オニオン侍の玉ねぎ亭

TRPGと声劇が大好きなオニオン侍のブログです!

カテゴリ:声劇台本 > 2人用

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題名:患いし我らの


作者:オニオン侍


人数:2人(1:1)


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【本作における著作権管理・利用について】


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。


また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます!)


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます!)


(配信などございましたらぜひお教えください!)


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時間:10分


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【配役】


○男性


名前:夫

年齢:35

概要:漆黒の鎧を纏いし者になりたい




○女性



名前:妻

年齢:35

概要:鉄壁の守護者になりたくない



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(♂):夫

(♀):妻


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本文




夫「あのさ……そろそろエターナルフォースが欲しいなーなんて」


妻「……はあ?」


夫「いやほら俺もさ、今年で35になるし漆黒の鎧を纏いし者になりたいなーって」


妻「……はあ??」


夫「な、なんだよ。そんな変な事言ってるか?」


妻「変な事の方が100倍いいわよ!あなた、私とツヴァイソルジャーになる時言ってたわよね。俺は君とずっと2人がいいな〜って」


夫「あ、あの時は若かったんだよ!」


妻「はあ??それで何、私に鉄壁の守護者になれって言うわけ?」


夫「そうだけどさ……」


妻「簡単に言ってくれるよねえ。この歳でなるのどれだけリスクが高いと思ってんの?」


夫「リスクってそんな、35なんてまだまだだろー」


妻「はあ……本気で言ってる?外でもそんな事言ってないでしょうね」


夫「いっ……てないよ」


妻「お願いだから2度と言わないで、恥ずかしい」


夫「わかった、わかったから」


妻「それで?なんで急にエターナルフォースが欲しくなったわけ?」


夫「俺の所属してるサンライズドラグーンで、最近纏いし者になった先輩がいてさ、よく話を聞くんだよ」


妻「ああ、言ってたわね」


夫「最初は全然興味なかったし、エターナルフォースの話ばっかでうぜーくらいに思ってたんだけど、なんかすげえ幸せそうに話すからさ……」


妻「なんか羨ましくなっちゃった?」


夫「うーん、どちらかっていうと、もしかしたら俺たちももっと幸せになれるのかなぁって考えたんだよね」


妻「なるほどね。それで、私に頑張れと」


夫「ご、ごめん。俺、ちゃんと調べるから!君の事も今まで以上に大事にする!」


妻「……そういう純粋でアホな所嫌いじゃないから一緒にいるわけだけど、正直漆黒の鎧を纏いし者になれるかどうか心配なのよね」


夫「うっ……俺、頑張るよ!ほ、ほら、最近よく聞くインフェルノメイズって呼ばれるくらいに」


妻「インフェルノメイズゥ?」


夫「ひっ、俺……また何か言っちゃった?」


妻「なーにがインフェルノメイズよ。漆黒の鎧を纏いし者だけエターナルフォースのラグナロクをちょーっとリプレイスするだけでインメイなんですね、素敵!とか持て囃されて」


夫「ご、ごごごめん!ごめんなさい!もう2度とインフェルノメイズって言わないから!」


妻「だいたい私が鉄壁の守護者になったら、私はミラージュフラグメントをやめないといけないじゃない!」


夫「えっ……嬉しくないの?」


妻「あのね、私がどれだけ頑張ってこのギルドに入ったと思ってるの?それに私が毎日楽しそうにしてるの見てるよね?」


夫「でも守護者ってエターナルフォースと離れない方がいいって……」


妻「纏いし者は?」


俺「えっ、そりゃあ頑張って働いて、お金稼がなきゃ!」


妻「活動領域展開は?どれだけとるの?」


夫「あはは、纏いし者はとらないでしょ〜!」


妻「……はあ」


夫「えっえっ、俺また何かやっちゃった?!」


妻「俺、調べるからって言ったわよね」


夫「言ったよ!」


妻「何年かかるかしらね」


夫「あはは、やだなあ。そんなにかからないよ!」


妻「はあ……アホだとは思ってたけど……ここまでとはね」


夫「えっ、何か言った?」


妻「1週間調べてみて。それでも気持ちが変わらないのなら話し合いましょう」


夫「わかった!俺、早速調べてくる!」


妻「はあ……純粋で素直でアホね、ほんと」


〜完〜





●あとがき

友人に捧ぐ!

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題名:プレゼント

作者:オニオン侍

人数:2人(1:1)


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【本作における著作権管理・利用について】


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。


また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


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(配信などございましたらぜひお教えください!)


