題名:シティポップキャンディは眠らない 作者:出崎真純/オニオン侍
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時間:20分~30分
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※配役(男女比:2:2 ※兼役含み)
名前:イヌ 年齢:3歳 概要:「ワタシ」が幼少期に飼っていた雄の柴犬。実際は心優しい青年。
* 名前:マスター(クマ)/ウサギ 年齢:30歳/45歳 概要:優しい中年マスター/街路樹の脇にあるダンボールで暮らす薄汚れた白兎。実際は野生の中年男性。
名前:私/ワタシ 年齢:22歳 概要:都会のスマートな恋愛に憧れているOL。北海道出身の田舎者。 * 名前:ネコ 年齢:23歳 概要:夜の蝶の猫。実際はセクキャバ嬢。とても口が悪い。
※本文
私「だからですね、私は、こう、白馬の王子様みたいにですねぇ」
マスター「ちょっと、呑みすぎだよ」
私「えぇ? 可愛すぎ? うふふ、ふふふふ。 デュフフフフ!」
マスター「怖い怖い」
私「マスターおかわり! シティポップキャンディ!」
マスター「このカクテルってね、ナンパ男が、女の子に呑ませるような強いものなんだよ?」
私「えぇ!? 私のことナンパしたいんですか!?」
マスター「そうじゃなくて」
私「駄目ですよ、マスターは奥さんが居るもの。それに、熊みたいに大きいもの」
マスター「僕、どうして勝手に振られているのだろう」
私「今日くらい酔ったっていいじゃないですか……今日くらい」
マスター「酷い男だったものね……」
私「田舎者だってね、夢くらい見るんですよ。都会の、こう、素敵な夢くらい」
マスター「……この一杯で最後にするんだよ」
私「いただきまぁす! ごっつぁんです!」
マスター「こらこら、一気に飲んだら」
私「あれぇ? マスター、どうして急にグニャグニャしてるの? 都会の流行りってやつ?」
マスター「こりゃあ重症だ……ああ、いらっしゃい。お好きな席に――」
私「大体さ、田舎娘にだって、節操くらいあるのにさ、あの男は」
マスター「ちょっと――ちゃん――そろそ――」
私「え? なぁに、マスター」
マスター「だから――今日はも――」
私「なあに!」
クマ「――だから、そろそろ帰ったらどうだい?」
ワタシ「あら。ワタシそんなに酔ってないよ、クマさん」
クマ「クマじゃないよ」
ワタシ「クマにしか見えないよ。北海道で見たことあるもの。そっくり!」
クマ「この子目が据わってるよ……完全にスイッチ入っちゃった」
イヌ「マスター、ウィスキー、ロックで」
ワタシ「あれ? イヌ?」
イヌ「は、はい?」
クマ「他のお客さんに絡まないの」
ワタシ「イヌじゃない! ちょっと、どうして東京に居るの!」
イヌ「人違いだと思いますが……?」
ワタシ「人違いな訳ないわ! 貴方、柴犬だし、それに、赤い首輪も……」
イヌ「これはネクタイですよ」
ワタシ「あとこの目。見せて、ほら」
イヌ「いや! ち、近いです!」
ワタシ「やっぱり……イヌ!」
イヌ「うわぁ!」
クマ「他のお客さん抱きしめないの!」
ワタシ「イヌ! うりうり! ここか! ここがいいのか!」
イヌ「首! やめてください! 首!」
ワタシ「どうして勝手に死んだりしたの、イヌ。ずっと一緒って約束したじゃない……」
イヌ「……あぁ、いや、その」
クマ「そろそろ、タクシー呼ぼうか」
ワタシ「やだ! この子、目を離すと何処かに行くもの!」
クマ「お客さん、すいません。普段はこんな失礼なことをしない子なんですが」
