて……」


私「……あれ…………?おか、あさん……」


母「あら?!びっくりしたわ〜、いつの間に来てたのって…………あらあら、どうしたのそんなに泣いちゃって」


私「私……泣いて…………」


母「大丈夫、大丈夫だから落ち着いて。あら、お父さんまで」


私「あ、お父さん…………」


母「ええ、なぜだか泣いちゃって」


私「私……私…………」


N「言葉を紡ぐ前に、私は意識を手放した」


母「あら、おはよう。……どうしたの、怖い夢でも見たの?」


私「おは……よう…………あれ……私、眠ってた……?」


母「ええ、それはもうぐっすり」


私「そっか……あのね、少し怖い夢を見てたみたい」


N「母の表情が一瞬強張った。そんな気がした」


母「そう……かわいそうに。もう少し、眠る?」


私「……うん、そうしようかな」


母「そう。それじゃ、おやすみなさい」


私「おやすみなさい」


N「同じ夢。人を殺す夢。今日は父親が代わってくれてよかった、など小さな安堵を感じる」


私「……夢、だよね」


回想、男「……はぁ、はぁ……ほら、もっと逃げないと」


私「ひっ……大丈夫、大丈夫……」


N「何度も言い聞かせながら今日も眠りについた。違和感の芽は、小さくも確実に芽生え、育っていく」





N「暗闇。直感的に、また同じ夢だとそう思った」


男「あ"あ"っ……ぐふっ…………」


私「……また……か……」


男「……は、ぁ……はぁ…………クソクソクソ……」


私「あ、お父さん…………また、代わってくれたんだ……ありがと……」


男「かはっ………ふざけんな……君と、一緒じゃなきゃ……」


N「瞬き。そして辺りに異臭と異様なほどの熱気が立ち込める。そこは使い慣れたはずの、自宅の風呂場だった」


母「ふぅー、もうちょっとかしらね」


私「夢……なのに、うう……すごい臭い……」


母「あらあら、お手伝いはいいっていったのに、来てくれたのね」


私「……うん」


N「浴槽に溜まった赤黒い液体をじっと見つめる」


母「無理はしなくていいのよ」


私「ううん、大丈夫。だって」


N「ふと、言葉を詰まらせる。その様子に母の表情が強張ったような気がした」


母「……どうしたの?」


私「ねえ、これ夢だよね?」


母「夢、ね。そうね。夢だといいわね」


N「母は再び黙々と作業を始めた。それからは、何も尋ねる事ができなかった」





N「人だったものを小分けにし、トイレに流す。流す。流す」


母「もう一息ねぇ。交代しなくて大丈夫?」


私「うん。お風呂場は綺麗になった?」


母「バッチリよ!お父さんも手伝ってくれたから」


N「父はついでにシャワーを浴びたようで、髪の先からは雫が滴っていた」


私「……お父さん」


N「私は無意識的に、父を呼び止めていた。それ以降、何の言葉も発さない私を父は不思議そうに眺めている」


私「ううん、何でもない。もう少しだから、頑張るね」


母「じゃあここはお任せして、私達はお夕飯の支度でもしましょうか」


N「人だったものを小分けにし、トイレに流す。流す。流す」





男「捕まえた」


私「い、いやっ……!お父さん……お父さん……!助けて……!」


N「ぎしり、と両腕が痛む。頬には固いアスファルトの感触。辺りは暗い路地裏のようだった」


男「一緒に、死んでくれるよね」


私「離して!離してぇっ……!」


男「ああ、夢みたいだ」


N「これも、夢のはずだった」


男「ずっと一緒に居ようね」


私「あ……ぁ……」


N「馬乗りになった男は、ゆっくりと愛しそうに私の首を絞めていく」


私「おと……さん……おかあ……さん……」


N「大丈夫。これも、夢のはずだから」


男「ああ、夢みたいだ!!」


N「大丈夫。これも、夢のはずだから」


~完~




【あとがき】

タイトルの通り、この台本は『私が今日見た夢の話』を読み物として体裁を整えただけのものです。中身も、意味も、オチもなーーーんにもありません!これはきっと、夢だったはず。


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題名:プレゼント

作者:オニオン侍

人数:2人(1:1)


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【本作における著作権管理・利用について】


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。


また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます。)


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます。)


(配信などございましたらぜひお教えください!)


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時間:5分


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【配役】

○男性

名前:弟
年齢:小学6年生
概要:サンタの秘密を知った

○女性

名前:姉
年齢:高校生
概要:面倒見がいい


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本文

*弟の部屋にて

姉「ちょっとあんた、まだ起きてたの?早く寝ないとサンタ来ないよ」

弟「サンタとかいないし。俺、もう小6だから知ってるし」

姉「何言ってんの。ほしいもの書いて、手紙出してたでしょ」

弟「だって……サンタ、いねえもん」

姉「はぁー?ちょっとあんた、どうしたのよ。姉ちゃんに言ってみ?」

弟「……って、タカシが言ってたもん」

姉「え?なに?タカシ君がなんだって?」

弟「だから!!サンタは……サンタは、パパなんだって、言ってたから!」

姉「……それで?」

弟「お、俺んとこ、パパ死んじゃったから……サンタ、いねえもん」

姉「はぁ……もー……ほんと、この弟はバカなんだから」

弟「ちょ、なんだよ!やめろよ!くっつくなー!」

姉「バカで可愛いんだから、まったく。いい、よく聞きな」

弟「な、んだよ……」

姉「母さんがよくあんたに言ってるでしょ?『うちはうち!よそはよそ!』ってね」

弟「言うけど……それが、なに」

姉「だから、タカシ君とこに来てたサンタは、タカシパパらしいけど?うちは違う」

弟「うちは、違うの……?」

姉「当たり前でしょ。よく考えてみなさい。この世界に何人のいい子がいると思ってんの」

弟「わかんない、けど」

姉「とにかく、たっくさんいるわけ。で、サンタ1人でプレゼント配れると思う?」

弟「う、うーん……大変、だと思う」

姉「でしょ?そこでサンタは考えた。『こりゃ1人じゃ無理じゃわい。いろんな人に手伝ってもらわんとな!』ってね」

弟「サンタ……頭いいじゃん!」

姉「あんたよりは、そりゃもうね。んで、タカシパパはお願いされましたっと」

弟「そ、っか……サンタ、いっぱい仲間いたんだな……」

姉「そ。だから、あんたのとこに来るのは、もしかしたらサンタ本人じゃないかもだけど。でも、ちゃーんと他の仲間が届けてくれるから」

弟「そ、っか……」

姉「あーーでも、夜更かししてる悪い子のとこには来ないんじゃないかなーー?」

弟「あっ、お、俺、寝る!姉ちゃん、おやすみ!」

姉「ふふ、はいはい。おやすみ」

弟「あ……姉ちゃん」

姉「ん、なに?」

弟「えっと……あ、ありがと」

姉「お、お礼言えて偉いじゃん。はい、どういたしまして」

弟「あと……」

姉「なによ?」

弟「ね、姉ちゃん、こーこーせーだけど、いい子だから……プレゼント、もらえるよ、きっと」

姉「……っふ、ふふふ、あっはっは!そう、私いい子だもんね。ふふ、そっか。うん、ありがと。それじゃあね、しっかり寝るんだよ。おやすみ、バカな弟ちゃん」

弟「うん……へへ、おやすみ」

*姉、退室

姉「……私にも、プレゼントかぁ。ふふ。あげてるのは私、なんだけどね。……ねぇ、パパ。しっかり約束守って、あの子と仲良くやってるよ。私、いい子だよ……。だから、私にも……」

~完~

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