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時間:5分


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【配役】

○男性

名前:弟
年齢:小学6年生
概要:サンタの秘密を知った

○女性

名前:姉
年齢:高校生
概要:面倒見がいい


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本文

*弟の部屋にて

姉「ちょっとあんた、まだ起きてたの?早く寝ないとサンタ来ないよ」

弟「サンタとかいないし。俺、もう小6だから知ってるし」

姉「何言ってんの。ほしいもの書いて、手紙出してたでしょ」

弟「だって……サンタ、いねえもん」

姉「はぁー?ちょっとあんた、どうしたのよ。姉ちゃんに言ってみ?」

弟「……って、タカシが言ってたもん」

姉「え?なに?タカシ君がなんだって?」

弟「だから!!サンタは……サンタは、パパなんだって、言ってたから!」

姉「……それで?」

弟「お、俺んとこ、パパ死んじゃったから……サンタ、いねえもん」

姉「はぁ……もー……ほんと、この弟はバカなんだから」

弟「ちょ、なんだよ!やめろよ!くっつくなー!」

姉「バカで可愛いんだから、まったく。いい、よく聞きな」

弟「な、んだよ……」

姉「母さんがよくあんたに言ってるでしょ?『うちはうち!よそはよそ!』ってね」

弟「言うけど……それが、なに」

姉「だから、タカシ君とこに来てたサンタは、タカシパパらしいけど?うちは違う」

弟「うちは、違うの……?」

姉「当たり前でしょ。よく考えてみなさい。この世界に何人のいい子がいると思ってんの」

弟「わかんない、けど」

姉「とにかく、たっくさんいるわけ。で、サンタ1人でプレゼント配れると思う?」

弟「う、うーん……大変、だと思う」

姉「でしょ?そこでサンタは考えた。『こりゃ1人じゃ無理じゃわい。いろんな人に手伝ってもらわんとな!』ってね」

弟「サンタ……頭いいじゃん!」

姉「あんたよりは、そりゃもうね。んで、タカシパパはお願いされましたっと」

弟「そ、っか……サンタ、いっぱい仲間いたんだな……」

姉「そ。だから、あんたのとこに来るのは、もしかしたらサンタ本人じゃないかもだけど。でも、ちゃーんと他の仲間が届けてくれるから」

弟「そ、っか……」

姉「あーーでも、夜更かししてる悪い子のとこには来ないんじゃないかなーー?」

弟「あっ、お、俺、寝る!姉ちゃん、おやすみ!」

姉「ふふ、はいはい。おやすみ」

弟「あ……姉ちゃん」

姉「ん、なに?」

弟「えっと……あ、ありがと」

姉「お、お礼言えて偉いじゃん。はい、どういたしまして」

弟「あと……」

姉「なによ?」

弟「ね、姉ちゃん、こーこーせーだけど、いい子だから……プレゼント、もらえるよ、きっと」

姉「……っふ、ふふふ、あっはっは!そう、私いい子だもんね。ふふ、そっか。うん、ありがと。それじゃあね、しっかり寝るんだよ。おやすみ、バカな弟ちゃん」

弟「うん……へへ、おやすみ」

*姉、退室

姉「……私にも、プレゼントかぁ。ふふ。あげてるのは私、なんだけどね。……ねぇ、パパ。しっかり約束守って、あの子と仲良くやってるよ。私、いい子だよ……。だから、私にも……」

~完~


④OPサムネ378_20210713162426

第一話~第三話↓こはるさん作


最終話↓こはるさん作


ぜひ第一話から、お楽しみください♪
こはるさん版の最終話との違いも
楽しんでいただければ幸いです!


題名:願い事 最終話

作者:オニオン侍


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※本作における著作権管理・利用について


本作は著作権フリーであり、サークル活動、


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また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、


必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。


(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます。)