イヌ「いいんです。何かあったのでしょう? 目が少し、腫れていますし」
クマ「ええ、まあ」
イヌ「この方、送っていきましょうか?」
クマ「いやぁ、そんなことまで」
ワタシ「イヌぅ……」
イヌ「こんな様子ですし……」
クマ「……すいません、いや、ほんと」
ワタシ「ほら、イヌ、おいで」
イヌ「どうしてネクタイの先を摘んでいるのですか」
ワタシ「いつもこうしていたじゃないの」
イヌ「いや、ですから僕は……」
ワタシ「ほら、見てご覧。あんな大きな建物、地元にはなかったでしょう? 新宿センタービルっていうの」
イヌ「えぇ、何度か行ったことがあります」
ワタシ「えぇ! イヌが?」
イヌ「はい」
ワタシ「はっはっは! うっそだぁ!」
イヌ「本当ですよ」
ワタシ「犬じゃん!」
イヌ「犬じゃないです」
ワタシ「それにしても、久しぶりだよね」
イヌ「なんにも聞いていないですね……」
ワタシ「イヌが死んで、十二年くらい経った頃かな。大学を卒業して、すぐ上京したんだ」
イヌ「どうして、わざわざ東京に?」
ワタシ「どうしてって、それは……」
イヌ「えぇ」
ワタシ「……なんか、お洒落じゃん?」
イヌ「田舎者丸出しですね」
ワタシ「うるさい!――あ、電柱だ。ほら、イヌ」
イヌ「なんですか?」
ワタシ「おしっこしておいで」
イヌ「しませんよ!」
ワタシ「え!? 何処かでしてきたの?」
イヌ「いや、それはまあ……」
ワタシ「なに、誰と散歩したの! 浮気?」
イヌ「一人でトイレでしたんですよ!」
ワタシ「と、トイレ! トイレで出来るの!? うちの犬すげぇ!」
イヌ「いや、だから……あー痛い。周りの目線が痛い」
ワタシ「よーしよしよし!」
イヌ「うわっ! 撫でないで下さいよ!」
ワタシ「偉いね、イヌ」
イヌ「……なんてずるい顔してるんですか。言い返せないですよ」
ワタシ「なに?」
イヌ「なんでもないです。それより、イヌってなんですか?」
ワタシ「イヌはイヌでしょ? 私の犬は、イヌって名前じゃないの」
イヌ「ん、ん? んー、ああ、そういう」
ワタシ「あ! ウサギだ!」
イヌ「ウサギ? ちょっと、引っ張らないで! 首が!」
*
ワタシ「チッチッチ。ほら、おいで! チッチッチ」
ウサギ「なんだよお前ら」
イヌ「ちょっと、まずいですって……」
ワタシ「こんな所で何をしているの、ウサギさん。ボロボロじゃない」
ウサギ「ウサギじゃないわ!」
ワタシ「ウサギじゃないの!」
ウサギ「もしかして国の人間か? この公園は俺の家だ! 出て行かんぞ!」
イヌ「ごりごりの野生のオジさんじゃないですか!」
ワタシ「国? ああ、保健所の人なんかじゃないよ、ウサギさん」
ウサギ「だからウサギじゃねぇって」
ワタシ「ほらイヌ! ちゃんと言って、私達は善良な人と犬だって」
イヌ「ネクタイ引っ張らないで下さいよ」
ウサギ「お、俺は何のプレイを見せられているんだ……?」
イヌ「そういうんじゃないです!」
ウサギ「どう転んでもそういうのにしかみえねぇよ」
ワタシ「まだ春先だよ? こんな寒空で寝てたら、風邪引くと思うよ」
ウサギ「仕方ねぇだろ、人を待ってんだ」
ワタシ「飼い主? 可哀想に、誰かに捨てられたのね」
ウサギ「いや、俺はそういうプレイはしねぇ」
イヌ「こっち見ながら言わないで下さいよ!」
ワタシ「うちにおいで、暖かいから」
ウサギ「行きます」
イヌ「こら!」
ウサギ「冗談だよ馬鹿野郎。なんか飯もってねぇか。腹減ってんだよ」
ワタシ「はい、お食べ」
ウサギ「おう、なんだこれ……キャベツの芯じゃねぇか!」
ワタシ「好きでしょう?」