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時間:10分弱


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※配役


○不問


名前:桜子(さくらこ)
性別:♀

年齢:中学生

概要:たなばた様にお願い事しなくちゃ



名前:珠代(たまよ)
性別:♀

年齢:中学生

概要:何をお願いする気なのか気になる


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本文




桜子「はぁー、やっと着いたぁ」

珠代「結構かかったけど、その分達成感あるね」

桜子「うん、そうだね!お空もこーんなに綺麗だし、頑張ってよかったよぉ」

珠代「ほんとよく頑張ったよ、そーんな大きな荷物背負ってさ。よーしよしよし」

桜子「へへへー」

珠代「それで肝心の願い事ってなんなのー?」

桜子「もー、たまちゃんはせっかちさんなんだから!まずは、短冊を高ーいところにっと」

珠代「あ、ちょっと、1人じゃ危ないでしょ」

桜子「へへへ、たまちゃんはやっぱり優しいね」

珠代「何言ってんの、当たり前でしょ。ほら、よそ見してないでくくりつけちゃいな」

桜子「はーい。ふんふんふーん」

珠代「はぁ……まったくもう、人の気も知らないで」

桜子「でーきた!たまちゃん、ありがとう」

珠代「いーえー、どういたしまして。これでやっと教えてもらえるね、願い事」

桜子「えへへ、じゃあ教えてあげるね。あっち、いこ?」

珠代「あっち?あー、見晴らしのいいところあるもんね。いこっか」


桜子「わあぁ、お星様きれいだねー!」

珠代「ほんとほんと。これなら彦星様と織姫様も無事に会えたんじゃない?」

桜子「きっとそうだよー!よかったよかった~」

珠代「桜子の願い事もばっちり天に届く事でしょう、って……え、なに、それ?」

桜子「これ?えっとね、あゆみちゃんの髪の毛!」

珠代「あゆみ……は?え、なんで……」

桜子「たまちゃんが綺麗って撫でてたんだもん。でも暴れるから頭皮ごと持ってきちゃった。えっとね、こっちはきょうこちゃんの指!」

珠代「ひっ……?!ゆ、指……さ、桜子……?」

桜子「たまちゃんと指切りしてたんだもん。それでこっちはゆかりちゃんの」

珠代「もういい!やめて!なんで?おかしいよ、桜子どうしちゃったの……?なんで…こんなこと……」

桜子「えーだって、おばあちゃんたちが言ってたんだもん。お願い事する時は捧げ物があるといいって」

珠代「捧げ物……?」

桜子「うん!あのね、桜子ね……たまちゃんと、ずっと1番のお友達でいられますように、ってお願い事したの!」

珠代「そっ、そんなの……わざわざお願いしなくても」

桜子「ん-ん、だめだよぉ。だって……たまちゃん、みんなに優しくって、みんなと仲良しなんだもん。だから、『他の人に邪魔されないように』って付け足したの」

珠代「それで……どうして、そんなもの」

桜子「お願い事にまつわるものを、高ーいお山から放り捨てるといいんだって。それがね、たなばた様への捧げ物になるから、ちゃんとお願い事を聞いてくれるんだって。だから、持ってきたの」

珠代「お、おかしいでしょ……そんなの……どうしちゃったの……?ね、ねぇ、みんなは無事なの?」

桜子「えー……知らなぁい」

珠代「桜子っ……!私は、ちょっとおばかで、天然で……でも、それでも人を傷つけたりしないあんたが好きだよ……?ねぇ、一緒に謝りに行ってあげるから……やめよう、こんな事。おかしいよ……」

桜子「たまちゃん」

珠代「な、によ」

桜子「うふふ、だーいすき」

珠代「は……?」

桜子「よいしょっと……んもー、ゆかりちゃんの頭重いなぁ」

珠代「ゆ、かり……?それ、死んで……」

桜子「たなばた様、はいどーぞ!これ、ぜーんぶあげるからちゃんとお願い事叶えてね!」

珠代「あ……ぁ……」

桜子「たまちゃん」

珠代「ひっ」

桜子「お待たせ!帰ろっかぁ。手、繋ご?」

~完~


第一話~最終話のボイスドラマを投稿しています!
ぜひ、ご覧ください♪

【出演】
桜子:こはる(瑛陽さや香)さん
珠代:オニオン侍

こはるさん版↓



オニオン侍版↓


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題名:わかつとき

作者:オニオン侍


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※本作における著作権管理・利用について

本作は著作権フリーであり、サークル活動、

無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。

また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、

必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。

(ご報告はいただけるとめちゃくちゃ喜びます。)


※エンディングが分岐します。

男役の方がお好きに決定なさってください。


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時間:10分弱


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※配役


○男性


名前:男

年齢:20代

概要:霊感が強い



○女性


名前:女

年齢:20代

概要:霊感はない


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本文



○アパートの一室にて


男「おはよ」


女「おはよう」


男「…寝れた?」


女「んーん、でも大丈夫だよ」


男「そっか。お腹は空いた?」


女「うーん…大丈夫、かな」


男「…そっか。ごめん、僕は食べてもいいかな?」


女「もちろん!何食べるの?」


男「焼きそばでも作ろうかな」


女「いいねいいね、私も好きだったなー」


男「…あー、テレビでもつけとこっか」


女「あ…ごめんね?つい」


男「いや、僕の方こそ。ごめん」


女「…ふふ、2人して謝ってる」


男「(つられて微笑)…だね」


女「それじゃ一緒にお台所行こっか」


男「…動ける?」


女「このお部屋の中ならどこへだって行けるさ」


男「そっか。じゃあ、行こうか」


女「私も何かお手伝いできたらいいんだけどなぁ」


男「その気持ちだけで充分だよ」


女「ふふ、優しいなあ」


男「そんな事…ないよ。ほら、包丁持つから。そんなにくっついてたら危ないよ」


女「おっ、冗談言うなんてめずらしい!」


男「もう…ほら、からかわない」


女「ふふ、ごめんごめん」



男「(材料を切りながら)…僕は…」


女「なになに?」


男「…冗談のつもりなんて、なかったよ」


女「…えっ、あ…」


男「本気で、そう思ったんだ。…君の言葉を借りるなら『つい』…かな」


女「あ、ご、ごめんね…ありがとう…」


男「…いや、僕も…ごめん」


女「…えっと」


男「ごめん、でもね。2年経った。あれから2年も経ったんだ」


女「…うん」


男「君は変わらないのに、僕だけ変わるんだ。それなのに、僕は進めない。変わっていくのに」


女「ま、待って」


男「君はもう死んだのに、こうしてここに居る。あの日から変わらない姿で、ここに、僕の部屋に」


女「ねえ、落ち着いて」


男「(食い気味に)僕が…僕がいけないんだ。見えてしまうから…未練たらしく縋ってしまうから…」


女「待って、待ってよ」


男「触れられないのに、君がそばにいる…あまりに変わらない姿でそこにいるから…僕は君の死から『つい』目を逸らしてしまう」


女「待ってってば!!」


男「こんなに苦しい思いをするのなら…いっそ…いっその事、見えない方がマシだった!!」


女「…!!本当に、そう思うの?」


男「(大粒の涙をこぼしながら)…は、ぁ…はぁ…ごめん、ごめんね…でも、これは、僕の本心だ…」


女「…また、あなたを苦しませちゃった…ごめんね」


男「いや…力任せに怒鳴って、ごめん」


女「ううん、大丈夫だよ…。ねえ、嫌いになったって事じゃ、ないんだよね?」


男「嫌いになんて…なってない。むしろ、逆なんだ…こんなにも愛しいのに、僕だけが老いていく…それがたまらなく怖いんだ…」


女「……そう…かぁ…。そっか、そっか…ごめん、ごめんね?あなたが、私を見つけてくれたから嬉しくなっちゃって、『つい』…こっちに居座っちゃった…私、死んでるのにね」


男「……ごめん」


女「謝らないでよ。残された方が、悲しいもんね。私の方こそ、ごめんね」


男「……ごめん…」


女「やだな、そんなに、泣かないでよお…」


男「ごめん…」


女「もー…やだな、やだな…消えたくないよ。ずっとこのお部屋で、あなたと居たいよ…。でも、でも…このままじゃきっと、嫌われちゃうから。ちゃんと、おわかれ…しよっか」


男「…おわかれ…」


女「うん。2年前に、きちんとできなかったおわかれ。あなたはこっちで、私はあっちで幸せに暮らすための、大事なご挨拶」


男「……ごめん」


女「もー!謝らないの!これから必要な言葉はありがとうだよ。…あのね。私のこと、ずっと、ずっと愛してくれてありがとう」


男「愛して…」


女「死んじゃったのに、それから2年も大好きな人と暮らせたなんて、私はきっと世界一幸せ者!」


男「うん…僕の方こそ…愛してくれて、ありがとう」


女「…うん」


男「…見えない方が良かったなんて…酷いこと言ってごめん」


女「もー、また謝ってる」


男「そんな酷い男を、最後まで愛し続けてくれて、ありがとう」


女「ふふふ、酷くなんて全くないんだからね」


男「…ふふ、ありがと」


女「…それじゃ、これでおわかれだね」


男「…またね」


女「またね」


男「ありがとう」


女「こちらこそ。ありがとう」


↓エンディング分岐(A~C)