ウサギ「ぐえっ! こんなもん口に突っ込むんじゃ――うめぇ! 極限状態で食べるキャベツの芯うめぇ!」
ワタシ「よかったね」
イヌ「馬鹿だ、馬鹿が二人居る」
ウサギ「もっとくれ!」
ワタシ「ちょっと待ってね」
イヌ「行きますよ! ほら!」
*
ワタシ「はぁ、はぁ……どうしたの、突然走り出して」
イヌ「どうしたじゃないですよ! なに野生のオジさん餌付けしているんですか!」
ワタシ「なに言ってるの、可愛いウサギだったじゃない」
イヌ「もしかして、目がないんですか……?」
ネコ「お兄さぁん、うち寄ってかない?」
イヌ「え? いえ、その、あの」
ワタシ「なになに?」
ネコ「チッ、彼女持ちかよ。話しかけて損した。さっさとどっかいけよ」
ワタシ「ネコだ! ネコが黒いドレス被ってる! 可愛い! ネコ被りだ!」
ネコ「はぁ? 誰がネコ被りだ芋女!」
イヌ「あながち間違いじゃない……」
ネコ「おいヒョロガリ! 聞こえてんぞ! 喧嘩売ってんのかオラ!」
イヌ「申し訳ございませんでした」
ワタシ「ヒョロガリじゃないもの! イヌだもの!」
ネコ「い、犬? てか、あんた、なんでこいつのネクタイを引っ張ってんの?」 ワタシ「だって、犬だし」
ネコ「あ、あぁ、そういう……」
イヌ「こっち見て言わないで下さいよ!」
ワタシ「ネコちゃん、こんな街中でなにをしているの?」
ネコ「なにって、仕事に決まってるでしょ。客引き」
ワタシ「猫カフェかな?」
ネコ「違うし。セクキャバよ、セクキャバ」
ワタシ「セクキャバって?」
イヌ「し、知りませんよ。ええ、本当に」
ネコ「まあ、お触り出来るキャバクラってとこ」
ワタシ「猫達と、にゃんにゃん出来るってこと?」
ネコ「なにおっさんみたいなことを言っているのよ。でもまあ、そうね」
ワタシ「行きます!」
イヌ「行きません!」
ネコ「どっちだよ!」
ワタシ「なあに、イヌ。嫉妬してるの?」
イヌ「してません」
ネコ「……ぷっ。あはは。ほんと、なんなのよあんたら」
ワタシ「笑ってる……凄い可愛い」
ネコ「あんたの主人、目つきが怖いんだけど」
イヌ「すいません」
ネコ「はあ……そろそろ休憩なの。路地に行くけど、あんたら、何か飲む?」
ワタシ「呑む!」
イヌ「はあ……ノンアルコールでお願いします」
*
ネコ「――そう。災難ね、あんた」
イヌ「まあ、ええ。あ、コーヒーご馳走様です」
ワタシ「イヌ、見て! 凄いよ! カバが居る! あ、シマウマも!」
イヌ「遠くに行ったら駄目ですよー!」
ネコ「ここまで仕上がってる酔っ払い、はじめて見たわ。なに呑んだの?」
イヌ「最後の一杯しか見ていないですが、シティポップキャンディでした」
ネコ「うわぁ。ちょっと芋女、何杯いったのよ」
ワタシ「私? えっと、1、2、3、456789――」
ネコ「あーもういいもういい。化物ね」
イヌ「……こういう仕事、長いんですか?」
ネコ「なによ急に」
イヌ「いえ、その。なんとなく」
ネコ「――18からだから、もう5年くらいになるかしら」
イヌ「大変ですね」
ネコ「あんたになにが分かるのよ」
イヌ「あ、すいません……」
ネコ「別に……まあ、でも、正解よ。結構大変な仕事。上下関係は厳しいし、客はろくでもないし、男との出会いもクソ食らえって感じだしね」
イヌ「そうですか……」
ネコ「……はあ。なに、なんなの?」
イヌ「え?」
ネコ「言いたいことがあるなら言いなさいよ。顔に書いてる」
イヌ「あー……えっと、そんなに大変なら、どうして五年も?」
ネコ「美人だから」
イヌ「うわぁ……」
ネコ「はぁ!?」
イヌ「うわぁ!」
ネコ「ちょっと芋女。私、美人?」
ワタシ「とっても可愛い! 連れて帰りたい!」
ネコ「鏡の横に置きたいわね、この子」
イヌ「早く酔いが覚めるといいのですが」
ネコ「――まあ、色々あるのよ。こういう仕事をしている人は、誰だってね。…頼れる身内なんて、居ないしさ」
イヌ「すいません、僕――」
ネコ「いいのいいの。そういうつもりで言ったんじゃないから」
ワタシ「チッチッチッチッ。おいで、チッチッチ」
イヌ「なんていえばいいか分かりませんが……応援しています」
ウサギ「キャベツの芯うめぇ……」
ネコ「あはは、ありがとう」
ワタシ「よしよし」
イヌ「ちょっとなにやってるんですか! うわ、野生のオジさんだ!」
ウサギ「ちげぇよウサギだよ。いや人間だよ馬鹿野郎」
ワタシ「そこでね、ゴミ箱を漁っていたから、つい」
イヌ「つい、じゃないですよ!」
ネコ「……うそ、パパ?」
ウサギ「あ……なんで、お前、ここに……」
ワタシ「え……猫じゃなくて、ウサギの子だったの?」
イヌ「しっ」
ネコ「――へえ、その様子だと、まだ馬鹿みたいにホームレスやってるんだ」
ウサギ「……その、いや」
ネコ「そんな汚ったない格好して、情けなくないの? 臭いんだけど」
ウサギ「お、お前は元気そうだな」
ネコ「うるさい! 何でまだ生きてるんだよ! お前なんか、お前なんかっ――」
ワタシ「やめなさい」
ネコ「っ! くそっ……」
ウサギ「あっ、おい!」
ワタシ「イヌ、追いかけて!」
イヌ「は、はい!」
ウサギ「――ごめんな……」
*
ウサギ「――キャベ芯、うめぇな」
ワタシ「一杯食べて。やっぱり、お家の公園だと落ち着くみたいだね」
ウサギ「おう……」
ワタシ「ネコちゃん、娘だったんだ」
ウサギ「ああ、そうだ」
ワタシ「どうして別々に暮らしているの?」
ウサギ「猫と兎じゃ、合わないだろ」
ワタシ「ああー確かに!」
ウサギ「納得すんな馬鹿野郎。冗談だよ」
ワタシ「……でも、それってとても、寂しい事だと思う」
ウサギ「…人を待ってるんだよ、俺」
ワタシ「さっきも言ってたね。誰を――」
ネコ「――離せって、くそ! いかねぇっつってんだろ!」
イヌ「すいません!」
ネコ「謝るなら離せっつーの!」
ウサギ「お前……」
ネコ「あ……」
ウサギ「……その、あれだ。久しぶ――」
ネコ「いい加減にしろよ!いつまでも死んだママを待ちやがって!」
ワタシ「え……?」
ネコ「ウジウジしてさ!来るわけないじゃん、死んだんだから!もう何年経ったと思ってんの?!もう居ないんだよ、どこにも!あんたの家族は私だけなんだよ!なのに…なんで、死んだ人のこと、ばっかなわけ?!」
ウサギ「…すまん」
ネコ「…はぁ?なに、今更…謝ってんの」
ウサギ「……その、なんだ。とりあえず、座るか?」
ネコ「ダンボールじゃん」
ウサギ「嫌か」
ネコ「……別に」
ワタシ「…行こっか」
イヌ「はい」
*
ワタシ「ウサギさんとネコちゃん、上手くいくかな?」
イヌ「きっと大丈夫ですよ。きっと」
ワタシ「イヌ、見てご覧。夜中なのに、街がこんなに明るいよ」
イヌ「東京ですからね」
ワタシ「人も一杯いるね」
イヌ「新宿ですから」
ワタシ「なんだか、宝石みたいだね」
イヌ「そうですね」
ワタシ「あのね、イヌ」
イヌ「なんですか?」
ワタシ「イヌが死んだ後ね……ワタシ、なんとなく、待ってたんだ。ウサギさんみたいに」
イヌ「そうなんですか?」
ワタシ「多分、受け入れられなかったんだと思う。だって、まだ三歳だったんだよ、君。早すぎるよ」
イヌ「そうですね……」
ワタシ「覚えてる? ワタシが子供の頃、野良犬に襲われた時さ、君、家から走って助けに来てくれたんだよ。まあでも結局、私が木の棒で追い払ったんだよね」