エンドA『わかつとき、歩み進めて』


男「静かに…なった…」


男「ああ……もう、二度と、会えないんだな…」


男「はは…これが、おわかれかぁ…」


男「そっか…そっか…こんなに、こんなにも…苦しいんだ……」


男「(ひとしきり涙を流し一呼吸つき)……君にもらったこの痛みと、きちんと向き合うよ」


男「…ありがとう」




エンドB『わかつとき、永劫に留まりて』


男「…もう、これで…会えなくなるんだな」


男「これでよかったのか…わからないな…」


男「ねえ、君は……ああ…いないんだ、そうだ…」

男「僕が望んだ結果は、こんなにもむなしいものだったのか…?」


男「ああ…だめだ、だめだ、待ってくれ、僕が悪かった…!」


男「…あ、ぁ……待ってくれ…」




エンドC『わかつとき、1つになりて』


男「…僕は、優しくなんてない…」


男「自分の事しか考えていなかった……」


男「死んでしまった、君の方がつらいはずなのに…」


男「ごめん。はじめから、僕がそっちに行けばよかったね」


男「……別れなんて、しなくていいんだ。君といられれば、君と同じ時間を過ごせるなら」


男「すぐ、行くよ」




掛け合い練習用に女役のみ録音しました!
よかったらご利用ください~!↓


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題名:全人類俺の事好き
作者:オニオン侍
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※本作における著作権管理・利用について
本作は著作権フリーであり、サークル活動、無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。
また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。

※アホな世界観をお楽しみください。

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時間:5分弱

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※配役

○男性

名前:俺
年齢:20代
概要:全人類俺の事好きだと思ってる。

名前:友
年齢:20代
概要:俺の友達。


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※本文


俺「突然だが、俺は最近…この世界の真理を知ってしまった」

友「ほう、聞こうか」

俺「全人類…俺の事好きなんだろう?20年近く気がつかなかったが…とうとうお前たちの熱い視線に」

友「お、お前!」

俺「まあ、待て。皆まで言うな、わかっているさ。例に漏れずお前も、俺の事…好きなんだろう」

友「ま、待てって」

俺「落ち着け落ち着け。秘めていた想いを突然バラされてしまうというのは居心地が悪いだろう。その点に関しては本当に悪いと思っている、すまない」

友「お、おう…」

俺「だが、ここまで想われている事に気がついてしまった以上、無視するなんてできない」

友「じゃ、じゃあどうすんだよ」

俺「…ふっ、決まっているだろう。その想いに応えるまでだ。全人類に、皆、等しくな」

友「お、お前ってやつは…」

俺「さあ、受け止めてやる。お前の愛を俺にぶつけておくれ!」

友「…お、お前ってやつは〜!!」

熱い抱擁を交わす。

俺「ああ…だが、このままではお前は他の人類から嫉妬をされてしまうな。すまない、こうなっては全人類を抱擁しに行かねば」

友「…ああ、わかってる。大丈夫さ。お前に受け止めてもらえて、幸せだった。…ありがとな」

俺「幸せ、か…。俺は、お前という友を持てた事誇りに…そして、幸せに思う」

友「…お、お前ってやつはさぁ…!」

涙ぐむ友。

友「気をつけて行って来いよ。お前は、お前の知る以上に全人類に好かれている」

俺「ふっ、覚悟の上さ…」

友「…すぐ、帰って来いよな」

俺「ああ、当然だ。なんせ、ここには俺の事好きな人類が…いや、大好きな人類が待っているんだ。すぐ、帰ってくるさ」

友「だ、だだだだ……大好き、か…いや、ああ、そうだな。俺はお前の事が大好きだ。お前の友達になれて、よかったよ」

俺「…ああ。それじゃ、行ってくる」

友「ああ、気をつけて」

友、俺の後ろ姿を見えなくなるまで見つめ続ける。









【ご紹介】
骸戯ねあ。さんが読んでくださいました!!
嬉しすぎるので、ここで自慢させてください!!(笑)


・骸戯ねあ。さん


もう1人いる
題名:もう1人、居る

作者:オニオン侍

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※本作における著作権管理・利用について

本作は著作権フリーであり、サークル活動、無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。

また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。

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時間:5分弱

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※配役(性別転換ok!)