イヌ「ふふ、なんですかそれ」
ワタシ「あはは、笑っちゃうよね。――でもね、あの時の君、かっこよかったなぁ。白馬の王子様って、こういう感じなんだろうなって、そう思ったんだ。――いてて!」
イヌ「大丈夫ですか?」
ワタシ「頭痛い……なにこれ」
イヌ「呑み過ぎですよ、やっと気づきましたか。顔の赤みも随分引きましたね」
ワタシ「はぁ……二日酔い確定だなぁ」
イヌ「明日はお休みですか?」
ワタシ「うん、お休み」
イヌ「なら、ゆっくり休むといいですよ」
ワタシ「そうだねぇ……ねえ、イヌ」
イヌ「なんですか?」
ワタシ「君、死んだんだよね、やっぱり」
イヌ「……そうですよ、死にました」
ワタシ「そっか……そうだよね。あはは、うん、知ってた」
イヌ「なんですか、急に」
ワタシ「多分、もうすぐお別れなんだね」
イヌ「……ええ」
ワタシ「今日は、会いにきてくれてありがとう。変な男に振り回されてさ、ちょっと疲れてたんだ。もうやだなーって。だから、助けにきてくれたんだよね? あの時みたいに」
イヌ「元気になりましたか?」
ワタシ「うんっ。もう、超元気。さっさと忘れて、また新しい恋でも探すさ!」
イヌ「……僕、君の事、忘れませんから」
ワタシ「ありがとう。ワタシも、イヌの事、忘れ、な――」
イヌ「あれ、ちょっと! しっかりして下さい!」
ワタシ「ねむ、い――」
イヌ『ばいばい』
私「うん、ばいばい――」
*
私「……あ」
マスター「おはよう」
私「ぎゃあああああ!」
マスター「わぁあああああ!」
私「な、なんですか! どこですかここは!」
マスター「し、心臓に悪い……。ここは店のバックヤードだよ」
私「えっと、私……」
マスター「昨日こと、覚えていないのかい? 他のお客さんを引っ張ってお店を飛び出して、その後、担がれて帰ってきたんだよ」
私「誰ですか、その野蛮な女は」
マスター「君だよ……。あのお客さん、凄く良い人でね。女の子を連れ帰る訳にも行かないからって、わざわざここに相談しにきてくれたんだ。で、とりあえず店のソファにって流れで」
私「す、すいませんでした!」
マスター「いいのいいの。あんなに呑むなんて、よっぽど堪えていたんだろうね」
私「いやぁ、ははは……」
マスター「お水飲む?」
私「い、頂きます……」
マスター「ああ、そうだ。お昼に様子を見に来るって言っていたから、あとでご挨拶しないとね」
私「分かりました……」
マスター「……良い男だよ、彼」
私「へ、へぇ」
マスター「イケメンだよ、イケメン」 私「ほー……!」
マスター「帰り際、君、彼の背中に吐いたらしいよ」
私「うわぁ……もう駄目だ、おしまいだ! 現実逃避したい……」
マスター「ははは、しっかり感謝しないとね」
私「……あの、マスター」
マスター「なんだい?」
私「迎え酒って、知っていますか?」
~完~
◎ご紹介
▼金沢学院大学演劇部の皆様が演じてくださいました!とっても嬉しいです、ありがとうございます~!
↓こちらからご覧いただけます!
▼ボイスドラマサークル烙印物語projectの皆様が演じてくださいました!本当にありがとうございます~!!嬉しい!!
↓いただいた画録をYouTubeの方に投稿させていただきましたので、ぜひこちらからご覧ください!
▼雨ヤドリの皆様がYouTubeにて演じてくださいました!ありがとうございます〜!私もリアタイ視聴させていただきまして、とても感動しました!
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