私:最近、記憶が飛びがち。

ワタシ:最近、生まれました。

私とワタシは同一人物。

1人2役でも、2人で演じても構いません。

Mは胸中での発言と捉えてください。

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本文


私M(最近、一部の記憶が欠けている。知らないうちに高いお酒を買っていたり、期間限定のお菓子の空き箱が捨てられていたり…。疲れているからかな、なんて思っていた。けれど、今朝は違った…)

私「嘘…嘘、嘘うそうそうそうそ…」

私M(信じられなかった。私が…いや、そんなまさか。こんな事、するわけがなかった)

私「わ、わた…私…私が、これを…?」

私M(目の前に広がる赤の残骸。満たされた腹。調理した形跡。じわりじわりと、現実という二文字が私の脳内を侵食していった)

私「い、いや……私、絶対に、こんな…私は食べてない違う違う違うちがうちがう…!」

私M(口ではそう言いつつも、私はもう…口の中に残った「それ」の味を受け入れ…もう一度と、願ってしまった…)

私「私じゃない私じゃない、私…じゃ…」

私M(心を守るため…私は壊れる前に現実から逃げ出した。意識が途切れる)


ワタシ「んーっ…よく寝たぁ。うわ、もう昼かぁ」

ワタシM(ワタシは最近生まれた。なぜ、どうやって生まれたのかはどうだっていい。ただ、ワタシを突き動かすのは「食べたい」という衝動だけ)

ワタシ「確かここに〜…あったあった。ちょっと高めのカップラーメン!」

ワタシM(私は自分に素直じゃないから、すぐに我慢しちゃうから。代わりにワタシがやってあげるんだ。「やりたいこと」をぜーんぶ)

ワタシ「お湯を注いで3分っと…」

ワタシM(些細なことでも、悪いことでも、なんでも)

ワタシ「いっただっきまーす!」

ワタシM(そうじゃないと、心の均衡が保てないから。私はワタシ。あなたのために、今日もワタシは)

ワタシ「ご飯もどーん!」

ワタシM(私がやりたいこと、ぜーんぶ、やってあげる)

ワタシ「はー、美味しかった。ごちそーさま!…でも、やっぱり…朝ごはんのアレには勝てないなー」

ワタシM(ワタシは今朝の、美しい赤いあの光景を思い出して、ふと意識を手放した)


私「…また…記憶が…今何時…?うわ、もうこんな時間…夕飯何にしようかな」

私M(最近、お腹が空いて仕方がない。そして、なぜか今朝の光景が脳裏を過ぎる)

私「…いやいやいや、私は違う、私は」

私M(頭をブンブンと振る事しかできなかった。もう、理解してしまっていたから)

私「な…に、これ。メモ…私の字…?」

私M(冷蔵庫にメモが貼ってあった。間違いなく私の字で。「欲望に忠実にいこ?」と。咄嗟に赤い光景が目に浮かぶ)

私「ひっ…ち、ちがう…違うの!私は」


ワタシ「あらー、握り潰して」

ワタシM(ワタシからのメッセージは、届かなかった。いくらワタシが頑張っても、私が変わらないと終わらないのに)

ワタシ「こんなに美味しいのに。どうしたら素直になってくれるかなあ」

ワタシM(私とワタシは、分かり合えるはずなのに。あの過去が…あの視線が邪魔しているのだろうけれど)

ワタシ「あ、そうだ。こうしちゃお」

ワタシM(ワタシは自信作のそれを頬張った瞬間、意識を手放す事にした。さあ、私。いーっぱい味わって?我儘の味を、思う存分…)


私「ん…ん、んっ?んんん…」

私M(抗えなかった。驚きよりも、口内に広がるその甘美な味、鼻腔をくすぐる香りが私の脳内を支配してしまった)

私「あ…あ…こ、これ…私、今食べ…」

私M(食卓に広げられた、調理した覚えのないそれらは、強烈な誘惑を発していた。そして、香りは口の中の「それ」と一致した…)

私「ああ…もうだめ…」

私M(もう、止められなかった)

私「美味しい…美味しいよお…目玉焼きにケチャップ…」

私M(かけていいのはソースだけだったのに。幼い頃、ケチャップをかけて食べていたら友達に変なの!って笑われたあの日から、そう誓っていたのに…)

私「とまんない、とまんないよ…もっと、もっとケチャップかけなきゃ…」

私M(もう、私は、ソースだけには戻れなくなっていた)


ワタシ「ふふふー、よかったよかった!ようやくちょっと素直になってくれたね」

ワタシM(近い未来…ワタシの役目も、もしかしたら終わるのかもしれない。嬉しいはずなのに、少し寂しかった)

ワタシ「この調子でどんどんいこー!今度は何を我慢してんのかな〜」

ワタシM(今はもう少しだけ、私と一緒に)


私M(あの日から、なるべく我慢をしなくなった。今朝も目玉焼きにはケチャップをかけた)

私「美味しいー…ああ、でもな…いや、ケチャップだけ、ケチャップだけ解禁だから、うん…」

私M(心にモヤがかかる。すぐに私は私に嘘をついてしまうのだ。我慢を、してしまう)


私「わっ、また一瞬飛んでた…え、嘘…ま、待って待って、ダメだよ…」

私M(また、あの感覚。じわりじわりと現実が脳内を侵食していく。逃さないとばかりに、机の上には1枚のメモがおいてあった。…また私の字でこう書かれていた)

私「…「塩で食べていいんですのよ」…」

私M(読み上げたその唇は、うっすらと塩気を帯びていた。目玉焼きと塩のマリアージュが、口内に響き渡る)

私「い、いやぁ……私の中に…もう1人、いる…!」



さよならペンシル
題名:さよならペンシル。

作者:出崎真純/オニオン侍

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※本作における著作権管理・利用について

本作は著作権フリーであり、

サークル活動、無料放送、商業目的問わず自由にご利用下さい。

また、いかなる目的での利用においても報告は不要であり、

必要に応じて改稿・編集をして頂いても構いません。

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時間:10分弱

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※配役(男女比:2:2)

※配役2(男女比:1:1 ※男女それぞれ兼役)

△男性

名前:後輩              

年齢:20歳             

概要:美大生。     

名前:これ    

年齢:-

概要:-

△女性

名前:先輩             

年齢:22歳         

概要:美大生。  

名前:それ    

年齢:-        

概要:-












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※本文

これ「お別れかな?」

それ「お別れだね」

これ「僕はもう終わっているから?」

それ「僕ももう終わっているから」

これ「これで最後?」

それ「これで最後」

これ「最後ってなに?」

それ「最後ってなんだろう」


先輩「よいしょっと…うわ、あああ」

後輩「あれ、先輩? 珍しいですね、卒業制作も終わったのに」

先輩「あー…あ、お疲れ。講義終わったの?」

後輩「はい、今日は午前しか取っていないので。……あの、足元が文房具だらけなんですが、これは一体」

先輩「ダンボールがひっくり返っちゃって」

後輩「なるほど」

先輩「そうそう。――ああ、ごめんね」

後輩「いえ。全部混ぜて入れてもいいんですか?」

先輩「大丈夫だよ」

後輩「削れた鉛筆、毛先のつぶれた筆、インク切れのペン……ガラクタ市の準備ですか?」

先輩「ううん、お葬式なの」

後輩「ああ、そういう」

先輩「うん――よし。ありがとう、助かったよ。さて、よ、い、しょ……あれ? よ、よい、よいしょ……」

後輩「大丈夫ですか?」

先輩「はっはっは……私、筆より重い物持ったことないから。なんて……」

後輩「持ちますよ」

先輩「ごめんね? いや、ほんと」

後輩「何処に運びますか?」

先輩「とりあえず、外までお願いしていい?」

後輩「はい。――あの、先輩?」

先輩「なに?」

後輩「葬式って、こんなに文房具が必要なのですか?」

先輩「あはは、違う違う。この子達のお葬式なんだ」

後輩「文房具の……?」

先輩「ほら、私、もう直ぐ卒業でしょう?」

後輩「……ええ」

先輩「昨日ね、部屋の整理をしていたんだ。来月から一人暮らしだからさ。そうしたら、出てくる出てくる文房具達。もう百鬼夜行でも出来るんじゃないかってくらい」

後輩「化ける前に焼いてしまえって事ですか? 百どころか五百はありそうですよ」

先輩「あはは、今日集めた物も混ざっているからね。流石美大だよ」

後輩「それで来ていたのですか」

先輩「――放っておいたら、捨てられちゃうだけだからさ。引越し先はワンルームだから、持っていけないし……だから、ちゃんとお別れしたかったんだ」

後輩「……そうですか」

先輩「ちょっと、なんて顔してるの。これでも使える物は後輩達に譲ったんだよ?」

後輩「そういうことじゃなくて」

先輩「ん?」

後輩「――もう外ですよ。先輩の車に積めばいいですか?」

先輩「……歩いてきちゃった」

後輩「ダンボールを持って?」

先輩「肩に担いで」

後輩「江戸か」

先輩「飛脚じゃないもの」


これ「何処に行くの?」

それ「何処かに行くの」

これ「誰がいくの?」

それ「誰もがいくの」

これ「君はいくの?」

それ「君といくの」


先輩「――傍から見てるとさ、確かに目立ってたね。飛脚スタイル」

後輩「傍から見ないで下さい。先輩もグルですよ」

先輩「あはは、ごめんごめん。疲れた?」

後輩「大丈夫ですよ、このくらい」

先輩「ダンボール、花壇の横に置いてくれる?」

後輩「はい――ふう……あ」

先輩「気づいた? その辺りのマーガレット、君がくれた種から育ったんだよ。今年は暖かいから、もう植え替えたんだ」

後輩「ちゃんと、育ててくれたのですね」

先輩「もちろん。ふふ、驚いたよ。サークルの送別会で花は沢山貰ったけどさ、種でくれたのは君だけだった」

後輩「種だと、毎年楽しめますから」

先輩「おお、ポエマー……」

後輩「そういう事じゃなくて……」

先輩「冗談冗談。そういう素敵なところ、結構良いと思うよ」

後輩「え、本当ですか」

先輩「もちろん。こりゃ、新入生が放っておかないね、うん」

後輩「……それで、そろそろ焼きますか?」

先輩「うーん。あのさ」

後輩「はい」

先輩「ペンって、プラスチックでしょう。焼いたら、有害物質が出ると思う」

後輩「あ」

先輩「どうしよう」

後輩「……とりあえず、鉛筆と筆だけ?」


これ「これは辛いこと?」

それ「優しいこと」

これ「これは痛いこと?」

それ「穏やかなこと」

これ「これは寂しいこと?」

それ「寂しいこと」


先輩「焚き火を囲む、土に突き刺さったペンや消しゴム達。味があるね、創作意欲をそそられる」

後輩「いや、儀式かなにかですよ」

先輩「お葬式だって、儀式だもん」

後輩「仏教ってよりかは、魔術に見えますけどね」

先輩「否定出来ないことを言わないで」

後輩「――そろそろ、焼きましょうか?」

先輩「そうだね。じゃあ、一本目、投入!」

後輩「シュールですね……。煙もそこまで出ていないし、もう次を入れても――先輩?」

先輩「……これで終わりかぁ」

後輩「先輩……」

先輩「小中高に、もう大学まで終わってさ。私、来月から社会人なんだって。社会人だよ、社会人」

後輩「不安ですか?」

先輩「まあね。友達とも、今までよりは会えなくなるだろうし、会社は知らない人しか居ないし、それに、絵だって――2本目、投入っ」

後輩「……先輩なら、きっと上手くいきますよ」

先輩「そうかな」

後輩「はい、必ずです。僕が保障します」

先輩「あはは。君がそう言うなら、安心だね」

後輩「本心ですよ。先輩は、頭が良いですし、絵が上手いし、優しいし、それに……それに、とても魅力的です。だから、大丈夫です」

先輩「ありがとう」

後輩「あ、いや、その……三本目、投入です」

先輩「――ずっと好きだったんだ」

後輩「え?」

先輩「三歳の頃から、ずっと描いてた」

後輩「……好きですよ、先輩の絵」

先輩「私も好きだったよ。いや、自信満々って訳じゃなくてね? 何時間も、何日も、時には何ヶ月もかけて描くから。筆を赤に湿らせて、キャンパスを緑で照らして、黄色を垂らして。そうやって出来た絵を、嫌いになれる訳ないんだ」

後輩「そうですね」

先輩「でもね、もう終わりみたい」

後輩「絵、続けないんですか?」

先輩「あはは、無理だよ。頑張っても、好きでも、それだけじゃないみたい。社会って。卒業制作が箸にも棒にも引っ掛からなかったら、すっぱり止めようって決めていたの」

後輩「僕は、惜しいと思います」

先輩「ありがとう。君が一番、私を認めてくれていたよね」

後輩「今だって、誰よりも貴方を認めています!」

先輩「ありがとう」

後輩「先輩、だから続けてーー!」

先輩「――あ、懐かしいな。ほら、見て」

後輩「鉛筆、ですか? 二本とも随分短いですね」

先輩「はじめて買って貰った鉛筆なんだ。嬉しかったなぁ、楽しかったなぁ……あは、は、悔しい、なぁ」

後輩「……先輩」

先輩「なに?」

後輩「それ、僕に下さい」

先輩「だって、もう短いよ?」

後輩「お願いします」

先輩「君……」

後輩「先輩の鉛筆で、僕、描きますから」

先輩「あはは、眩しいなぁ」

後輩「ずっと、描きますから!」

先輩「――分かったよ、ほら」

後輩「一本、ですか……?」

先輩「それだけなら、あげてもいいよ」

後輩「じゃあ……」

先輩「これは、私が持っていたい。まだ、それでも、握ってみる」


これ「また会えるの?」

それ「また会えるね」

これ「嬉しいね?」

それ「嬉しいね」

これ「じゃあ、それまで」

それ「うん、それまで」

これ「さよならペンシル」

それ「さよならペンシル」



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